ウィラーエクスプレス、「ハイウェイパイロット」育成の成果を発信

「未経験からハイウェイパイロットへ」教育体制が生んだ即戦力

WILLER EXPRES(ウィラーエクスプレス/本社:東京都江東区、代表取締役:平山幸司)は2025年5月22日、ハイウェイパイロット育成研修施設「WILLER LABO」が開校1周年を迎えたことを発信(2024年5月に開校)した。

ちなみに上記のハイウェイパイロットとは、ウィラーエクスプレスが2024年4月に決めた高速バス「WILLER EXPRESS」の運転手の新たな呼称だ。

同社では、「安全とおもてなしは表裏一体であり、相互に補完しあうものと捉えています。その思想に基づき、当社の高速バスのハイウェイパイロットに対しては、安全とサービスを両立したワンランク上の運転手であることを求めています。

当社は、この理念を体現するハイウェイパイロットの姿勢が、呼称変更を通じてお客様に届くことを期待しています。

そして、バス運転手に対するキツい、長時間労働で、大変、低賃金といった暗いイメージを一新し、飛行機のパイロットのような憧れの職業、かっこいい仕事として、ハイウェイパイロットを目指す仲間が増えていけばと考えています」と話している。

さてそんな新呼称に伴うハイウェイパイロット育成にあたり、開校から今年5月までの間、第1期生から第4期生として計30名以上が入校。卒業生は全国の営業所でハイウェイパイロットとして実際の運行業務に従事しているという。

その結果、ハイウェイパイロット全体の平均年齢はマイナス2.0歳、LABO卒業生の定着率は100%と、安定した就業に繫がっていると謳っている。

それまで大型二種免許の保有や実務経験を前提とする採用が一般的だったバス業界に於いて、WILLER LABOは、若手の未経験者にも門戸を広げ、「安全と接客の両立」を実践するハイウェイパイロットを育成する研修施設として開校した。

以後、約3カ月間に亘る研修では、安全運転技術や接客接遇スキルに加え、健康管理に至るまで実務に必要な知識とマインドを徹底的に指導している。

実地研修も段階的に組み込まれており、座学から模擬運転、そして実車運転に至るまで、万全の教育体制が整えた。

定着率100%は「同期の絆」、孤独な職業から仲間と支え合う姿へ

その成果として、WILLER LABO卒業生のバリュースコア(バリュースコアとは、乗車後アンケートより算出した安全運転・車内の清潔さ・乗務員の対応の総合平均点を指すもの)は既存のハイウェイパイロットと比較しても遜色のない、あるいはそれを上回る水準に達しているという。

彼らWILLER LABO卒業生の配属により、組織全体の活性化が進んでいる。なかでも東京営業所では、平均年齢がマイナス4.4歳、広島営業所はマイナス2.8歳、長野営業所はマイナス2.0歳など、各地で若手の増加による職場の雰囲気が変化した。

若手の柔軟な発想力やデジタル対応力が現場に新たな風を吹き込み、先輩ハイウェイパイロットにとっても刺激となっているのだ。

また、社内全体で接客接遇や健康意識の向上、非喫煙率の上昇といった行動変容も見られ、ウィラーエクスプレスが掲げる「最先端の技術とおもてなしの心で、お客様と社会に優しい移動サービスを実現します」というビジョンを現場から後押しする。

一般にバスの運転手は、乗務中においては1人で業務にあたるため孤独な職業であり、業務のモチベーションを保つのが難しい職業と言われている。

しかし、LABOでは、約3カ月間に亘る研修期間中、同期と寝食を共にする生活を送ることで、強い仲間意識と信頼関係が築かれた。

その絆は配属後も続き、異なる営業所・地域に分かれても連絡を取り合い、相談し合い、互いを支え合う関係性へと発展している。この「つながり」は、仕事への前向きな姿勢や成長意欲の原動力にもなっており、定着率の高さを支える大きな要因となっているとした。

<LABO卒業生>
「未経験で入社したため不安もありましたが、丁寧に基礎から教えていただいたおかげで独り立ちするところまできています。

ハイウェイパイロットとして、バスドライバーに対する世間のイメージをより良いものに変えていきたいです」

「LABOでは充実した指導や教材で基礎を学びつつ、営業所配属後は先輩のお手本を見ながら応用を学びました。乗務開始から少し経ちますが、リラックスして接客ができています」

<運行管理者>
「若手が加わることで自然と職場が明るくなり、スタッフ同士の会話も増えた印象です」「新人を育てるという文化が根づき、先輩ハイウェイパイロットも自ら学ぶ姿勢がより強くなっていると感じます」

<先輩ハイウェイパイロット>
「LABO出身の後輩たちの真摯な姿勢に刺激を受けています」「年齢や経験に関係なく学び合える関係が生まれ、職場の空気が良くなりました」

最後にWILLER EXPRESSで代表取締役を務める平山幸司氏は、「日本のサービス業は世界に誇る産業である、というのは多くの方が同意されると思います。そして私は、日本のバス事業も世界に誇れるものであると考えています。

安全性、接客、快適性、清潔さといった点で、日本のバスは世界でも高いレベルを維持しており、ウィラーエクスプレスはこれらの価値を追求してきました。

その結果、お客様から高い評価をいただけているのは、現場で日々努力を続けているハイウェイパイロット一人ひとりの力によるものです。

WILLER LABOは、その育成の仕組みを体系化し、未経験者からバスの運転手になれるという新たな道を拓いた取り組みです。

LABOの開校から1年が経ち、他業種から転職した皆さんが立派なハイウェイパイロットとして活躍しており、私自身とても誇らしく感じています。今後も、地域展開や多様な人材の活用を進めながら、日本のバス業界の魅力をさらに磨き上げ、国内外に向けて発信し続けてまいります」と結んでいる。