IoTにより「モノ」が生活をより快適にするパートナーに
独・ボッシュこと、ロバート・ボッシュGmbH(本社:シュトゥットガルト・ゲーリンゲン、代表取締役社長:Dr.rer.nat.Volkmar Denner <フォルクマル・デナー>、以下、ボッシュ)は、ラスベガスで開催されるCES2017の会場に於いて、IoTによってモノがどのようにパートナーやコンパニオン、アシスタントへと変わるのかを紹介していく。
2017年・CESの出展ブース(Central Hall、#14128)に於いてボッシュは、(1)スマートホーム、(2)スマートシティ、(3)コネクテッドモビリティ、(4)センサー技術の各分野で新たなソリューションを展示する。
(1)スマートホーム:日常生活をより快適で安全なものに
拡張されたスマートホームシステム:ボッシュによるスマートホームシステムは、ネットワーク化された自宅の様々な機器を1つのアプリで制御できるようにする。
CES会場では、「Bosch Smart Home」アプリのシナリオマネージャーにより、システムをどのように拡張させることができるかを紹介する。
住宅の安全性の向上: その他、ボッシュはスマートホームに於いて安全性向上のための3つの新しいソリューションを展示する。
そのひとつはユーザーは世界中のどこにいても自宅の様子を常時モニターすることができる視野角360度の屋内用カメラと屋外用カメラ「Bosch Eyes」である。
キッチンでのパーソナルアシスト: ボッシュはユーザーの言葉を聞き、質問に答え、オーブンの中のケーキがあと何分焼く必要があるか、また冷蔵庫の中にあるものを正確に把握し、天気予報も伝えて日々の家事をサポートする「My kitchen elf」 ( 略称Mykie )でパーソナルアシスタントのコンセプト体現する。
電動工具のネットワーク化: ボッシュはプロフェッショナルな業者に対し、ネットワーク化された電動工具を提供する。
またアプリを介して工具をどれくらいの期間使用しているかが表示されるばかりではなくツールを遠隔操作で利用することも可能になる。
(2)スマートシティ:人々の生活の質、エネルギー効率と安全性が向上
スマートシティ:インテリジェントな都市環境構築に向け、エネルギー及び建築関連テクノロジー、セキュリティとeガバナンス(都市行政のデジタル化)分野向けの各種ソリューションも紹介していく。
ここにはモビリティ関連で示されるテクノロジーもあり、環境モニタリングシステム、コネクテッドパーキングテクノロジーやフリート管理、eモビリティ及びインターモーダルな輸送ソリューションなどがある。
またエネルギーに関するものとしては、バーチャル発電所、エネルギー効率の優れた暖房/給湯/冷却システム、エネルギー貯蔵テクノロジーなどが展示される。
セキュリティシステムには、防火用テクノロジー、出入管理システム、ビデオ監視ソリューションが含まれる。さらにボッシュは居住用の建物向けとして、スマートホーム技術とネットワーク対応の各種家電製品を提供していく。
コミュニティ ベース パーキング:欧米の都市部では、路肩にある駐車スペースに需要がある。ボッシュのコミュニティ ベース パーキングはこの駐車スペース探しをサポートし、ドライバーの負担を軽減する様子も紹介する。
その流れは、車の走行中に、路上に駐車された車両間の空いているスペースを超音波センサーが検知・測定し、その情報がクラウドに送られる。
その後、ボッシュのアルゴリズムが駐車スペースの情報の裏付けを行うことで、駐車状況を予測。また、近くで走行している車両がリアルタイムでマップにアクセスするため、ドライバーはその情報に従って駐車可能な場所に移動することができる。
現在、メルセデスベンツ社との提携により、実際にドイツのシュトゥットガルトでコミュニティ ベース パーキング コンセプトのテストを行っており、同様のパイロットプロジェクトが2017年にアメリカでも実施される予定であると云う。
(3)コネクテッドモビリティ:「コネクテッドカー」がパーソナルアシスタントに
