ボルボ・カーズ、英国内に於いて一般ユーザーによる公道・自動運転実験の実施へ


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2017年のロンドンに於いて、英国史上最も野心的かつ大規模な自動運転実験を開始

ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン、以下ボルボ)は、英国内に於いてファミリーユーザーを対象とした自動運転の公道実証テストを実施すると発表した。

ボルボが特定のクローズ区間または閉鎖空間で、自動運転を実施するのでなく、一般公道上でのテストを実施するその理由は、自動車事故の大幅な減少と渋滞からの開放、そして運転者の貴重な時間の節約を早期に実現し、自動運転技術の導入速度を加速させることを目的しているからであると云う。

このプロジェクトの実施にあたっては、自動車メーカー自ら巨額の投資を必要とされるが、2015年会計年度に於いてボルボ・カー・グループは66億2,000万クローナ(2014年度は21億2,800万クローナ)の営業利益を計上した。

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同年度の収入は1,640億4,300万クローナ(1,375億9,000万クローナ)となり、2015年度の世界の販売台数は過去最高の50万3,127台に達し、2014年度と比較して8%増となった。

この最高の販売台数と営業利益は、ボルボ・カー・グループの世界での改革プランへの継続投資に道を開くことになった。

ボルボは、かつて1959年に3点式シートベルトを発明して以来、自動車安全の代名詞となったが、今回、自動運転システムの開発に於いてもパイオニアとしての役割を果たし、来る2020年までにボルボの新車に乗車中の死者・重傷者をゼロにするという目標を掲げている。

今プロジェクトは、この目標にコミットメントしていく一環となるものだ。これにあたってボルボ・カーズのホーカン・サムエルソン社長兼CEOは、「自動運転は、自動車の安全性の躍進を象徴するものです。

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自動運転車の実用化が早ければ早いほど良いのです。それにより多くの人命が守られることになるのです」と語った。

サムエルソンCEOは、ロンドンの保険産業の研究機関であるサッチャムがスポンサーするセミナー「自動運転とともにある未来–保険産業への影響」で、そうした自身とボルボの安全構想の所感を明らかにする予定だ。セミナーはロンドンのアメリカコンファレンスセンターで5月3日に開催される。

ボルボのイギリスでの実証実験は「Drive me London」と呼ばれ、実際のファミリーが自動運転車を公道で使用するという点で、他の自動運転実験とは一線を画している。

ボルボは、こうした一般参加のモニターが日常の生活に於いて、自動運転を活用していく過程に於いて、日々の自動運転車の走行データから有益な情報を積極収集し、クローズドのテストコースで行われる非現実的なテストとは全く異なる、リアル環境下でより現実に即した自動運転車の開発に活用していくと云う。

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またサッチャムは、そこからの技術データの分析と、実験の一部として必要なプロテストドライバーを提供していく形で協力していく。

この「Drive me London」は2017年初頭に、限られた数の半自動運転車から始まり、2018年には自動運転車100台を含むレベルまで拡大させていく。「Drive me London」は英国の交通史上、最大かつ最も大掛かりな自動運転の実証実験となるだろう。

自動運転車の導入により、英国の道路には安全、渋滞、公害、そして時間の節約といった4つの領域において大変革がもたらされる。

事前の独自調査では、自動運転テクノロジーの進展により、自動車事故件数は著しく減少する可能性があり、状況によっては最大事故の可能性を30%減少させることが判明している。

事実、現在に於いて全ての事故の約90%は運転者のミスや注意散漫といった人間の不注意が原因で発生しており、自動運転技術の発達に伴い、そのほとんどの要因を防ぐことが可能となる。

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これについてサッチャム研究所CEOのピーター・ショウ氏は、「自動車メーカー各社は、2021年頃までには自動運転が自動車旅行中にしばしば発生する退屈から運転者を開放してくれると予想しています。

実際、自動運転システムの進化により、事故の発生頻度は間違いなく激減します。我々は自動ブレーキ機能(AEB)を多数の車両に導入した際にも、事故数の減少を目にしてきました。

一方、NHSTA(米国国家道路交通安全局)による米国に於ける研究によると、2035年までには、自動運転及びコネクテッド・カーテクノロジーの大幅な進展に伴い衝突事故件数は80%減少すると予想しています。

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さらに、もし不幸にも衝突事故が避けられなかったとしても、衝突時のスピードはシステムによって減少され、衝突の重篤化を大きく低減させることでしょう」と語っている。

そう遠くない未来に於いては、混雑問題に関しても自動運転車によって交通の流れがよりスムーズになり、渋滞そのものが緩和される可能性がある。

また、その延長線上として、有害な排気ガスや大気汚染を減らすことができるようにもなだろう。そして最終的には、混雑の緩和は運転者の貴重な移動に掛かる時間を節約していく。

サムエルソンCEOは、「自動運転車は様々な利益を生み出します。だからこそ世界中の各国政府が、可能な限り早く、自動運転車の公道走行を認可する法整備とインフラを導入する必要があるのです。自動車産業だけでは、この全てを行うことは出来ません。我々には政府の後押しが不可欠なのです」と結んだ。