フィアット、新型「トポリーノ」と「600e」を初披露


写真はステランティス会長のジョン・エルカン氏とフィアット CEO 兼ステランティス CMO のオリヴィエ・フランソワ氏

ステランティス傘下のブランド、フィアットは500の誕生日にあたる7月4日(イタリア時間)、リンゴット工場(トリノ)のルーフトラック〝ラ・ピスタ500〟でメディアイベント「FIAT, THE FUTURE IS ON TRACK」を開催した。( 坂上 賢治 )

この壇上でフィアットCEO兼ステランティスCMOのオリヴィエ・フランソワ氏は、新型フィアット600eと新型フィアット・トポリーノを披露し、フィアットがシティモビリティのリーダーであり続けることを宣言した。

フランソワ氏は、「私達はフィアットの歴史と未来の双方を見据えつつ、ブランド・ビジョンのエキサイティングな明日を祈念し500の誕生日を祝います。

また今日のイベントは、拡大された500eファミリー、つまり500の妹である新型フィアット・トポリーノと、姉である新型フィアット600eを紹介する機会でもありました。

フィアットは来るべき未来への歩みを順調に進んでいます。この2年間で、私達はフィアットをこれまで以上に収益性が高く、よりグローバルなブランドに育て上げることが出来ました。

フィアットは、ステランティスに於いて販売台数ナンバーワンのブランドとなり、イタリア、ブラジル、トルコの3つの主要地域でブランドリーダーとなっています。

より多くのリソースを得て、フィアットは真の復活を果たした

そんな我々にはステランティスに於いて明確な役割があります。それは、シンプルさ、水平思考、楽しさ、社会的関連性に重点を置いていくということです。それはステランティス傘下で当ブランドの魅力を更にに高めることになり、大きな意味で我々が投資に値するブランドであると示すことになります。

実際、ステランティスのお陰で、私達はより多くのリソースを得て、相乗効果を得て、投資を行えるようになりました。フィアットは真の復活を果たしました。

今後3年間で、当社の製品計画は、フィアットが社会のベンチマークとなり、世界から愛されるブランドになる道程を歩んでいます」と語った。

なおこの日、披露されたフィアット・トポリーノは国毎の対象マーケットによっては14歳から運転できるため、家族の誰もが電動モビリティとして楽しめる新しい乗り物としており、二酸化炭素排出量の削減、スペースフットプリントの削減、音のフットプリントの削減など、都市に於ける持続可能な未来のための要素がすべて備わっているとした。

そんなトポリーノは500の妹分であり、名前とデザインはオリジナルの500から取られ、その小ささから愛情を込めて「トポリーノ」と名付けられた。車両コンセプトを示すキーワードは自由であり、スクーターと比較するとより安全な構造であるため、愛する人と共有し、どこにでも好きな場所に駐車できる。

長さ2.53メートルのミニマムサイズでありながら、位置をずらした2つのシートを備え、室内収納スペースはスーツケースも収納出来る63リットル。最高速度45キロメートル、最大75キロの航続距を、5,4 kWhバッテリーへ4時間未満でフル充電可能な手軽さを備えている。

トポリーノの目的は、Z世代の若者たちを再び「車」に夢中にさせること

ラインナップは、「クローズドボディ」のトポリーノと「オープンボディ」のトポリーノドルチェヴィータの 2 つのボディで構成され、1 つのカラー、1 つのホイール デザイン、1 つのインテリアに加えて、様々なカスタマイズ オプションも用意される。

利用に係るアクセスも容易かつ簡単で、手頃な月額料金と共に僅か3クリック車両設定のアクションで走り出すことが出来るという。また月額料金で所有することも出来る。月額金額はペイパービューテレビの購読料や公共交通機関の月額料金として支払われる。

実のところ、イタリアの片田舎を感じさせる美しい海岸線や市街地の狭い道路で、夏を体験するのに適した乗り物であるトポリーノの使命は複数あり、都市に於ける持続可能なモビリティになることの他、若者たちを再び「車」に夢中にさせ、環境に優しく、フレンドリーな輸送ソリューションを求める Z 世代にアクセスすることにもある。

一方、新型フィアット 600eは、長さ4,17メートルのゆったりサイズで5人乗り、クラス最高のフロントストレージ、レベル2の運転支援を備え、エンジンの出力は115kW、0-100km/h加速は9.0秒。

容量54kWh のリチウムイオンバッテリーはWLTPコンバインドサイクルで400km以上。アーバンサイクルで600km以上の電気航続距離を備え、100 kWの急速充電器システムによりバッテリーを80%まで充電するには30分も掛からないとしており、都市とアウトドアの両方で理想的な移動ソリューションを提供する。2024年半ばまでにハイブリッドパワートレインも追加される予定としている。

なお車体色は、イタリアの太陽、イタリアの海、イタリアの大地、イタリアの空という、イタリアの美しさと自然の風景を思い起こさせる4色を用意。受注開始は7月5日に開始され、最初の製品は9月までにイタリア市場に登場すると結んでいる。