そしてボッシュはCES 2017で、お家芸とも云える自動車領域に於いて、新しいコンセプトカーと共に未来の運転のビジョンを紹介する。具体的には、クルマは家庭や職場と並んで、ネットワーク化により第3の生活空間に変わる。
またクルマが、よりドライバーに合わせたコミュニケーションを図れるようになることで、より高性能で包括的なサービスが安全に提供されるようもなると云う。
また、自動運転によって、ドライバーは車内で他のタスクに多くの時間を割けるようになるとする。例えば、ドライバーも同乗者も走行中の車内でEメールを書いたり、配信された音楽や映像を楽しんだりすることが可能になる。
そうしたなか今回CESで発表する新しいコンセプトカーでは、特に以下の最新技術を積極的に紹介していく構えだ。
顔認識システムとカスタマイズ機能: ドライバー モニタリング カメラが素早くドライバーの顔を認識するため、車に乗り込んだ瞬間から各ドライバーに適したカスタマイズが可能となる。
例えば、ステアリング、ミラー、車内の温度やラジオの選局をドライバーの好みに応じて車両が設定する。
走行中は、ドライバーの居眠り運転検知システムがより高い安全性を確保する。例えば、ドライバーが眠気を催す、または集中力が極端に低下すると、車が警告を発して危険回避をサポートしていく。
ハプティック(触感的)フィードバック「neoSense」:室内には、ハプティック(触感的)フィードバック機能搭載のタッチスクリーンが設けられ、スクリーンに表示されるボタンは触覚的に実際のボタンのように感じられるようになる。
そしてこれを使いドライバーは様々な利用シーンで、スクリーンに目を向けずにインフォテインメントシステムを操作できるようになる。
より具体的には、ドライバーが視線を道路に向けたまま操作をすることが可能となり、運転の安全性が高まる。このテクノロジーは2016年のCESイノベーションアワードを受賞し、今後量産予定となっている技術である。
きわめて鮮明なOLED(有機LED)ディスプレイ: 今回出展するコンセプトカーでは、コックピットに初めてOLED(有機LED)ディスプレイが搭載された。
電子ドアミラー: ボッシュが開発している「ミラーカムシステム(Mirror Cam System)」は2つのドアミラーに代わるカメラベースのソリューションである。
ビデオセンサーは車室内に統合でき、画像は左右両側のAピラー付近に配置されたディスプレイに表示される。
このデジタル技術により、走行状況に応じた表示が可能になるため、例えば、高速道路を走行中は、特に車両後方の視界にフォーカスしたり、市街地ではより広い視界を確保することで、運転の安全性が高まる。また高コントラストとして夜間の視認性を向上にも貢献する。
車両とドライバー間のコミュニケーション: 将来的にはヒューマンマシンインターフェース (HMI) が、特に自動運転に関して、ますます重要な役割を果たすようになる。
例えばHMIは、ある特定のルートでの自動運転が可能かどうかをドライバーに伝える。
また、運転の責任を車両に引き渡して自動運転を起動させるには、ドライバーはハンドルにある2つのボタンを数秒間押し続ければ良い。
自動運転に入ったらHMIは車両のセンサーが検知した周囲の情報や、ドライバーが再びマニュアル運転に戻らなくてはならない時間がどれくらいあるかを表示する。
車両と住宅間のコミュニケーション: さらに自動運転時は、ドライバーは自分で運転する時よりもはるかに多くのインフォテインメント機能を、車両のセントラルディスプレイで自由に操作できるようになる。
例えばインターネット接続機能により、ドライバーは今後の予定を確認したり、どこへ買い物に行くかなどの計画を立てたりすることが可能になる。
また先の(1)のスマートホームで紹介した「Bosch smart home」アプリを使えば、ドライバーが自宅のブラインドを操作したり、家の周囲の様子を見たり、あるいは冷蔵庫の中に十分食料があるかを確認することもできる。
ボタンにタッチすれば、アプリが買い物リストを食品のデリバリーサービスに送信することもできる。
