JR東日本(東日本旅客鉄道/本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:冨田 哲郎)は6月10日、新たな夜行特急列車を導入する。少子高齢化による人口減などの社会環境の変化を踏まえ、夜行特急列車の運行を通じて新たな観光需要を創出する構えという。
JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革2027」に掲げる「移動を楽しく、快適・便利に」の実現に向けて、乗ること自体も目的となるような新たな夜行特急列車を2027年春に導入する。
今回、E657系特急型車両1編成を、全席グリーン車個室タイプの座席に改造することで、夜行列車による日常を離れた旅の体験を通じ、鉄道で旅をするワクワクした気持ちを提案。同列車運行を通じてJR東日本エリアの豊かな自然や文化を国内外に発信し、観光の活性化を目指していく。
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1.新たな夜行特急列車の概要
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(1)運行開始時期:2027年春予定
(2)運行エリア:首都圏エリア~北東北エリアなどを予定
*時期によって運行エリアの変更あり。
(3)車両:E657系特急型車両10両1編成、改造
(4)座席・定員:全席グリーン車指定席(個室)、120人程度
*個室定員は1~4人を予定
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2.列車デザイン
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(1)エクステリアデザイン
車両全体を2色の青が包み込むように、1号車側と10号車側に異なるカラーリングを施した。1号車側には、夜行列車(ブルートレイン)の記憶を受け継ぐ明るい青「メモリアルブルー」を、10号車側には、真夜中から夜明けへと向かう時の流れを象徴する濃紺「ミッドナイトホライズン」を配した。
2色の青と、それらを繋ぐ白いラインによって夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を描き出し、かつての夜行列車の旅の楽しさを受け継ぎながら、その地域の新しい未来を切り拓いていくという意志を込めた。
2色の青とそれらをつなぐ白いラインによって夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を描き出し、かつての夜行列車の旅の楽しさを受け継ぎながら、地域の皆さまと共にその地域の新しい未来を切り拓いていくという私たちの意志を込めた。
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(2)インテリアデザイン
「シンプルでありながら上質な移動空間」をコンセプトに、プライベートスペースを確保するため全座席グリーン車指定席の個室タイプとした。
また、一部座席はより快適にゆったり過ごせるプレミアムグリーン個室とする。ひとりでのご利用に加え、ふたり以上での利用も想定した複数の部屋タイプを用意。その他に、ラウンジスペースや販売スペースの設置なども予定している。
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プレミアムグリーン個室(1人用/2人用)
2人用個室座席使用時(イメージ)
部屋の広がりを感じられるよう、シンプルな形状と配色を採用した。素材感豊かな塗装面を床から天井まで大胆に使い、プレミアムグリーン個室に相応しい空間を演出する。
靴を脱いで過ごせる室内には広々としたL字型ソファを配し、座面を組み替えることで、リラックスした姿勢からフルフラットのベッドスタイルまで、自在に愉しめるようにした。
*横になれるフルフラット面の大きさは幅190㎝×長さ200㎝程度(2人用個室:フラット使用時)
*玄関や荷物置きとして使用可能なスペースあり
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グリーン個室(1人用/2人用)
2人用個室座席使用時(イメージ)
やわらかな丸みを帯びた形状と、表情豊かな素材感を備えた座席は、簡単な操作でフルフラットにでき、長時間の移動も快適に過ごせる上質な空間としている。
座席生地は、1人用個室にはひとりでもゆったりくつろげるよう落ち着いた色味を、2人用個室には家族や友人との会話が弾むよう、華やかで親しみやすい配色を採用した。
*横になれるフルフラット面の大きさは幅90㎝×長さ195㎝程度(1人用個室:フラット使用時)
*横になれるフルフラット面の大きさは幅185㎝×長さ200㎝程度(2人用個室:フラット使用時)
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グリーン個室(4人用)
最大4人の家族や友人同士で利用できる常時フルフラットの個室。4人が横になってゆったりと休める広さを備えたシンプルな空間で、自由に過ごせる環境とした。
座面が常にフラットなため、小さな子供連れの顧客にも安心して利用できる配慮を施した。
*横になれるフルフラット面の大きさは幅325㎝×長さ195㎝程度
*玄関や荷物置きとして使用可能なスペースあり
*フルフラット面の大きさはいずれも標準的なサイズの個室の最大寸法を記載しおり個室により若干の差異がある。
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ラウンジ
車内唯一のオープンスペースとして、開放的でありつつも空間をやさしく包み込むような落ち着きのあるスペースとした。旅のひと時を共有できる場として、列車の利用顧客であれば誰でも利用いただけるスペースとしている。
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(3)デザイン会社
エクステリア・インテリアともにJR東日本建築設計がデザインした。同社は、JR東日本の大規模開発、駅舎、オフィスビル、ホテル、そして商業施設などの設計を主に行い、車両デザイン分野に於いては「SLばんえつ物語」などを含む車両デザインに携わった実績がある。
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3.その他
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・運行エリアや運行ダイヤ、利用料金、列車名称などについては今後改めて発信していく。
・車いす利用でも快適に利用できるよう6号車に1人用および2人用の車いす対応グリーン個室が計2室ある。