欧州でのEX30生産開始という重要な節目を迎えた
ボルボ・カーズのベルギー・ゲント製造工場は4月25日、電動SUVのEX30の生産を開始するという重要な節目を迎えた。これにより同工場への新たな生産ラインへが追加にされ、同工場では約350人の新規雇用が創出、その総雇用数は約6,600人になった。
同社によると、2024年に欧州で販売台数を稼いだEX30は、2023年後半からの導入開始以降、今日に於いても人気の選択肢となっているという。ゆえにゲント工場での生産開始は、予てよりの生産計画に沿った予定を消化したもので今後、同工場では今年後半にEX30クロスカントリーの生産も開始される予定。
加えてゲント工場では、EX40とEC40、ハイブリッドモデルのXC40とV60も生産しており、2024年度は18万6000台強の自動車が生産される。
そんなボルボ・カーズのゲント工場は、ベルギー第3の都市ゲント郊外の北海港湾地域の中心部に1965年に開設され、ベルギーに残る唯一の完全整備された自動車工場となっている。
いずれ欧州での自動車製造拠点は3つになる見込み
またゲント工場は、スウェーデンのトルスランダ工場と合わせて、現時点でボルボ・カーズがヨーロッパで運営する2つの自動車製造工場のうちの1つであり、3つ目の工場は目下スロバキアで建設中となっている。
ボルボ・カーズとしては今後、人気のEX30の生産については地域毎の需要を受けて、世界規模で製造拠点の多極化を推し進め、必要とされる地域で必要な車両を生産していくべく順次計画的に生産能力を拡大していくとしている。
そうした生産計画に係る取り組みについてボルボ・カーズで最高製造・サプライチェーン責任者を務めるフランチェスカ・ガンボーニ氏は、「EX30は、欧州のプレミアムEV市場における当社の地位強化を継続する上で極めて重要です。
ゲントに於けるEX30の欧州生産への投資は、最も売れる地域で必要とされるクルマを生産するという当社の長年の戦略に完全に合致しています。
当社の柔軟なグローバル展開は、当社のレジリエンス(回復力)に貢献し、生産計画を機動的に調整することを可能にしています」と述べた。
同社は近年、ベルギー工場に約2億ユーロ相当の投資へ
なお今回のゲント工場でのEX30の生産を可能にするため、ボルボ・カーズは近年、ベルギーの工場に約2億ユーロ相当の投資を行ってきた。
そのために工場には、全く新しい車両プラットフォームの追加、約600台の新規または改修ロボットの導入、バッテリーホールの拡張、新しいドア生産ライン、そして新しいバッテリーパック組立ラインなど、幅広い改修が行われた。
ちなみに欧州地域でのEX30の生産は、欧州連合(EU)の持続可能性と競争力向上に向けたアジェンダに応え、それを支えるものであり、その結果、新たな雇用を創出し、イノベーションと電動化を推進する地域への新たな投資となった。
なおボルボ・カーズは現在、ベルギーのゲント工場とスウェーデンのトルスランダ工場で、欧州向けの10種類の電気自動車とハイブリッド車を生産している。
こうした体制づくりについてボルボ・カーズでゲント工場の工場長を務めるシュテファン・フェッサー氏は、「2023年秋にEX30の生産をゲントに移管することを決定し、記録的な速さで新型モデルを量産化することができました。
これらはゲントチーム全体の協力と尽力のお陰で、結果、量産化の期間を半分に短縮することができました。
本日のEX30の生産導入を大変誇りに思い、新たな技術とイノベーションによって市場の需要に柔軟に対応できることを実証できたことを心より嬉しく思います」と語っている。