車両と自転車間のコミュニケーション: 車両間コミュニケーションによって、未来の自動車では視界に入るよりずっと前に他の道路利用者の情報を入手でき、車両は現在地や走行方向に関する情報を常にやり取りすることができる。
特にバスやトラックの後ろに隠れている自転車は、道路上で見落とされがち。CESでは、ボッシュは新しいコンセプトカーと自転車のコミュニケーションリンクについての展示を行う。
ボッシュのスマートな交通支払いシステム: ボッシュが開発したePaymentソリューションは、IoTエコシステムを介して新しいサービスを提供するもので、予めPayPalなどを含む多くの支払いシステムで必要な同意事項を承諾、署名を行えば、標準化された支払い機能が実行される。
車両と修理工場間のコミュニケーション: CES 2017でボッシュは、ネットワーク化された修理工場がインターネットベースのサービスおよびAR(拡張現実)アプリケーションとの相互作用でどのように機能するかも紹介する。
将来的には、ドライバーと修理工場のメカニックが工場への来訪予定をより簡単に取り決めることができ、サービスに関する作業プロセスも改善される。
後付け可能な車両用緊急通報システム:加えてボッシュは自動緊急通報サービス「eCall」用の後付け可能なeCallアダプターを展示する。
このアダプターはシガーライターに直接取り付けることができ、緊急時に自動で通報を行う。具体的には加速度センサーが衝突を検知すると緊急通報が作動し、スマートフォンアプリが車両の現在位置などの詳細な情報をセンターに送る。
この際、衝突の衝撃レベルも分析され、それに応じた措置が自動的に実行する。
衝突が中程度の場合は、コントロールセンターがドライバーに直接連絡を取り、故障車回収車や救急車の出動が必要かどうかを判断する。ドライバーが応答しない場合は、ただちに救急隊が派遣される流れだ。
無線でのファームウェアアップデート(FOTA): コネクテッドカーに搭載される機能と高度な自動運転には、車両のライフサイクル全体を通じて常に安定して機能することが求められる。
このためファームウェアのアップデートが必要で、これはクラウド経由で実行する。
ボッシュが適切な通信コントロールユニットとセントラル ゲートウェイ コンピュータを提供する一方、ETASおよびESCRYPT(両社ともボッシュ・グループの子会社)は必要な伝達技術と暗号化技術を供給。これにより、機能の安全性とデータセキュリティが確保される。
(4)スマートセンサー技術:ネットワーク化を可能にする超小型センサー
MEMSセンサー: 超小型MEMS(Microelectromechanical systems) センサーは自動車、スマートフォン、ゲーム機、タブレット端末やその他の数多くのデバイスで使われていく。
今後MEMSセンサーがなければ、家電製品や自動車に搭載されている多くのアプリケーションは機能しない。
センサー自体は小さいものだが、人命救助やエネルギー消費の削減に貢献し、クルマの運転をより快適なものにする。
ボッシュのMEMSセンサーは数百万もの電子機器の目となり、耳となり、ゲーム、スポーツおよび健康関連のアプリケーション用に活躍するMEMSセンサーをの役割を紹介する。
これらのソリューションは、CES 2017で体験できる。ボッシュのIoTがパーソナルアシスタントのように、さまざまな場面で人々の暮らしをサポートする様など、出展5回目を迎える今年、ボッシュはテーマである「simply.connected」にふさわしい多数のソリューションを展示していくと述べている。
なおCES 2017におけるボッシュのハイライトは会期となる2017年1月5日(木)〜8日(日)の間、ツイッターのハッシュタグ等で積極的に紹介されていくと云う:#BoschCES :BAUSCH GLOBAL https://twitter.com/BoschGlobal Software Innovations:https://twitter.com/BoschSI