5月25日13時からは「英国における低炭素イノベーション」をテーマに11本の講演を行う
2017年5月24日(水)から26日(金)まで、横浜市西区みなとみらい地区・パシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」に於いて、英国地域27社/団体が当地の最新技術を発信する「英国パビリオン」としてテーマ出展。
25日13時からパシフィコ横浜アネックスホール2階・F204で、「英国における低炭素イノベーション」をテーマに、同時通訳を介し11本の講演を行った。
なお「人とくるまのテクノロジー展」に英国パビリオンがテーマ出展するのは、今年で16年連続であり、今回も英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省、英国国際通商省、駐日英国大使館、在大阪英国総領事館が主催しての出展となっている。
25日(木)には講演に先立ち、英国パビリオン(小間番号386)で正午から、北東イングランド・オートモーティブ・アライアンス最高経営責任者のポールバトラー(Paul Butler)氏、コネクテッド及び自動車運転センター研究開発部門ヘッドを務めるサイモン・シャプコット(Simon Shapcott)氏が挨拶を行った他、先端推進システム技術センターからは、事業開発ディレクターのゲイリー・ウイルソン(Garry Wilson)氏が来日。
ブース取材に訪れた報道陣に向けて、英国サプライチェーンへの投資・共同技術開発機会、当地に於ける自動車製造技術と低炭素技術の卓越性、関連の最新鋭技術の開発状況についてプレスブリーフィングを行った。
このブリーフィングの冒頭では、ポール マデン(Paul Madden)駐日英国大使が登壇し、「英国は16年連続で『人とくるまのテクノロジー展(JSAE Exposition)』に参加し、英国の自動車工学と低炭素技術を紹介するパビリオン出展を果たしたことを光栄に思います。
英国は、日本の自動車産業との長期に渡る実りある関係を享受しています。
その内容は、172万台を超える乗用車と255万のエンジンが昨年英国で製造され、乗用車の約半数が日本のメーカーによるもので、過去12年で日本企業が英国で製造した車体数は900万台に上ります。
次世代の低炭素推進技術の研究、開発および商業化を目的に運営される「先端推進システム技術センター(APC ※1)」では、英国政府と同業界による共同資金援助10億ポンド(約1,400億円)が投じられ、現在31のプロジェクトが進行中です。<※1・関連内容は後述有り http://www.apcuk.co.uk/ >
昨年11月に英国財務大臣は、超低炭素排出車 (ULEV) を支援し、コネクテッドおよび自動運転車 (CAV) を研究開発する目的で、さらなる3億9,000万ポンド (546億円) の公的資金援助を発表しました。
これには、ULEV(※2)バス・タクシーの導入を支援するための1億5,000万ポンド (約210億円)、充電インフラ整備のための8,000万ポンド (約112億円)、及び新CAV試験インフラのための1億ポンド (約140億円) が含まれ、これは、英国の複数都市で継続して行われる自動運転車開発の画期的な試みとなります。
(※2 NOxこと窒素酸化物や、NMHCこと非メタン炭化水素などの有害物質の排出量を各国の国際基準が定める規制値よりも大幅に低減させた超低公害車)
過去1年間に亘り英国の自動車製造に対しては、日本からの長期的な投資が継続して見受けられました。
例えば、海外工場との激しい競争にも関わらず、昨年10月に行われた日産の発表では、次世代キャシュカイおよびエクストレイルSUVの組み立て工場としてサンダーランドが選ばれました。
またホンダは、5ドアのシビック・ハッチバックの生産を拡大するため、生産能力25万台の英国スウィンドン工場に対して2億ポンド (280億円) の投資を行い、コンパクトカーを米国、日本、ヨーロッパ市場に輸出しています。
2017年3月にトヨタ自動車は、英国に対して2億4,000万ポンド (約340億円) の追加投資を発表しました。
これらにより1992以降の英国自動車及びエンジン製造に向けた投資総額は25億ポンド (3500億円)を上回っています。
このように、英国の自動車産業では多くの取り組みが行われており、英国企業と日本企業間の強力な提携は成長を続けています。
自動車関連の企業・団体各位に於かれては、是非共、「人とくるまのテクノロジー展2017」メインホールでの英国パビリオンにお越し頂き、英国産業との実りある提携の可能性に着目して頂きたいと思います」と述べた。
なお出展企業/団体については下記URLを参照されたい。
APC(先端推進システム技術センター)
低炭素化推進のための開発と生産に於いて、英国を中核的研究拠点として位置付けることを目的に活動。年2回のコンペティションを通してコンソーシアムのための助成金を提供している。
