スーパーGT第1戦・岡山、MOTUL AUTECH GT-Rが激戦を勝ち抜く


GT300は、LEON CVSTOS AMG-GTが嬉しいチーム初優勝を飾る

2016 AUTOBACS SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が、4月9・10日に掛けて岡山国際サーキット(岡山県)で行なわれた。

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まず9日の公式予選は、午前9時〜10時45分に行われた公式練習を終えた後の14時50分。気温23度・路面温度27度・曇り空のドライコンディション下で実施された。

今回の予選セッションでは、ミシュランタイヤ勢が順調にタイムを縮めていく一方でブリヂストン勢が伸び悩み、結果No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-RがトップでQ2に進出。

続いてNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手、3番手にNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F、4番手にNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)と続き、NSX最上位はNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)の11番手となり、全車Q2進出で敗退した。

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15時55分にスタートしたQ2では、公式テスト段階から好調を維持しているNo.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也)が、1分18秒571のコースレコードタイムをマークし、さらに翌周に1分18秒268に突入。

これにNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)が続く。

さらにQ2終盤にNo.37 KeePer TOM’S RC F(平川亮)が、1分18秒126をマークして開幕首位に、併せてGT500クラス通算8回目のポールポジションを確実なものとした。

2番手には、No.6 WAKO’S 4CR RC F、3番手にNo.1 MOTUL AUTECH GT-R、4番手にNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rと、GT-R勢が2列目を占める結果となった。

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GT500予選後の各チームのコメントは以下の通り

GT500予選PP・No.37 KeePer TOM’S RC F・ジェームス・ロシター
クルマの調子は朝(の公式練習)から良かったよ。バランスもOKで、ロングランもちゃんとこなせたし、午後の公式予選に向けて自信があった。

ただ僕はQ1を走ったのだけれど、ベストラップをマークできたのは最後のラップだった。ちょっとタイヤを温めるのに手間取ってしまったからね。

だから走って終わってピットに戻った時に、チームにその状況を伝えたんだ。そうしたらチームの方で少し(セットアップを)調整してくれて、それで平川さんがベストなアタックをした。彼はもう、ここ岡山国際サーキットでは“キング”だよ。

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ただ今日ポールを獲ったからと言って、明日の決勝レースがタフで激しいものになることは間違いない。

去年、同じLEXUS TEAM TOM’Sで走っていたアンドレア(カルダレッリ。平川と組んで昨年優勝)も来ると思うし、まったく気を許すことはできないね。

気を付けていないと小さな差が、いつのまにか大きな差になってしまう。そんなレースになる予感があるよ。でも僕たちはポールからスタートするので、いいスタートダッシュを切ってそのまま逃げ切りたいね。

GT500予選PP・平川 亮、「ただ僕は速く走るだけでよかったんです」
ジェームス(ロシター)がすべて言ってしまいましたが(苦笑)、今日は朝の公式練習中から、ロングもショートも含めて(の走行で)クルマの調子は良かったです。

それで、午後の公式予選に向けてはエンジニアと相談してもうワンステップ上のセッティングをトライしました。

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ただしQ1でジェームスが走ったところ、なかなかタイヤが温まらなかったみたいでした。ジェームスからのインフォメーションもあって、Q2までのインターバルでは、そのデータを活かしてクルマを少しアジャストしてもらいました。

そうしたら、もっともっと速いクルマになっていて、ただ僕は速く走るだけでよかったんです。

このサーキットは、確か僕が14歳の頃から走り込んでいて、いろんな細かいところまで知り尽くしています。それがここのサーキットで強い、ジェームスには“キング”と言われましたが、いつも良い走りができている理由だと思います。

昨年に続いて、ポールポジションをとることができ、とても嬉しいです。明日の決勝レースではいいポジションからスタートするので、当然優勝を狙って行きます。

これまでは逆転で優勝を飾る格好になっていますが、今回はスタートからトップに立って逃げるレースにしたい。ピットワークなどでも痺れるような展開になると思いますが、シーズンは長いので、絶対に(ポイントの)取りこぼしだけはしないようにしたいですね。

