NEXCO西日本(本社:大阪市北区、代表取締役社長:芝村 善治)は5月30日、同社が担う建設事業および保全サービス事業で、公益社団法人土木学会の「令和6年度土木学会賞(技術賞Ⅱグループ、田中賞作品部門新設)」、公益社団法人プレストレストコンクリート工学会の「プレストレストコンクリート工学会賞 作品賞」を受賞した。
受賞内容一覧は以下の通り
【受賞内容一覧】
————————————————————————–
土木学会
————————————————————————–
表彰名:(1)技術賞 Ⅱグループ
受賞日:R7.5.19
受賞内容:車両火災により損傷した山岳トンネルの早期復旧(山陽自動車道尼子山トンネル覆工応急復旧工事)
担当:
西日本高速道路(株)関西支社
鹿島建設(株)
————————————————————————–
表彰名:(2)田中賞 作品部門新設
受賞日:R7.5.19
受賞内:容双海橋(Ⅱ期線)
担当:
西日本高速道路(株)四国支社
(株)エイト日本技術開発
鹿島建設(株)・(株)富士ピー・エスJV
————————————————————————–
プレストレストコンクリート工学会
————————————————————————–
表彰名:(3)プレストレストコンクリート工学会賞 作品賞
受賞日:R7.4.16
受賞内容:双海橋(Ⅱ期線)
担当:
西日本高速道路(株)四国支社
(株)エイト日本技術開発
鹿島建設(株)・(株)富士ピー・エスJV
————————————————————————–
土木学会
《土木学会賞》
土木学会賞は、10区分が設定され、土木工学の幅広い分野から選ばれる。
技術賞は、土木技術の発展に顕著な貢献をなし社会の発展に寄与したと認められるインフラの計画、設計、施工、運用やメンテナンス等の画期的な個別技術(Ⅰグループ)、および画期的なプロジェクト(Ⅱグループ)に与えられる。
田中賞は、橋梁・構造工学に関する優秀な業績に対して与えられる賞で、業績・論文・作品・技術の4部門がある。
(1)土木学会 技術賞 Ⅱグループ:車両火災により損傷した山岳トンネルの早期復旧(山陽自動車道尼子山トンネル覆工応急復旧工事)
≪特徴≫
令和5年9月5日未明、山陽自動車道尼子山トンネル下り線(播磨JCT-赤穂IC間)に於いて23台の車両が焼損、火災鎮火まで40時間を超える事故が発生し、死者は発生しなかったもののトンネル覆工コンクリートが大きく損傷したことから、復旧完了まで通行止めを余儀なくされ、関西と中国地方を結ぶ交通および近隣住民の生活に大きな影響を与えた。
覆工コンクリートの火害影響度合いがわからない中、広範囲かつ深刻な損傷の評価を迅速に行うべく圧縮強度試験および超音波伝播速度の評価によりコアの評価を細分化。
設計強度を満たしていないところ、圧縮強度は満たしているものの表面が火害の影響を受けているところを区分し復旧工の検討に繋げた。
設計強度を満たさないスパンは、ツインヘッダを用いて設計内空面から概ね20cmの深さで脆弱部を除去、覆工コンクリートを再施工する「内巻工」を実施した。
設計にあたり、数値解析により耐荷力を評価した上で、矢板工法で施工された覆工の内側にNATMと同様の覆工を施工する「矢板工法トンネル覆工再生の先駆け」となる新工法を採用した。
火害の影響が軽微な箇所は、はく落が懸念されたことから、ウォータージェットで脆弱部を除去し、塗布系材料を用いた「はく落対策工」を実施した。
約600mのトンネル内で、内巻工・はく落対策工は昼夜2方、さらにトンネル施設復旧工など錯綜する現場立ったが、24時間体制で効率よく施工することで重大事故もなく早期復旧に寄与した。
当初、復旧の目途すら付けられない状況であったが、迅速かつ的確に損傷状況の把握・復旧計画の策定・復旧工を実施し、発災から102日という短期間で復旧した。
————————————————————————–
(2)土木学会 田中賞 作品部門 :双海橋(Ⅱ期線)
≪特 徴≫
双海橋(Ⅱ期線)は橋長232.3m のPC4 径間連続バランスドアーチ橋で、アーチリブに対して補剛桁の剛性が大きい逆ランガー形式の道路橋。
Ⅰ期線に並行してその視点場側に構築するため、景観と周辺環境への配慮から自然豊かな架橋地点での地形改変を最低限に抑え、供用線と同様の上路式曲線アーチ橋とした。
アーチリブ外周足場の配置が可能となる移動作業車を新規開発し,本工法では前例のないアーチリブより補剛桁を先行する方法を適用した。
維持管理面への配慮から、アーチリブ上面には点検歩廊を設置するとともに、A2橋台の背面から主ケーブル(19S15.7-16 本)の定着体を点検できる構造とした。
4D-CIM(工事工程に連動する3D モデルの時間軸に沿った描写)によるデジタル空間上での仮想竣工を用いたデジタルツインにより、施工上の問題点把握と事前解決による工程促進を図った。
————————————————————————–
プレストレストコンクリート工学会
《プレストレストコンクリート工学会賞》
プレストレストコンクリート工学会賞は、論文賞、作品賞、技術開発賞、施工技術賞の4部門に分類されている。
作品賞はプレストレストコンクリート構造物の新設・改築・改修で、計画、設計、施工、あるいは美観、さらに改築・改修においては機能・性能の回復・向上などの面においてすぐれた特色を有し、プレストレストコンクリート技術の発展または普及に顕著な貢献をしたと認められる作品を対象とされている。
(3)プレストレストコンクリート工学会賞 作品賞:双海橋(Ⅱ期線)
≪特 徴≫
((2)土木学会 田中賞 作品部門 :双海橋(Ⅱ期線)参照)