BMWがMINIブランドの未来を示すコンセプトカー「MINIビジョン・ネクスト100」を発表


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ビー・エム・ダブリュー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ペーター・クロンシュナーブル、以下BMW)は、BMW 100周年記念事業の一環として、自動車ブランドであるMINIブランドの未来をイメージしたコンセプトカー、『MINIビジョン・ネクスト100』を2016年6月17日に発表した。

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同社が、現代都市向きのプレミアム・コンパクト・カーとして育て上げてきた現在のMINI。

「MINIビジョン・ネクスト100」は、これを踏まえて未来のアーバン・モビリティを巡る次のような重要な問いに対してMINIが打ち出した回答である。

  • 「エモーショナルなレベルで人に関わる車は、未来都市の中に居場所を持てるのか?」
  • 「空間の有効利用」というMINI独自の思想はどうなるのか?」
  • 「デジタル化やコネクティビティがますます進む世界に、MINIはどのように対応していけるのか?」

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上記を踏まえた「MINIビジョン・ネクスト100」の中核思想は、パーソナル・モビリティに於いて、地球の資源を大切に使っていくことにある。

また併せて「すべてのMINIが、私のMINI」のキャッチフレーズを打ち出しており、これはカーシェアリングに対する独自の考え方を表している。

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すなわち、個人のニーズにぴったり合ったMINIを、いつでもどこからでも呼び出せるようになる24時間365日無休のサービスに乗せていくこと。

そしてその未来のMINIが、利用者の指定する場所まで100%自動で迎えに行き、さらに個人の趣味や興味、嗜好にも適応するというものにしている。

ちなみに同社では、このコンセプトの中核となるのは、完全接続のデジタル知能にあると云う。

未来のモビリティに対してMINIは以下のようなアプローチを、次世代MINI像開発の課題に据えた。

  • 「デジタルマイカー」:すべてのMINIが私のMINIになる。
    未来も現在と同じく、MINIやMINIが提案するライフスタイルに魅力を感じる人は多いはず。
    ただ、その仲間に加わるためにMINIのオーナーになる必要は、実際にはなくなるだろうと予想される。
    そこで同社のデザインチームは課題として次のように考えた。
    MINIに、広く瞬時に適応できる能力(ドライバーが自分の趣味にぴったり合ったマイカーのように感じるような)を持たせ、いつでもどこでも必要に応じて使えるようにするにはどうすればよいのではないか?

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「MINIビジョン・ネクスト100」は、地味なシルバーの衣をまとっている。MINIデザイナーはこれを「まっさらのキャンバス」と呼んだ。

そのキャンバスをどう使うかは個々の利用者次第。その時の気分や状況に応じてフレキシブルに使用できるものを目指した。

従ってルーフの色や室内照明の雰囲気までも変えることができるようにした。色やグラフィクス、コンテンツについてドライバーに対応して予測を行い、ひとりひとりに応じて室内環境や室内情報一式の設定を行うクルマとした。

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「クーパーライザー」:ドライバーとデジタル知能を接続。
クーパーライザーとは、MINIのコックピットで馴染みのデザインとなった中央配置の円形メーターに今回与えた名前である。

「MINIビジョン・ネクスト100」では、これが万華鏡のように光り輝く。

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クーパーライザーが生み出す色やパターンが象徴するこの車の多面的なデジタル知能は、エンターテインメントや通信、自動運転のオプションに至るまで、各ドライバーに最適な設定を選ぶ能力を備える事を意味していると云う。

具体的には、走行中、ドライバーは室内の雰囲気やドライブモードを設定する回転コントローラーを操作することで、クーパーライザーの判断に介入することができる。

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このため、ドライバーによる運転に於いても、また自動運転時に於いても、ドライバーひとりひとりにぴったりと適合した走りが得られる。

そして「インスパイア・ミー」ボタンを押すと、クーパーライザーのもう1つの特殊機能が起動する。

これは、ダウンロードした利用者データを確認することで、現在のドライバーに対するおすすめ情報を提示するもの。

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例えば、ドライバーがある芸術家を好み、展覧会を鑑賞したばかりだとする。すると、「MINIの設定をその芸術家をテーマとしたものに変更しませんか」と車の方から聞いてくる。

また、郊外に向かうワインディングロードを探し出し、高性能モード「ジョン・クーパー・ワークス」で走ってみませんか、と勧めたりするという具合だ。

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「アーバン・ゴーカート」:小さく、賢く、キビキビ走る
もちろんMINI独自の楽しい走りは未来もそのまま。「MINIビジョン・ネクスト100」は、さまざまな部分でゴーカート的なフィーリングを、より高い水準まで高めた。

