トヨタ自動車、米国事業60周年記念式典を実施。テキサス州プレイノ市のTMNA本社で


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男、以下トヨタ)の北米事業体であるToyota Motor North America(以下、TMNA)は米国時間10月31日、米国テキサス州プレイノ市のTMNA本社でトヨタの米国事業60周年を祝う記念式典を実施した。

式典には、プレイノ市のハリー・ラロシリエル(Harry LaRosiliere)市長などの来賓を招き、トヨタの専務役員でTMNAのCEOであるジム・レンツ(Jim Lentz)や従業員などが参加した。

トヨタは北米市場進出の足場を築くべく、1957年10月31日に米国カリフォルニア州ハリウッド市に米国トヨタ販売(Toyota Motor Sales, U.S.A. 以下、TMS)を設立している。

当初は、この約280平方メートルの販売店ひとつで、米国現地に於ける事業を開始した。

当時、日本の自動車メーカーにとって米国進出は大きな挑戦であり、トヨタも最初に販売した「トヨペット・クラウン」の高速走行性能が不足するなど当初は苦戦を強いられた。

その後、1968年に発売した小型車「カローラ」や商用車「ハイラックス」(1969年発売)を投入。

結果、1983年に発売したカムリが後に最量販乗用車となり、これに合わせて販売店網の拡充を実施してきた。

また、1989年に立ち上げたラグジュアリーブランド「レクサス」では、最初に投入した「LS400」が低振動と静粛性で高い評価を得て、レクサスは短期間でラグジュアリーブランドの仲間入りを果たしている。

製造面では、雇用機会の創出や地域経済の発展に寄与するとして1980年代から当地で本格的な自動車生産事業を開始。

1984年に設立したGMとの合弁車両生産工場New United Motor Manufacturing, Inc.(NUMMI・現在はTESLAが譲り受け、同社のEV生産拠点となっている)に続き、1986年には米国初のトヨタ単独車両生産工場として、ケンタッキー州にToyota Motor Manufacturing, USA(現Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc. 以下、TMMK)を設立。

その後、ユニット工場も含めて現地生産の拡充を進め、2015年には米国で初めてとなるレクサスブランド車「ES」の現地生産をTMMKで開始した。

また1973年には北米のデザイン拠点としてキャルティ・デザイン・リサーチを設立して開発拠点に於いても積極的な米国進出策を実行。

1977年には、海外初の研究開発拠点としてカリフォルニア州にトヨタテクニカルセンター・USA(現TMNA R&D)を設立している。

結果今日では、トヨタは米国内に10か所の工場と約1,500か所の販売店を構え、販売店も含めて約13万6000人の雇用を創出。今年7月には、エンジニアリング、販売、マーケティング、金融、コーポレート部門などの機能を集約した北米新本社をテキサス州プレイノ市に開所した。

TMNAのジム・レンツCEOは、「本日は、私たちが60年間クルマを販売し続けてきたことを祝うだけではなく、この先もトヨタを支え続ける数多くの従業員に感謝し、今後ももっといい商品・サービスをお客様にお届けする決意を新たにする日である」と述べている。

一方、プレイノ市のハリー・ラロシリエル市長は、「この3年間、トヨタが北米本社をプレイノ市に集約するなかで、個性豊かな従業員の方々の存在やトヨタの文化が地域全体に良い影響をもたらしてきた。

トヨタでは、従業員が家族のような存在でありながら、目的意識を持って革新を生み出そうとしている。

プレイノ市がトヨタに『故郷』と呼んでいただけることを誇りに思いながら、本日、米国事業60周年を祝う瞬間に居合わせられて大変嬉しく思う。ここプレイノ市で、トヨタとともに歩む新たな60年を楽しみにしている」と語った。

今回TMNAは、この米国事業60周年を記念して、トヨタ2000GTのミニカーや1977年製ハイラックスのオリジナルドアキー、トヨタのF1マシンのミニチュアなどを入れたタイムカプセルを本社敷地内に埋設。

このタイムカプセルは、米国事業50周年を記念して、2007年にカリフォルニア州トーランス市のTMS本社に埋められていたもので、2057年の米国事業100周年記念の際に本カプセルを開封する予定だと云う。