三菱ふそう、量産EVトラックのeキャンターをリスボン市へ納入


航続距離100kmを超える「eCanter」、環境に優しいソリューションとしてリスボン市当局が造園および廃棄物処理用に導入

三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:ハートムット・シック)は7月6日にポルトガル政府代表者と海外高官が出席した譲渡式でリスボン市当局に10台の電気小型トラック「eCanter」を納入した。

この譲渡式でMFTBC取締役会長の松永和夫氏は、「eCanterは、地域の行政府にとって、都市部の騒音と排ガス汚染を緩和する、従来型トラックに代わる持続可能な製品です。

eCanterの開発と実用供試に際しては、ポルトガル政府から素晴らしいご支援をいただきました。私たちは本日、リスボン市に最初のeCanterを納入できることを大変うれしく思うと同時に、とても誇らしく感じます」と語った。

リスボン市は、この「eCanter」を導入することで、都市部の従来型車両に起因する騒音や排ガス汚染問題の緩和を目指す。

納入車両は、リスボン市役所が選出した10の行政区で主に行政による造園や廃棄物処理作業で使用される。

その10の行政区は、アロイオス、アベニダス・ノバス、ベレン、エストレラ、ミセリ・コルディア、パルケ・ダス・ナソンイス、ペーニャ・デ・フランカ、サンタ・マリア・マイオール、サンタ・アントニオ、サン・ヴィセンテとなっている。

欧州および米国市場向けの「eCanter」は、ポルトガルにある三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場で生産される

なお2014年から2017年まで、ポルトガルとドイツで広範囲に行われた「eCanter」試験車両の実用供試で三菱ふそうは、リスボン、シントラ、ポルトの各都市にて日常の輸送業務で車両を活用してきた。

そんな三菱ふそうは、ダイムラー・トラック・アジアの傘下で、商用電動車のパイオニアとして広く知られている。

特に2005年以降、ハイブリッド車である「キャンター エコ ハイブリッド」を含む代替ドライブトレインの開発に定評があり、2010年にはドイツで開催された国際モーターショー(IAA)に電気車両の「Canter E-CELL」を出展。

量産電気小型トラックの「eCanter」は、2017年に世界規模での供給が始まり、現在、世界の6つの大都市(東京、ニューヨーク、ベルリン、ロンドン、アムステルダム、リスボン)で稼働中だ。

そんな「eCanter」の欧州市場と米国市場向け車両はポルトガルのトラマガル工場で生産されている。同工場では「eCanter」の製造を、従来型ディーゼル車の「キャンター」と同一の製造ラインに完全統合した。1980年以降20万台以上の「キャンター」を製造してきた同工場は、50年以上の稼働実績があり、ポルトガル経済にとって重要な存在であり続けている。