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GT500予選2番手 No.6 WAKO’S 4CR RC F、大嶋 和也・「臨機応変にふたりで頑張りたい」
悔しいか? うーん、まぁまぁ。朝の走行の雰囲気からすると厳しい感じかとも思ったんです。僕は朝最初に乗ったんですが、その時と路面コンディションがかなり違いましたね。

その後はアンドレア(・カルダレッリ)が乗っていたので、路面の変化も確かめていないので、(予選に向けて)多少の不安はありました。でも想像していたよりタイムは良かったし、走りもまとまっていました。

ただ、37号車がもっと速かった、ということだけ。僕もミスしていないし、実力以上のタイムは出せたと思っています。それでも足らなかっただけですね。ああすれば良かった、こうすれば良かった、と細かいことを言えばたくさんありますが、フロントローからスタートを切るわけだし。

今季はチーム体制も変わり、しっかりこの位置にいられるのはいいこと。アンドレアと一緒にいい仕事ができているので、明日はどんなレースになるか、楽しみ。開幕戦なので色んなことが起ると思いますが、臨機応変にふたりで頑張りたいですね。

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GT500予選3番手・No.1 MOTUL AUTECH GT-R、ロニー・クインタレッリ・「予想以上の結果だと思っている」
ここにクルマですごく不安があったんです。でも一番苦手なサーキットでこの位置まで来ることができてすごくウレシイです。予想以上の結果だと思っています。

予選を振り返ると、まだまだ足りないことはあるんですが、ドライビングに関してはもういっぱいいっぱい(がんばりました)。クルマとタイヤの部分でもうちょっとよくできるところもあるのですが、それでも充分な進化ができたと思います。今回は天候も味方になりました。すごくいい一日になりましたね。

トップのタイムですか? もう一度アタックしてもムリですね(苦笑)。僕のドライビングでも届かない。いいポジションから明日はスタートできるので、レースは楽しみ。

ロングランはまだキチンとしていないので、決勝で各チームの力もわかるでしょう。岡山の開幕戦はちょっとうまく行かないことがあるので、しっかり仕事をして、普通にレースをして完走したいですね。そこで足りない部分が課題として見えてくれば、また次につながると思います。

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GT500決勝:MOTUL AUTECH GT-Rが貫禄の逆転優勝
予選から明けた4月10日午後。当日の気温20度・路面26度で、走行環境は昨日に続き、曇り空のドライコンディション。 ポールポジションのNo.37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター)を先頭に、82周のレースが開始された。

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ホールショットを獲ったNo.37 KeePer TOM’S RC Fは、1コーナーをトップでクリアして以降、スピードを緩めず後続との差を開く作戦のようで、2周目には1.6秒、3周目には2.2秒と、徐々にマージンを貯めていく。

その後方では2番手を走るNo.6 WAKO’S 4CR RC Fと3番手のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが付け、さらにNo.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信)、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)、No.38 ZENT CERUMO RC Fの集団が4位争いを展開する状況。

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暫くの膠着状態を経て、28周目のヘアピンでクインタレッリがNo.6 WAKO’S 4CR RC Fのカルダレッリをパスし、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手に。

首位交替は、35周から38周のピットストップ時、NISMOのピットクルーが40.8秒の静止時間でNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを送り出した後の40周目。同車が満を持してトップに浮上。

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ドライバー交替後の順位はNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田)が首位、2番手にKeePer TOM’S RC F(平川)、3番手にNo.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也)、4番手には本山哲からステアリングを引き継いだ千代勝正のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが続く。

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結果、首位浮上後は終始これを守り続けたNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が2番手に15.334秒の差をつけゴールラインを潜る。

2位は、No.37 KeePer TOM’S RC F(平川亮/ジェームス・ロシター)が最後までNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのアタックを防ぎ続け、辛くも獲得。3位はNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)が入って、千代はGT500クラスデビュー戦で表彰台を獲得した。

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4位は2番手スタートのNo.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)、5位は61周目にNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)との戦いを制したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)となった。

GT500決勝後の各チームのコメントは以下の通り

GT500優勝・No.1 MOTUL AUTECH GT-R、「本当にいい流れで勝つことができました」・松田 次生
開幕前のテストではレクサスとブリヂストン(タイヤ)のパッケージが速く、ホンダも速くなりそうだったのですが、この週末はテストと違ってクルマの仕上がりがとてもよかったです。

