愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市 社長:藤岡高広)は、本年1月8日(金)に知多工場 第2棒線圧延工場で発生した事故について、稼動休止中の該当工場を復旧。3月21日(予定)より生産を再開することになったと発表した。
同社では、「今後、二度とこのような事態を起こさぬよう再発防止策を徹底していくと共に、皆様に安心・信頼していただける生産・供給体制の構築強化に努めて参ります」と述べている。
なお同事故が同社連結業績に与える影響に関しては、現時点で精査中としている。詳細が判明し次第、平成28年3月期の業績見通しを発表する構えという。
また復旧内容に関わるその他の概要は以下の通り
1.復旧、生産再開について
加熱炉設備の復旧が完了し、関係当局の指導を得た上の諸対策を終え、今後の操業の安全が確認できたことから試験生産による設備性能・製品の品質確認評価を経た後の3月21日(予定)より生産を再開する。
2.再発防止策への取り組みについて
(1)事故の発生原因
定期補修後の再稼動において、加熱炉の点火前に行う「エアパージ作業※1」が実施されなかったことに加え、「ガス通し作業※2」で作業手順と異なる作業の実施により、加熱炉内にガスが流入する事態が発生。滞留したガスに点火したパイロットバーナー(火種)の火が引火し 事故に至った。
(2)再発防止策
再発防止策としては、作業手順の見直し、作業者への安全に関わる再教育等による人的対策と、各作業に於いて「フェールセーフ機能※3」をもたせるための「インターロック機能※4」を追加する物的対策を実施した。
併せて人的、物的両面の対策の全社展開を図ることで、事故を二度と発生させないよう体質の強化を図っていく。
※1:点火前にブロアを運転し、炉内を換気して爆発を防止するための作業。
※2:加熱炉の再稼動時に配管内の窒素ガスを都市ガスに置換する作業。
※3:誤操作に対しても安全側に働く機能。
※4:ある一定の条件が整わないと他の作業に移れない機能(安全装置・機構の一つ)。
(3)供給体制の構築強化
東日本大震災以降、事業継続強化に向け、在庫確保、社内の代替ラインでの生産対応や他社での代替生産の事前調査、詳細情報のリスト化など危機管理対応を強化してきた。
今回、顧客の生産活動に影響を及ぼしたことを深く反省すると共に、事故発生からこれまでの在庫・代替生産対応の実態を検証し、製品供給体制の改善、構築、強化を図っていく。