ロールス・ロイス初のコンセプトカー「Rolls-Royceビジョン・ネクスト100」を公開


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実用性や機能性の追求を超えた未来のラグジュアリーカーを先取り。全自動運転車でありながら妥協のない独自の世界を構築

ロールス・ロイス・モーター・カーズ(Rolls-Royce Motor Cars、本社:英ウェスト・サセックス州グッドウッド、CEO:トルステン・ミュラー・エトヴェシュ)は、英国ロンドンから世界に向けて「Future of Luxury (未来のラグジュアリ ー)」として、103EXのコードネームで開発を進めてきた「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100」を発表した。

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https://www.youtube.com/watch?v=dGSm082ELXY

このクルマは、ロールス・ロイスの歴史上初の「コンセプト・カー」であり、かつロールス・ロイス・モーター・カーズを傘下に持つBMWグループが、先の3月7日にミュンヘンに於いて100周年を記念して発表した「THE NEXT 100 YEARS 」ビジョンの一つでもある。

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今年2016年は、BMW グループ自身が100周年を迎えるだけでなく、ロールス・ロイス・モーター・カーズの歴史上でも大きな転換の年となった。

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https://vimeo.com/171175915

というのは愛好家から「ベストカー・イン・ザ・ワールド」(世界最高の車)と評されていた第7世代ファントムの生産が終了する年でもあるからだ。

これは単なるひとつの世代の終焉というこではなく、BMWグループの傘下となって始まったブランドの再生の第 1段階が完了したことを意味する。ファントム、ゴースト、レイス、そして現在のドーンの成功が、新たな幕開けの章を迎えた。

そんなロールス・ロイスが、世界で最も評価の高いラグジュアリーブランドとして生き続けてきた理由は、常に先を見据え続けてきた先進の姿勢にある。そして、その精神が新たなロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100 を生み出した。

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ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100は、未来のラグジュアリーカーを指し示すビジョンであり、真のラグジュアリーは未来永劫、非常にパーソナルな存在であり続ける。

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これを踏まえて同社のデザイナーは、未来のラグジュアリー・モビリティを象徴する以下の4つの基本原則を選定した。 それは「パーソナル・ビジョン(個人の好みを反映)」、「エフォートレス・ジャーニー(平易な旅程)」、「グランド・サンクチュアリ(豪奢なる聖域)」、「グランド・アライバル(威厳のある到着)」の4つである。

そしてロールス・ロイスは、この基本原則に沿って未来の個人向け輸送手段が、「実用的かつ機能的なものとなる」という一般的な考えを拒否した。

ロールス・ロイスは、オーナー自身が所有する自動車に対して、感情的な繋がりを求め、全自動運転車でありながら一切妥協することなく、オーダーメイド(コーチビルド)による独自仕様車を仕立て上げるビジョンを提案したのである。

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パーソナル・ビジョン(個人の好みを反映)

従って今回発表したロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100 は、将来のロールス・ ロイスが提案し得る多数のパーソナル・ビジョンの一例に過ぎない。

実際、現在のロールス・ロイスのビスポーク・プログラムがさらに進化すれば、オーナーの好みが、所有するロールス・ロイスのデザインや構成にそのまま反映されるようになると云う。

過去に優れたコーチビルドカーを生み出してきたロールス・ロイスは、この精神の元、未来のシャシーや手作業による最先端素材の加工、排出ガスゼロのパワートレインによる駆動などを実現していく。

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そうした高度な製造技術により、オーナーはこれまで以上に、形状、サイズ、シルエットなどのデザイン面に於いて、自身のロールス・ロイスに対するビジョンを反映させることができるようになる。つまり未来の同車のオーナーは、自身独自を表現するコンセプトをロールス・ロイスに対して注文するようになるのだ。

注文を受けたロールス・ロイスは、そうしたオーナーそれぞれのパーソナル・ビジョンをクルマという形にデザイン・製造し、その1台1台が他にはないオーダーメイドの逸品となっていく。

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エフォートレス・ジャーニー(平易な旅程)

なおこの新しいロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100 には、オーナーに快適な未来の夢を実現する存在として、「ボイス・オブ・エレノア」が宿っている。

「エレノア」は、オーナーの生活のあらゆる側面や車周囲の環境と デジタルで接続されており、バーチャルなアシスタントというだけでなく運転手も務め、オーナーをあらゆる努力や負担から、その一切を解放する。

エレノアは、乗車する人の出発準備が整うと、その人の待っている場所まで車を「移動」させ、次の目的地に向かいながら、到着に先立ってその人が「目的を果たす」準備ができるよう概況説明を行う。