予選ではQ1を突破して、ロニー(クインタレッリ)選手がQ2で上位に付けてくれました。
今日の決勝でもロニー選手が良い走りで追い上げてくれて、後半は(去年と同じで)また平川(亮)選手とやり合うのかと思っていましたが、実際にはうちのチームはピットワークも速くて、(37号車を)逆転しただけでなく大きく差をつけることができて…。本当にいい流れで勝つことができました。

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今日は千代(勝正)選手が見事な追い上げを見せていたのは分かっていたから『こんな展開では、自分たちはテレビにはほとんど映らないだろう』と思っていてテンションも下がりそうでしたが(苦笑)、がんばって走って2位以下にどれだけタイム差をつけることができるか、それをモチベーションにしてがんばりました。

個人的に、今日優勝したことで、通算勝利で本山(哲)さんや立川(祐路)選手を引き離して単独トップになりました。もちろんこれからシーズンも長いので、また勝ったり負けたりすると思いますが、最後までがんばって、今まで誰も成し得ていない(ドライバーズの)3連覇を目指したいですね。

GT500優勝・「チームのがんばりに応えられてホッとしています」・ロニー・クインタレッリ
僕は開幕戦で勝つのも、岡山で勝つのも今回が初めてですが、正直言ってまだ勝った実感はありません。

テストでは散々だったのですが、この週末はチームでいいクルマに仕上げてくれたし、ミシュラン(タイヤ)もいいパフォーマンスを発揮してくれました。テストと違ってクルマのバランスが最高でした。

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昨日の予選で3番手になって『ポールでなくて残念だね』と言ってくれる人もいましたが、僕たちにとっては(テストから考えれば)3位は上出来だったし、昨日3位になれたからこそ、今日の展開に繋がったと思っています。

ここまでチームには『このままだとヤバいよ!』と厳しい言葉で散々に注文を付けてきましたが、チームは本当にがんばってくれて良いマシンに仕上げてくれました。だから今日は優勝して、それに応えることができたのでホッとしています。

勝因ですか? 新しい単語が出てきましたね(苦笑)。やはりレースウィークに入る時にタイヤの判断がバッチリだったこと。クルマとタイヤを路面に合わせることができれば速く走れることが分かったので、ウェイトハンディで少し重くなりますが、第2戦以降もがんばります。

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GT500決勝2位・No.37 KeePer TOM’S RC F、ジェームス・ロシター・「いいシーズンのスタートが切れた」
スタートはキチンと決まったし、良かったね。最初の20周はタイムも良くていい感じでした。

その後からちょっとタイヤに問題が出てきて、どうしてだかはわからないんですが、ピックアップが出てきたんです。結果としてグリップを失ってしまい、気がつくと背後にNISMO(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)がいました。

僕としてはピットストップまではどうしてもトップを死守したかったんです。自分のスティントとしては、いい仕事ができたと思うし、今日の2位という結果もうれしいですよ。

それに、過去岡山戦で優勝したチームはシリーズチャンピオンになっていないでしょう!? なので、今日の結果で大丈夫です。ジンクスかって? いや、過去の結果を見れば明らかなので。

今シーズンはチャンピオン獲得が目標なので、結果良し、です。いいシーズンのスタートが切れました。シーズン中にあと数戦は表彰台に上がりたいですね。

GT500決勝2位・平川 亮・「正直言えば悔しいけどバトルは楽しめた」
今回はミシュラン(タイヤ)が速かったです。GT-Rも速かったですし、レースになると強いですね。

もちろん僕らもがんばったんですけど、タイヤもクルマも含めて、まだ一歩足りていないんだなと感じました。前半も後半もスティントの後半は彼らが速くて、どうにも太刀打ちできず、最後は守りに入ってました。