本拠地は、イングランドのミッドランズにあるウォーリック大学内部にある(University of Warwick)。英国内全土に於いて技術連携のネットワークを敷くことを介して、同国内の専門知識とリソースへのオープンアクセスが可能となっている。< http://www.apcuk.co.uk/ >
BEIS(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)
科学技術と革新を核とする英国の経済パフォーマンスに再び活気を与えるための基盤を構築することを目指している産業戦略機関。
テリーザ・メイ氏が2016年7月14日に首相に任命されたのを受けて、ビジネス・イノベーション・技能省とエネルギー・気候変動省が統合・創設された。< https://www.gov.uk/beis >
CCAV(省庁横断の政府組織)
英国をコネクテッドおよび自動運転車 (CAV) 技術の開発の最前線に置くために設立された英国運輸省(Department forTransport) とビジネス・エネルギー・産業戦略省 (Department for Business, Energy &Industrial Strategy) による共同政策部門。
2020年までに、CAV技術の研究開発を一新するために1億ポンド(約145億円)以上を投資していく。< https://twitter.com/ccavgovuk >
Innovate UK(イノベートUK)
英国政府パートナーと協力して、低炭素および自動運転車の部門におけるビジネス主導型の研究開発を支援するための資金を提供する同国に於けるイノベーション機関。
企業、パートナー組織と協力し英国経済を成長させるため科学技術の革新性を抽出・推進する。< https://www.gov.uk/government/organisations/innovate-uk >
DIT(英国国際通商省:Department for InternationalTrade)
英国の世界貿易活動の推進および海外から英国経済への対英投資の誘致に総括責任を担う。国際貿易政策の交渉、企業のビジネス支援、さらに貿易外交戦略の実現を管轄する政府機関である。< https://www.great.gov.uk/int/ >
AGM Batteries Ltd(AGMバッテリー社)
電気化学の開発、スケールアップスマートセル、サブコントラクトセル製造、電気化学のライセンシングを背景に、スコットランド・ハイランド地方で大型電池の製造パイロットプラントを運営。
具体的には、自動車OEMおよびTier1サプライヤーと共に、ハイブリッド車や電気自動車のプログラムの開発を行っている。< https://www.agmbatteries.com/ >
BAC – Briggs Automotive Company Ltd(ブリッグス・オートモーティブ・カンパニー社)
世界で唯一公道を走行できる1人乗りスーパーカー「Mono」をリリースする英国製造業者。
ブリッグス兄弟(ニールとイアン)はリバプールを拠点とするこのビジネスを創設し、世界を対象に正統派で純粋なドライビングエクスペリエンスを実現する公道車両の提供に取り組んでいる。< http://www.bac-mono.com/ >
Camcon Automotive(カムコン・オートモーティブ社)
走行性を向上させると同時にCO2と燃費の大幅な向上を実現したICエンジンのデジタルバルブトレイン技術を背景に持つ英国のエンジニアリング企業。
同社がインテリジェント・バルブ・アクチュエーション(Intelligent Valve Actuation:IVA)と呼ぶこのシステムは、従来のカムシャフトをソフトウェアによって制御される各バルブの電気機械式アクチュエータに置き換えるもの。
ソフトウエアによる制御を可能にするため、排出ガス規制対応の可能性を提示している。< http://www.camcon-automotive.com/ >
Continental Engineering Services(CES、コンチネンタル・エンジニアリング・サービス)
Continental AG(コンチネンタルAG)の子会社として、自動車業界の顧客にエンジニアリングサービスを提供するため2006年に設立された。
ターゲット市場はHEV、シャーシ&セーフティ、インテリアとパワートレイン・ソリューション、およびハイブリッド車・電気自動車によるモータースポーツ等があり、日本国内では横浜にオフィスを有している。
< http://www.zytekautomotive.co.uk/ >
Dontyne Gears(ドンタイン・ギア社)