そして常に注意を怠らず、待ち受ける状況や環境を予め予測しながら、乗車する人を安全に目的地まで送り届ける。

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グランド・サンクチュアリ(豪奢なる聖域)

これをロールス・ロイスの「マジック・カーペット・ライド(魔法の絨毯のような乗 り心地)」がさらに強化する。

マジック・カーペット・ライドは、未来の強力な排出ガスゼロの駆動系を備え、車がまるで路面をかすめ飛んでいるように感じられる様、高度なサスペンション構造を組み合わせていく。

ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100 に一旦、足を踏み入れると、乗車する人は、いにしえの国賓用の公式馬車のような優美さと荘厳さに迎え入れられ、ロールス・ロイス史上最も居心地の良いシートに収まることになる。

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未来的でありながら、手作業で仕上げられたラウンジのようなキャビンのしつらえに包まれ、コーチドアとクラムシェル式キ ャノピーがすべるように閉まると、邪魔するモノのない静かでラグジュアリーな空間に包まれる。

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室内のコックピットやハンドルは、もはや不要になるため、シートからの眺めを邪魔するものがなくなり、空間がより広く感じらるようになる。

ボイス・オブ・エレノアは、キャビンのフロントウォールを占める透明なOLEDスクリーン上にビジュアル キューを表示する。車中の人はそこで、移動・目的地及びこれから会う予定の人々に関する情報を見ることができる。

車中に於いてはまた、外界を遮断して、しばらくの間お気に入りのショーを楽しむこともできる。

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グランド・アライバル(威厳のある到着)

ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100の象徴的かつ堂々とした未来的な姿は、これに乗る人々のグラン ド・アライバル、すなわち威厳のある到着を約束する。

国賓用送迎車の時代、そして初期のコーチビルドのリムジンの時代にも、人々はその名声にふさわしい到着が保証されていた。

未来のラグジュアリーを力強く表現しながらも、真のロールス・ロイスらしさを象徴する佇まいを保ち、スピリット・オブ・エクスタシー、パンテオングリル、 ロングボンネット、車両全体の象徴的なプロポーションは不変とした。

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そもそもロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100 のサイズそのものが、その高級車の重要性を表している。

全長 5.9メートル、全高1.6メートルの車体は、現在のファントム・エクステンデッド・ホイールベースとほぼ同じ外寸。一方、これまで変わることのなかったスピリット・オブ・エクスタシーは身長が高くなり、1920年代の豪華なファントムを彷彿とさせるものになった。

現在最高峰の欧州ガラスメーカーが、手作業で造り出したスピリット・ オブ・エクスタシーは、未来のラグジュアリーに向かう道筋を明るく照らす。

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これまで見てきたように、こうした乗り物のエクステリアデザインと装飾が、これに乗る人物の重要性を表す。それはラグジュアリーなインテリアも同様である。

ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100のグランド・アライバルはまず、車の正面から極めて優美な輝きを放ちながらきらめくスピリット・オブ・エクスタシーと、パルテノングリル、この上なく優美な輝きを放つフロントのホイールアーチ後縁からシングルコーチドアの後部のエクステリアにより、何か重要な事がもうすぐ起ころうとしている合図を示す。

そしてロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100 が優雅に停止すると、辺りに荘厳な雰囲気が満ち溢れる。

車の左側がヒンジで動き、ガラスキャノピーが持ち上がり、乗車する人が立ち上がれるようになる一方、上 部と背後は守られている。その後、その人が苦も無く動くと、シングルコーチドアが静かに開き、ランニングボードの下からステップが現れる。

最後の華やかな演出として、ステップの下側からレッドライトが 投射され、歓迎の意を示すレッドカーペットが敷かれたようになる。

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これらの演出についてロールス・ロイスデザインチームを率いるジャイルズ・テイラ ー氏は、「ロールス・ロイスのグランド・アライバルの演出によって、大切なお客様が最終目的地に到着したときに、 彼らのためのステージが創り出されます。

真のラグジュアリーブランドの可能性と、お客様の望みの本質を私たちが理解していることがここに現れています」と述べた。

次の100年に向けたロールス・ロイスのビジョン、ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100。それは未来のラグジュアリーカーが目指す新たなビジョンであると云う。

なお今回ロンドンにて、このコンセプト・カーの披露を目にする事ができなかった場合に備え、ロールス・ロイスはヴァーチャル空間で、これを体験できる機会を用意している。

興味のある向きはYouTube 360°(本記事に既出)にて、スピリット・オブ・エクスタシーの声のガイドにより、ロールス・ロイスの本拠地であるグッドからのラグジュアリーの未来を堪能されたいと同社では、結んでいる。

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