アウディ、「e-tron GTコンセプト」をロサンゼルスで発表


電気自動車の4ドアグランツーリスモ。生産は2020年後半に開始

独・アウディは11月28日、ロサンゼルスモーターショー2018で4ドアクーペの電気自動車「Audi e-tron GT concept」を初披露した。同車は、e-tronファミリーの第3弾となるショーモデルで量産モデルは約2年後に市場に投入する予定だという。

既に生産が開始されている「Audi e-tron SUV」、2019年に登場予定の「Audi e-tron Sportback」に続く3番目のモデルが今発表の「Audi e-tron GT concept」となる。

フラットフロアのアーキテクチャーを備えた同車は、低い重心が特徴的なプロポーションが特徴。同車は434 kW(590 hp)の最高出力により、スポーツカーに迫るパフォーマンスを発揮するという。

このコンセプトカーを量産モデルへと移行する作業は、アウディのハイパフォーマンスモデルを開発している子会社、Audi Sport GmbHが担当していく予定だ。

風洞実験室から得たインスピレーション:デザインとボディ

全長4.96m、全幅1.96m、全高1.38mのAudi e-tron GT conceptは、マルチマテリアル構造を使用して製造される。その構造はカーボン製のルーフ、数多くのアルミニウム製コンポーネント、そして高強度鋼から製造されたサポートエレメントから構成されていまる。

このテクノロジーは、ポルシェと密接に協力して開発されたが、デザインとキャラクター自体はアウディのDNAを受け継いでいる。

前後ホイールアーチ間のシル部は外側に張り出しており、このシル部にAudi e-tron GT conceptのエネルギー源であるバッテリーが搭載される予定だ。ボディのエアフローを調整したことに加え、フロントに設置された大きなエアインテークによって、各種アセンブリーやバッテリー、ブレーキが効果的に冷却される。

現代的で持続可能な素材:インテリア

4ドア、4シーター、そして2.90mのホイールベースにより、Audi e-tron GT conceptのインテリアは、運転席に視覚的な焦点が当てられている。

センターコンソール、トップセクションの大型タッチスクリーン、ドアレール及びコックピットのラインがドライバーを取り囲むように設置され、各種機能やインフォテインメントをはじめとする操作系は、人間工学的に最適化されている。

インストルメントパネル上部には明るい色が採用され、フロアに向かうに従って徐々に暗くなっていく。これによって、幅広い印象が生み出され、フロント及びリヤに採用されたモータースポーツからフィードバックされたスポーツシートは、高速コーナーでも理想的なラテラルサポートを提供する。

インストルメントパネル中央のディスプレイと、センターコンソール上部のタッチスクリーンは、ブラックパネル調仕上げとなっており、ディスプレイは水平基調のインテリアを強調すると同時に、広々として落ち着いた雰囲気の創出にも貢献。

ドライバーの好みに応じて、バーチャルアナログ表示にしたり、航続距離と共にナビゲーションのマップを拡大したり、インフォテインメント機能のメニューを表示させたり、様々なレイアウトに変化させることが可能。これらのレイアウトは、触覚フィードバックを備えたタッチスクリーンで操作する。

性能と航続距離:駆動システム

434 kW(590 hp)のシステム出力は、前後のアクスルに個別の電気モーターが搭載されることで実現した。どちらのモーターも、永久磁石式同期電動機(PMモーター)で発生したトルクは、4つのホイールを介してトルクベクタリング付きquattroフルタイム4WDシステムを介して4輪へと伝達される。

電動式のquattroは、前後のアクスル間に機械的なリンクがないため、極めて精密に作動し、電子制御システムは前後のアクスル間だけでなく、左右のホイール間の駆動力も調整する。これによって、最適なトラクションが得られる。

絶対性能で同車は0~100km/hを約3.5秒で加速し、200km/hに12秒で到達する。航続距離を最大化するために最高速度は240km/hに制限される。

またこのクルマの大きな特徴のひとつが、連続してフル加速を繰り返すことができる点にある。通常の電気自動車であれば熱の問題によって出力が制限されるような状況でも、独自の冷却システムによって、モーターとバッテリーのポテンシャルをフルに発揮させることが可能だ。

航続距離は、新しいWLTPモードで400kmを超える。リチウムイオンバッテリーは90kWh以上の容量を備え、回生システムによって最大で30%航続距離を伸ばすことが可能だ。回生システムは2基の電気モーターを使用し、電気油圧的に統合されたブレーキコントロールシステムを活用。3種類の異なる回生モードを組み合わせて使用する。

ひとつ目はシフトパドルのマニュアル操作によって起動するコースティング回生、ふたつ目は予測効率アシスト経由で自動的に起動するコースティング回生、そして3つ目が電気と油圧による減速をスムーズに移行するブレーキ回生である。

0.3G以下の減速では、エネルギー回生は電気モーターだけが担当し従来型のブレーキ回生は使用はない。ホイールブレーキはドライバーがブレーキペダルを踏んで0.3Gを超える減速が発生したときにのみ使用する。

充電時間を短縮:800V充電システム

バッテリーは複数の方法で充電することが可能。具体的には、左側フロントフェンダーのフラップ内に充電用のケーブルを接続したり、アウディワイヤレスチャージングによる非接触充電が行える。

また非接触充電を行う場合は、クルマを駐車するフロアに1次コイルを備えた充電パッドを施設して電源に接続。交流電流の磁場により空間を隔てて、車両のフロアに設置された2次コイルに交流電圧が生み出され、充電出力が11kWの場合、一晩でフル充電可能だ。

この4ドアクーペは、800Vの充電システムに対応しているため、有線による充電の方が高速となる。この方式ではバッテリーを80%まで充電するのに必要な時間は約20分だ。

アウディ:電動化攻勢を継続

アウディは、去る2018年9月に電気自動車のSUVモデル、「Audi e-tron」を世界初公開して電動化攻勢を開始。

今後は2025年までに全世界の主要な市場で12の電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指している。SUVラインナップには、今回発表されたAudi e-tronと、2019年にデビューするAudi e-tron Sportbackが含まれる。

さらにAvantやSportbackといった、従来型のボディを備えた電動化モデルも導入される。これらのラインナップは、コンパクトからフルサイズクラスまで、あらゆる市場セグメントを網羅する。

なおAudi e-tron GT conceptの開発テクノロジーは、ポルシェと密接に協力して開発されました。しかしそのデザインとキャラクターはアウディのDNAを踏襲した。市販車は2020年末までに量産モデルとして登場する予定。初回のデリバリーは2021年初頭に行われる。

ちなみにアウディとポルシェの開発部門のもうひとつの共同プロジェクトが、プレミアム プラットフォーム エレクトリック(PPE)である。このプラットフォームは、B~D量産セグメントをカバーするアウディの複数の電気自動車モデルファミリーの基盤となっていく予定だ。