正直、勝てると思っていたので悔しいですけど、追いつかれても、うまく周りを見ながらコントロールはできていたので楽しめました。

重り(ウェイトハンディ)を積むことになりますが、そのへんを考慮しつつ、次の富士は僕たちレクサスのホームコースなのでいい結果を残せるようにがんばりたいと思います。

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GT500決勝3位・No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R・本山 哲・「千代の走りは100点! 最高のスタートになった」
すごくいい結果で終われて嬉しいですね。シーズンオフのテストは気候がいろいろ変化する中で自分たちにとっては厳しいものだったんですけど、今回のレースではミシュランタイヤが本当に素晴らしくて安心してドライブすることができました。

それにプラスして、今年新しくチームメイトになった千代(勝正)が新人らしいイキのいい走りで、Q1も含めてレースもすごく頑張っていたと思います。

後半の千代のスティントでうまくすれば2位には上がれるかなと思っていたんですけど、平川(亮)も頑張っていたし、37号車に追いついた時にはタイヤもすべり始めていたのでキツかったとは思うんですが、ともかくすごくいいレースだったと思います。

点数をつけるとしたら? 100点ですよ! 期待以上の走りをしてくれたので最高のスタートになりました。富士は去年良かったので、第2戦でもこの勢いでポイントを増やしていきたいと思います。

GT500決勝3位・千代 勝正・「とにかく無心で戦った」
レースはとにかく無心で戦いました。特に終盤、前のクルマが見えてきたときは、前を追っかけることだけを考えて、自分なりに限界まで攻め切れたと思います。

開幕までの短い時間でこのマシンに慣れることができたのも、チームはじめ本山(哲)先輩が、ルーキーってことでフォローをしてくれて一から教えてくださったおかげです。

チームにはもっと上の順位をプレゼントしたくてがんばったのですが…。次回まで優勝はお預けになりましたが、あらためてがんばっていきたいです。

昨日の予選(Q1でトップタイムをマーク)では、緊張とプレッシャーの中、あのパフォーマンスができたのは自信になりました。決勝も同じような気持ちで毎周毎周プッシュできました。クルマを降りてから、本山先輩に褒めてもらったのが一番うれしいです(笑)。

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GT300予選:岡山国際サーキットを得意とするVivaC 86 MCが逆転ポール
GT300予選は、Q1が折り返しを迎えた8分過ぎにNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)が、1分28秒台だったここまでのトップタイムを、1分26秒911まで短縮。

これに続き、No.55 ARTA BMW M6 GT3(小林崇志)がタイムを1分26秒705へと更新。さらにNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3(新田守男)が26秒615まで詰めて逆転した。

残り5分を切ったところでNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)が1分26秒560がマークしてQ1を首位で通過した。

続くQ2は、この岡山でSUPER GTデビューとなるNo.18 UPGARAGE BANDOH 86、地元岡山県倉敷市出身の山田真之亮が1分27秒101でトップに浮上。これを岡山県倉敷市出身、No.65 LEON CVSTOS AMG-GTの蒲生尚弥が1分25秒624のコースレコードで上回る。

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続いてNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士)も25秒台に入れるが、蒲生のタイムには一歩及ばず2番手。しかし最後の最後にNo.25 VivaC 86 MCの土屋がナンバー65のタイムを更新する1分25秒586ポールポジションを獲得。

2番手にはNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT、3番手No.7 Studie BMW M6のFIA GT3勢、4番手はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTのJAF-GT300、5番手はNo.11 GAINER TANAX AMG GT3となった。

GT300予選後の各チームのコメントは以下の通り

GT300PP獲得、No.25 VivaC 86 MC・「発想の転換をしたようなセットを見つけました」・土屋 武士
開幕前にここであった公式テストでクラッシュしてしまったのですが、チームが一丸となってクルマを直してくれて、1週間後の富士の公式テストも走ることができました。

僕たちはプライベートチームだけに、(そういう困難を乗り越えて)こうやってサーキットに戻ってくることができた。それが一番嬉しいですね。

“打倒ワークス!”なので、細かいところは“企業秘密”でお話できませんが(苦笑)、岡山のテストでは試していなかったセットを、富士のテストでたまたま試してみたところ新たな発見があって、それがヒントになって今回のセッティングになっています。