多くのスイッチ類や画面を省略した室内は、ムダのないすっきりしたデザインとし、ガラスのフロントエンドから見る前方の景色には、拡張現実(AR)ディスプレイにより、ルートや最適な走行ラインを表示することで、エキサイティングな走りを演出していく。

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こうした装備に加え、ディテールにも工夫し、最小の占有面積という制約の中で室内に最大のスペースを確保した。

キャビンスペースのゆったり感をさらに強化すべく、室内幅いっぱいに伸びたベンチシートのほか、ステアリングホイールに合わせてスライドし、位置が変わるペダルを採用した。

ステアリングホイールは常に前方にあるが、自動運転も可能だ。運転操作が苦痛になったら、運転は車に任せて別のことをすれば良い。

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「MINIビジョン・ネクスト100」では、自動運転が重要な役割を受け持ち、充電ステーションや洗車場・駐車場へ向かったり、次の利用者を迎えにいったりする走行も無人で行えるようになる。

手動運転から自動運転への切り替え操作は、ステアリングホイールを、運転席と助手席の間の中央位置へ移動させるだけ。

これにより、車内での体の動きの自由度が高まるほか、交通量の多い市街地での乗り降りも楽になる。

一体型ベンチシートと、センターコンソールのない左右いっぱいに広がるフットウェルも、同じく乗員の動きを容易にするもので、左右どちらからでも速やかに乗降できる。

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ダイナミックな走りを楽しむ場合は、シート内部のアクティブ装備により、運転席と助手席の両方でラテラルサポートが提供される。

また、狭い場所に駐車した場合、ドアがその限られたスペースで可能な最大角度まで開く自動機能が採用されている。

持続可能な材料を革新的な方法で活用
「MINIビジョン・ネクスト100」に利用される材料選定では、責任ある資源利用を重視し、優れた質感を長年にわたって保つこと。経年劣化しても趣があること。肌ざわりがよいことを判断基準とした。

MINIのインテリアデザイン部門では、フロア部やルーフライニング、サイドパネルトリムなどに再生プラスチックとアルミニウムによる先進材料を使う他、真鍮や玄武岩、セルロースといった、車のキャビンにはあまり見られない材料も採用した。

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フロント部分を囲むキャリア&情報ストリップ(スライド式ステアリングホイールのマウントを搭載)と、薄い真鍮構造のクーパーライザーなどはその好例となるものだ。

ステアリングホイール後ろの収納ネットには、軽量材料の玄武岩を、またシート下部のトリムには紙に似た再生セルロースを採用している。

こうした材料使用の新機軸としては、その他に使用によって風合いが加わるようにする工夫や、美しい外観を長く保つ技術などが挙げられる。

また、選定した材料や加工方法に特有の不規則性を大事にすることで、表面に自然な外観と手ざわりを与えている。

一方、「MINIビジョン・ネクスト100」に見られるアナログデザインの例としては、ホイールがある。

ホイール外面の開口部を通して、揺らめくグラフィック(真鍮色)の滑らかの動きが目に入り、各ホイールが機械の宝石のように見えるようデザインされた。

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体験を共有するという未来を打ち出したMINIのビジョン
昨今、車や住宅などのモノの共有がますます普及してきた。デジタル化やコネクティビティ、人工知能の進展で共有が簡単にできるようになり、これは自動化が進んだことによる。

「MINIビジョン・ネクスト100」は、同じ考え方を持ち、MINI的ライフスタイルを共有する人々をつなげていく。

この重要な点について、MINIデザイン部長のアンダース・バーミング氏は、「『MINIビジョン・ネクスト100』はMINI独自の世界観が未来にどのような形を取るかを示すものです。

そこでは走りの体験が引き続きエモーショナルな中核を形成し、その周辺に簡単円滑に利用できる一連のサービスが展開されることになるでしょう。

モビリティはインスピレーションあふれる体験の世界を切り開きながら、持続可能なアプローチと賢明な資源利用を堅持します。

そして皆が、皆からメリットを受ける世界が生まれていくのです」と語った。

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「MINIビジョン・ネクスト100」スペシャルサイト:
http://cp.mini.jp/next100/index.html?WT.ac=mjp_mainstage_next100 To-jump-to-external-page20150401

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