独ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr. オリバー・ブルーメ)は、社会的に恵まれない環境下にある南アフリカの若者を支援するため、2017年半ばから総勢75人の若者に、南アフリカの新しいポルシェ・トレーニング及びリクルートメントセンターで3学年のサービスメカトロニクス訓練機会を提供する。
この訓練は、ポルシェだけでなくVWグループの他のブランドとともに若者の就業の機会を設ける。このプログラムは、研修生に幅広い機会を提供するため広範なテーマを取り扱うことが計画されている。
プロジェクトは、ドン・ボスコ・モンドe.V.とケープタウンのドン・ボスコ・モンド・サレジオ会若者プロジェクト(SIYP)、および南アフリカのポルシェ輸入代理店のLSMディストリビューターズ(Pty.)Ltd.と協力して計画されている。このほど三者は、ヨハネスブルクのポルシェ センターで公式の覚書に署名した。
プロジェクトが開始された切っ掛けは、ポルシェAGの労使協議会議長のウーヴェ・ヒュック氏が2015年11月に、南アフリカ出身で元WBF世界ヘビー級チャンピオンのフランソワ・ボタ氏と、ボクシングの慈善試合に参加した時に始まった。
2人は共に恵まれない環境に置かれている若者に希望を与えることを望んでいた。これについて「自分のチャンスを活かすために戦うことは常に価値があり、そうすることによってどんなことであっても成し遂げることができます」とヒュック氏は云う。
そこでヒュック氏とボタ氏は共に、2015年に合意した2017年の春に南アフリカで行われる再戦の収益を地元の社会プロジェクトに寄付する。
これを受けて、包括的な取り組みの一部となる南アフリカの教育プロジェクトでは、ポルシェがアフターセールスの国際的な職業訓練プログラムを提供する運びとなった。
そもそもポルシェによるこのプロジェクト自体は、マニラの「ポルシェ・トレーニングおよびリクルートメントセンターアジア」が主導したもの。中東のサービス従業員に対するニーズの増加に対応するため、2008年以降、社会的に恵まれない環境におかれている若者がここでサービスとボディ技術者の訓練を受けている。
2015年には、フォルクスワーゲンとアウディが、このマニラのプロジェクトパートナーとして参加。ドン・ボスコ・モンドe.V.の協力により、毎年120人以上のフィリピンの若者がポルシェ、フォルクスワーゲン、またはアウディのアフターセールスの仕事のためにこのセンターで訓練を受けている。
こうした取り組みについてポルシェAGの取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏は、「ポルシェは常に、単に売上高と収益のことだけでなくそれ以上のことを行ってきました。
私達は全世界の市場において社会的責任を果たすことに全力を注いでいます。マニラにおける弊社のプロジェクトは間違いなくその好例です。私達は、この活動を通して中東の成長市場のために十分に訓練された意欲的なスタッフを得ています。
一方で卒業生は、長期雇用というメリットを受けて彼らの収入で家族を扶養することができます。マニラにおける極めて有意義な経験は、この成功モデルの南アフリカへの拡大を勇気づけてくれます」と述べている。
そして今回、ポルシェ ディーラーのための人材採用が「ポルシェ・トレーニングおよびリクルートメントセンターアジア」の主要事項で、南アフリカのプロジェクトも新しいトレーニングプログラムの確立のために計画される。
ポルシェは、この目的のために、カリキュラムと試験規定の作成、インストラクターの訓練、およびケープタウムのドン・ボスコ・モンド・サレジオ会若者プロジェクト(SIYP)における理論と実践講座の科目を用意する。
ポルシェ輸入代理店のLSMディストリビューターズ(Pty.)Ltd.は、現地の中央窓口の機能、定期的な技術マネージャーの派遣によるインストラクターの訓練のアシスト、ポルシェセンターにおける研修生の就職斡旋など様々な方法で準備をサポートしていく。
さらに2020年以降は、ドン・ボスコがサービスメカトロニクスのトレーニングプログラムを引き継がれる。ポルシェ トレーニングプロジェクトが、プロジェクトに充てられた最初の3年を超えて延長されることを目標としている。
LSMディストリビューターズ経営者のトビー・ヴェンター氏は、「トレーニングプロジェクトの取り組み方が優れていることに自信をもっています。基礎のしっかりした教育は成功への鍵となります。
悲しいことにこの国にはまだ、訓練の終了時にいかなる可能性も見出せないためにコースを途中で止める人が大勢います。私達はこのような人々を励ましながら途中の各段階においてサポートを提供していきたいと思います。
私は、彼らがチャンスをつかむために大きな自信を得て包括的な24ヶ月のトレーニングプログラムを見事にやり通すことを確信しています」と語っている。
さらにドイツの民間非営利団体のドン・ボスコ・モンドe.V.がプロジェクトの重要な役割を担う。「若者は教育、訓練、そして仕事を得る権利があります。“Made in Germany”の承認印がついた職業訓練は世界中で高く評価されます。
そしてそのようなトレーニングプログラムからメリットを受けるのは新興・開発途上国の若者だけではありません。
関係する社会全体と企業も成果を得ます。ポルシェのような一流企業が世界中の恵まれない環境におかれている若者たちに機会を提供していることを大変うれしく思います。私達はともに厳しい社会的背景を背負う若者と仕事をし、職業訓練を提供します。
これは良い職を得るための機会を切り開き、充実した人生を送る好機を提供します」とドン・ボスコ・モンドe.V.役員のウーヴェ・ボートゥア氏はコメントした。
一方、ポルシェAGの労使協議会議長のウーヴェ・ヒュック氏も、このケープタウンのプロジェクトをサポート。「教育は全ての人にとって重要で、特権であってはなりません。
教育に能力は関係ありませんが勉強に対する熱意は必要です。私達は、理由に関係なく機会に恵まれない人々を受け入れる必要があります。
種族、宗教、肌の色にかかわらず、あらゆる人の内側に隠された能力を引き出すのが私達の役割です。ポルシェは常に、社会的な社風を育んできました。気付かないふりをせずに手本となって道筋を示すことは私達の重要な責務です。
恵まれない環境におかれている若者で興味をもつ人はトレーニングプログラムに応募することができます。
応募者の資格に応じてトレーニングプログラムには次の3つのコースがあります。応募者が職業訓練のためにすでに十分な資格を備えている場合は、2年間のサービスメカトロニクストレーニングプログラムを直ちに受講することができます。
必要な資格を持っていない応募者は、ドン・ボスコ・モンド・サレジオ会若者プロジェクト(SIYP)で6-8週間の生活技能トレーニングコースを受けます。
応募者に基本的技能がない場合は、実社会の準備ための1年間の職業準備コースを受講する機会が与えられます。このオプションは年間50名まで受け入れており、自己啓発において大きな成果を挙げることができます」と今後に向けての抱負を述べた。
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