それまではとてもスタンダードなものだったのですが、発想の転換をしたような、『あぁ、こんなセットでも走れるんだ』的なセットになっています。

ドライバーとして走るだけでなく、エンジニアとしてもクルマを速くしようとがんばっているのですが、最近のテーマはドライバーに走り方を指示するようなセッティングですね。

あと、今回は(松井)孝允のコメントがヒントになりましたが、実は彼のコメントに関しては富士のテストの際にコンコンと説教したところで、それも今回のポールポジションに繋がっています。

得意な岡山でポールポジションを獲って、速さをアピールすることができました。でも、岡山だけでなくマザーシャシーのマシンが得意とするサーキットは第3戦のオートポリス、第4戦のSUGOもあります。

だから今度はオートポリスで今回以上に、もっともっと速くなっていると思います。でも、まずは明日の決勝でも快調に走って、ここ(記者会見)に呼ばれたいですね。

GT300PP獲得・「地元だから多く来てくれるファンの前で勝てるようがんばる」・松井 孝允
朝の公式練習からロングランもちゃんとできていて、レースに向けても良いバランスだと確認できました。

公式予選で僕はQ1を走ったのですが、僕自身のミスもあったし、クルマの状態もちょっと問題があったのですが、それをピットに戻ってエンジニアでもある(土屋)武士さんに伝えたら、武士さんが素晴らしいアタックを見せてくれました。

明日の決勝は後方に(ストレートで)速いFIA GT3が何台もいるので、(ストレートは苦手の)マザーシャシーの僕たちにとっては、スタート直後が勝負になると思います。

僕は広島県の福山市出身なんですが、このサーキットはカート時代から走り込んでいて、僕にとってはホームコースです。地元ということで、他のサーキットよりも多くのファンの人たちが来てくれると思うので、多くのファンの人たちが見ている前で勝つことができるよう、ぜひともがんばりたいですね。

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GT300予選2位・No.65 LEON CVSTOS AMG-GT・蒲生 尚弥・「1周アタックをミスなく走ることができた」
新しいAMG GT3は、去年のクルマよりダウンフォースがすごく増えて、コーナリングとブレーキングのレベルがすごく上がっている印象があります。

予選のQ1でトラブルが出てしまって少し不安もあったんですけど、それも解消されていましたし、タイヤを温存したかったので1周アタックになりましたが、ミスなく走ることができました。

予選は2位でしたけど、FIA GT3勢の中でトップだったので結果には満足しています。去年はタイヤチョイスを失敗して満足のいくレースができなかったので、今年はそういうことがないように、1年間の流れを考えながらとにかくポイントを獲得して、1 年間上手に戦ってチャンピオンになりたいと思います。そのためにも明日はぶつからないように走りたいと思います(笑)。

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GT300予選3位・No.7 Studie BMW M6・荒 聖治・「路面の変化に救われた」
新しいクルマの印象はでかくて僕好み。これまでに自分が乗ってきた歴代のクルマの中でもトップクラスの格好良さですごく気に入っています。

そんな大きいスタイリングなんですけど、実際に乗ると重量物が中心に集まっていて、BMWらしい、BMWの哲学で作られたクルマだなぁと感じます。乗った感じはソリッドですね。

今朝の公式練習までは路面のコンディションに合わなくて、正直キツイなと思っていたんですが、予選になってGT500が走った後の路面の状態がガラッと変わって、それに救われましたね。

予選のタイムアタック自体はタイヤをしっかりバランス良く温めて、パフォーマンスを最大に発揮できるように準備して、いいアタックができたかなと思います。結果的に2列目が獲れて、いいリザルトになったなと思います。明日は2列目からスタートできるので、最終的に表彰台に上がれたらいいですね。いいレースがしたいです。

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GT300決勝:LEON CVSTOS AMG-GTが嬉しいチーム初優勝
オープニングラップはほぼ予選のオーダー通りにスタート。その後の30周を終えたところでのオーダーは、No.25 VivaC 86 MC、No.65 LEON CVSTOS AMG-GT、No.7 Studie BMW M6のトップ3は変わらず、その後方にNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸)とNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝)が付ける展開。

レースは膠着状態が長く続いたことから、No.65 LEON CVSTOS AMG-GTは31周を終えたところで蒲生尚弥にドライバー交代。この際タイヤを左側の2本のみ交換する作戦を実行した。

