ボッシュ、ソニーセミコンダクタソリューションズとの協業により、照度条件が厳しい環境でも周囲をより速やかに検知可能に
独・ボッシュこと、ロバート・ボッシュGmbH(本社:シュトゥットガルト・ゲーリンゲン、代表取締役社長:Dr.rer.nat.Volkmar Denner <フォルクマル・デナー>、以下、ボッシュ)は、ドイツ時間の5月29日、自動運転に向けてカメラ技術でソニーと技術提携で合意したと発表した。
具体的にはソニー陣営(ソニーセミコンダクタソリューションズ・本社:神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号、代表取締役社長:清水照士)の画像センシング技術と、ボッシュが持つ自動車関連技術のノウハウが、ドライバー アシスタンス システムや自動運転向けの画期的な新しいカメラにつながる見込みとしている。
そのボッシュによると、「天気が良く、太陽が低い位置にあると、運転中に非常にまぶしく感じ、視界が制限されてしまうことがあります。
また、よく晴れた日に、運転している車がトンネルから出る際、まぶしい光を遮るためにサンバイザーが必要になることもよくあります。
明るさが十分でない場所から出る時や、外の明るさが急に変わる時に、人間の目はその変化にすぐに対応しきれませんが、ドライバー アシスタンス システムや自動運転に必要なカメラの場合もそれは同じです。
こうしたセンサーの問題点を改善するために、ボッシュとソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社はこのたび、技術提携することに合意しました」と述べている。
両社は今後、照度条件が厳しい環境でも、車両の周囲を確実に検知できる最先端の画期的なカメラ技術の開発を目指すことになる。
ボッシュのシャシーシステム コントロール事業部長を務めるゲルハルト・シュタイガー氏は、「世界屈指の自動車部品サプライヤーであるボッシュとイメージセンサーのマーケットリーダーであるソニーセミコンダクタソリューションズは、互いの技術ノウハウを持ち寄ります」と語っている。
両社の協業により、冒頭でボッシュが述べていた通り、照度条件が厳しい環境でも視界が向上すると云う。
自動運転車に限らず、現代の安全装備を実装した自動車に於いては、レーダーセンサーや、超音波センサーと共に、カメラは、現代の自動車にとって感覚器官に相当する。
例えば、歩行者に対応した自動緊急ブレーキシステム、車線維持支援システム、標識認識システムなどのドライバー アシスタンス システムのためには、こうしたカメラ性能の善し悪しが、今日の車両の付加価値を左右するほど、ますます不可欠な存在となってきている。
こうした車載カメラの利点は、物体を検知し、その生成された画像が非常に膨大な量の情報を持つという点にある。
この領域でボッシュは永年にわたり、360°のサラウンドビューを可能にする単眼カメラ/ステレオ ビデオ カメラの生産に携わってきている。
そんなボッシュによるとカメラは今後、自動運転のセンサーコンセプトを実現する重要なコンポーネントとなっていくと話す。
特に暗い場所から、明るい場所に出る場合、そしてその逆の場合など、照度が急に変化する時でも確実に作動するカメラの存在が欠かせず、検知範囲内で明るさが大きく異なる場所がある場合にも、瞬間的にその相違を感知できる必要がある。
先のシュタイガー氏が「自動運転車両が路上での安全を確保するには、周囲をいつでも速やかに検知できることが不可欠です」と語る通り、自動車にとって視界の確保は必須であり、その技術領域でソニー陣営の光学技術に白羽の矢が立った格好だ。