大小の専門企業向けの小規模な試験プログラムを促進するため2013年に設立。CADと製造装置技術を用いて、試験プログラム並びに新たなギアシステムを作成、または既存機構を最適化する設計サービスを提供している。
業界標準インボリュート歯形により10~50%の出力密度の向上を達成することができるとしている。< http://www.dontynegears.com/ >
Equipmake(エクイップメイク社)
1997年に設立された高性能モーター及びモータ制御インバーターの技術開発企業。モデリングからシミュレーション、機械設計と電子設計、プロトタイプ生産、さらに社内のダイノテスト設備を用いたテスティングまで、一貫または個々の段階に於けるプロジェクトを受諾。
主要サプライヤーを介して、短期間でプロトタイプのモーターシステムを製造することができるとする。< http://www.equipmake.co.uk/ >
HiETAテクノロジーズ社
コンポーネント設計、システム設計、製造、テストに関する専門知識を背景に、積層造形(金属3D印刷)による効率性と性能向上を実現する。
特に熱管理、複雑なシステムと軽量構造の統合を専門としており、熱交換器、ターボ機械、廃熱回
収システムに強みを持っている。< https://www.hieta.biz/ >
HyperDrive(ハイパードライブ社)
リチウムイオン電池の技術を背景に、電気自動車と電池エネルギー貯蔵システムソリューションを開発・製造している。
日本関連では、日産LEAF(リーフ)リチウムイオン電池技術の供給を行った企業であり、関連の知的財産を保持している。< http://www.hyperdriveinnovation.com/ >
Impression Technologies(インプレッション・テクノロジーズ社)
車体構造を軽量化するための技術を有する企業。具体的には、高速の熱間成形プロセスである HFQ®(熱間成形急冷)により、超高力アルミを用いて複雑な深絞りパネルの成形を得意としている。
併せて冷間成形と比較した際のスプリング
バック (跳ね返り)、部品や、ツールのコスト軽減に於いても関連技術を有している。< http://www.impression-technologies.com/ >
Intelligent Energy Limited(インテリジェント・エナジー社)
本社と燃料電池技術の開発を行う拠点を英国ローボローに持ち、分散型電源、ディーゼル代替電源、自動車およびドローン市場に向けたクリーン・エネルギー・ソリューションを提供している。
英国本社のIntelligent Energy Holdingsはロンドン証券取引所に上場。その活動は英国内だけに留まらず、日本(大阪市北区梅田スクエアビルディング16F)、インド、中国、シンガポール、フランス、アメリカにおいても事業を展開している。< http://www.intelligent-energy.com/ >
Magnomatics(マグノマティックス社)
シェフィールド大学(University ofSheffield)からスピンアウトして2006年に設立され、自動車、船舶、再生可能エネルギー、航空宇宙、石油およびガスの市場に向けた製品を開発している。
同社出品技術は、次世代型パワースプリット式ハイブリッド変速機「MAGSPLIT®」で、同機構は、その単純構造によりコストを削減し、エンジンのねじり振動のフィルタリング処理によってダンパーシステムを不要とし、結果として低コスト・低燃費を実現する。< http://www.magnomatics.com/ >
英国サンダーランド市
海外からの直接投資の対象地として英国で最も人気のある地域のひとつ。日本に於いては、日産(NMUK)、カルソニックカンセイ、ユニプレスなどの日本企業が進出しており馴染み深いエリアである。同市では15,000人以上が自動車産業に雇用され、地元労働者の文化、柔軟性がビジネスの成功に貢献してきた。< http://www.makeitsunderland.com/ >
North East Automotive Alliance(NEAA、北東イングランド・オートモーティブ・アライアンス)
持続的な経済成長と競争力を支援するために設立されたイングランド北東部に位置する自動車セクター。イングランド北東部の自動車業界には240社以上の自動車産業の企業があり、合わせて110億ポンド以上の売上を有する。
年間輸出高は、65億ポンド以上、貿易黒字は26億ポンドとなっている。現在、この部門は3万人の従業員を直接雇用しており、英国全体でさらに141,000 人の雇用に影響を与えている。< https://www.northeastautomotivealliance.com/ >
Niche Vehicle Network(NVN)
