トヨタ、第1回AA型種類株式を残存取得・消却総額4779億円


トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男、以下、同社またはトヨタ)は12月14日、今からおよそ5年前にあたる2015年7月2日に、国内個人投資家向けに発行した種類株式「第1回AA型種類株式」の残存株式を全取得して消却する意向を発表した。(坂上 賢治)

今から5年前、同種類株の発行を決めた当時のトヨタは、第一に〝次世代の最先端技術の輩出〟が自らの企業価値向上に不可欠であると考えていたこと。第二に、既存株主に資金を頼るだけでなく、多様なステークホルダーがSDGs的な〝中長期的な目線で企業を評価する〟という考え方に着目。これを背景に新たな研究開発資金の調達手段として新株発行に着手した。

そこで同年6月開催の定時株主総会で会社定款の変更を提案。同提訴変更で1億5000万株(発行済み株式数の5%未満)まで、AA型種類株式を発行できるようにした。なお、このAA型種類株式の「AA型」という名前は、株式市場に於ける何らかの規則や慣習に則ったものではない。

その名前は、1936年(昭和11年)にトヨタの前身である「株式会社豊田自動織機製作所・自動車部」が開発・製作したトヨタ初の乗用車から採ったもの。トヨタが独自が考えた新株の名前という訳だ。その時点でトヨタは、このAA型種類株式を、今後複数回に亘って発行していくとしていた。

募集株式数は、都合4710万株(当初の上限は5000万株)、具体的な申込期間は、先の発表翌日の3日から22日迄の20日間。引き渡しは7月24日とした。配当は初年度が0.5%、5年目以降は2.5%で固定。これに伴う同年の手取り概算額は4749億円に達した。

ちなみにAA株は議決権こそあるものの、先の通り、中長期保有の株主を開拓する目的であることから種類株購入者は5年間、同株式を売買できない。その一方で5年後に普通株への転換や、発行価格で投資家から買い戻す取得条項が付けられなど、世界でも希な新型株誕生となり当時のニュースを賑わせた。

それから5年を迎えた今年9月、購入者が発行価格での取得請求が可能になったことを受け、トヨタは当初目的に沿った開発成果が上げられたとして残存分の取得を決めたという。結果、種類株は3月末から9月末までの間に200万7100株増加し、残存規模は約4779億円。同社は手元資金を原資として2021年4月2日に取得する予定としている。

同社では、「発行後、コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化といった〝CASE〟と呼ばれる新領域への投資。次世代環境車の開発。異業種も含めた様々なパートナーとのアライアンスなど未来への投資が着実に推進させて、モビリティ社会への礎を築いてまいりました。

また、この間AA株を保有する株主の皆様には、高い比率の議決権行使を通じてトヨタの経営にも積極的に参画頂きました。こうした取り組みを推進することができましたのは、トヨタを信じ、資金を投じてくださった株主の皆様のおかげであり、改めて感謝申しあげます。トヨタは、今後も〝幸せの量産〟に向けた未来への挑戦を続け、より多くの株主、投資家の皆様に応援頂けるよう取り組んでまいりたいと考えております」と話している。

以下は2015年春頃のトヨタの個人投資家向けIRイベント動画

概要
取得価額 発行価格相当額+経過配当金相当額
取得日 :2021年4月2日
消却日 :2021年4月3日

(参考)AA株概要
発行日 :2015年7月24日
発行価格 :1株につき10,598円
発行価格の総額 :4,992億円