800を 超える英国のニッチ自動車メーカー、専門技術やサプライチェーン企業からなる独立団体。過去10年間、NVNではこれらの企業が新技術を開発し、新しいスポーツカーやオートバイの基礎を形成するプロトタイプ車を製造するための資金援助と支援を行い、英国のニッチな製造部門が軽量材料と高度なパワートレインソリューションの導入を先導して
いることを証明してきた。< http://www.nichevehiclenetwork.co.uk/ >
Pickering Interfaces LLC(ピカリング・インターフェース社)
25年超を歴史を持ち。シンプルなボディコントローラECUからアクティブセーフティ システムやインフォテインメント システムまで、自動車向けのテストアプリケーションとしてPXI、PCI、USB&LXIスイッチングシステムを設計、製造している。
車載アプリケーションでは、HILS(ハードウェア・イン・ザ・ループシミュレーション)、センサ/歪みゲージ エミ ュレーション、環境試験、信号調整、RF /マイクロ波 およびスイッチシミュレーション等を配している。< http://www.pickeringtest.com/en-jp/ ・ http://www.andor.jp/ >
Ricardo(リカルド 社)
横浜市港北区新横浜(スクエアビル18F)にも拠点を有するなど世界中に拠点を持つ欧州最大の独立系車輌エンジニアリング・コンサルティング会社。駆動系エンジニアリングと車輌統合技術に強みを持ち、交通、エネルギー、希少な資源分野の課題を解決するソリューションの開発と適用に於いて強みを有している。< http://www.ricardo.com/ >
Romax Technology(ローマックス・テクノロジー社)
ギアボックス、ベアリング及びドライブラインの解析ソフトウェア及びコンサルティングサービスを展開。EVを含む自動車、エアロスペース、ベアリング、風力発電、オフロード、鉄道、船舶等、世界の主産業に対して電動モータとギアボックス一体システムなど、ユニークなソリューションを提供している。< http://www.romaxtech.com/ >
Sevcon Limited(セヴコン社)
モーター制御技術で強みを持ち、JSAE2017では最新のGEN5テクノロジーを搭載した新製品群を発表している。
これらには高電圧と低電圧の両タイプのモーター制御装置、並びにバッテリー充電器・DC-DC製品が含まる。なお長野県佐久市春日に東日本オフィスを有している。< http://www.sevcon.com/ >
Sunamp(サンアンプ社)
様々な蓄熱の用途に使用できるコンパクトで効率的な先端蓄熱技術を持つユニット「ヒート バッテリー」を設計・開発・製造・販売している。同ユニットは、高エネルギー・高出力・高密度を持つ相変化材料(PCM)に基づくもので、エンジンや車内のウォームアップ、触媒コンバータ温度の変動、電気自動車用バッテリー熱調節システムやHVACシステム等の熱管理課題に対処する。< http://www.sunamp.com/ >
Transport Systems Catapult(トランスポート・システムズ・カタパルト)
インテリジェントモビリティに関する英国の技術とイノベーションセンターとして新技術を背景にスマートで効率的な人や物資の輸送を目指している。
組織は顧客体験、情報活用、自動運転輸送システム、モデリングとビジュアライゼーション、スマートなインフラストラクチャなどの分野で幅広い専門知識を配している。< https://ts.catapult.org.uk/ >
Yasa Motors(ヤサ・モーター社)
OEMサプライヤーであるヤサ・モーター社は、ハイブリッド自動車に搭載する小型軽量の電気モーターを展示・紹介している。
設計上、パワートレインのスペースに制限がある、既存エンジン搭載車のハイブリッド化と電動化を可能にするソリューションである。英国内にある先端・量産製造施設に於いては、発電機の設計、製造を行っている。< http://www.yasamotors.com/ >
その他の関連サイト等
– Innovation is GREAT< https://www.innovationisgreat-jp.com/ >
– Invest in Brand< https://invest.great.gov.uk/jp/ >
– UK in Japan 英国大使館(SNS・FaceBook)< https://www.facebook.com/ukinjapan >
– UK in Japan 英国大使館(SNS・Twitter)< https://twitter.com/ukinjapan >
– DIT Japan 英国大使館国際通商部(SNS・Twitter)< https://twitter.com/tradegovukJPN >
– 英国進出・輸入・研究連携への問い合わせ:innovationisgreat-jp@fco.gov.uk