一方、トップを走るNo.25 VivaC 86 MCは、土屋から松井孝允にドライバー交替してピットアウトした直後にNo.65 LEON CVSTOS AMG-GTの蒲生に、3コーナーで順位を譲る。

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その後もNo.25 VivaC 86 MCはタイムが伸び悩み、42周目のダブルヘアピンでは谷口信輝が駆るNo.11 GAINER TANAX AMG GT3にもかわされて3位に転落。

一方、2位に進出した谷口の後方には松井をかわしたNo.7 Studie BMW M6(荒聖治)とNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸)が進出。トップでチェッカーを潜ったNo.65 LEON CVSTOS AMG-GTを筆頭に、上位陣をFIA-GT3の新型車が占める展開となった。

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GT300優勝・No.65 LEON CVSTOS AMG-GT・「少し早めにピットインしてトップを奪うことができました」・黒澤 治樹
LEON RACINGとして3シーズン目になりますが、やっとここ(初優勝)まで来ることができました。

新車にはよくあることで、小さなトラブルとかセッティングで微調整が必要だったりしましたが、メカニックの皆が本当に、寝る時間を惜しんでクルマを仕上げてくれました。

予選では、ポールこそ逃してしまいましたが蒲生(尚弥)選手がいいアタックを見せてくれて2番手からスタートできました。前半のスティントでは、なかなか簡単には25号車に追いつけなくて、少し早めにピットインしてトップを奪うことができました。チーム皆で手に入れた初優勝でした。

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個人的には先日、娘が生まれたのですが。その微笑みで勝てたのかな、と。お父さんはこれからもがんばるしかないですね(笑)。

開幕戦に勝つとチャンピオンになれないというジンクスがあるんですか? それ、勝ってから言われてもどうしようもないですね(苦笑)。これからもチーム一丸となってがんばって、そのジンクスを打ち破れるようにしたいですね。

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GT300優勝・「多くのファンや知り合いの前で初優勝できて最高」・蒲生 尚弥
僕に、こんな素晴らしいクルマをドライブする機会を与えてくれたチームと(黒澤)治樹さんに感謝しています。だから結果で返すことができてホッとしている、というのが正直なところです。予選でも納得できる走りができました。

決勝では、少しタイミングは早くなりましたが、作戦通り左側2本だけタイヤを交換したので、労わりながら走っていこうと思っていたら、タイヤが温まりにくかったのか後からルーティンのピットインを行った25号車のタイムが伸びず、3コーナーであっさりかわしてトップに立つことができました。

クルマとタイヤ、そしてブレーキも良かったですね。そして、すべてのセッションで納得できる走りができたし、開幕戦で勝てたことも嬉しかったですね。

僕は地元岡山の倉敷出身で、金曜日にはプロモーションで美作警察署にも伺いましたが、やはり多くのファンや知り合いが見ている前で初優勝を飾ることができたのは最高でした。これからも1戦1戦、着実にこなしてチャンピオン争いしたいと思います。

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GT300決勝2位・No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG・片岡 龍也・「2位は嬉しいけど、同じクルマに負けたのは悔しい!」
今回は、土曜日の走り出しからしっくりこないし、選んだタイヤもいまいちマッチしなくて、予選は沈んでしまいました。

でもその分、ずーっとコンスタントに走れるタイヤということで、レースディスタンスを通してずっと安定したパフォーマンスがありました。自分が乗っていた時の感触としては、自分たちがずっと同じペースで走り続けていたら周りがどんどん下がってきたなという感じだったんですけど、ともかくあの位置(予選8位)から2位でゴールできたのは嬉しいですね。

(優勝したNo.65 黒澤治樹の顔を見ながら)でも1位が同じクルマなので悔しいです! 次はLEONに負けたくありません!!(笑)

GT300決勝2位・谷口 信輝・「まずは自分たちのレースをした」
開幕戦だし、今回は周りのクルマも新しいクルマが多すぎて(レース中の)ペースも全然わからなかったし、それよりもまず、どのチームも自分のところのクルマのペースすらわからなかったと思うんです。

そういうレースだったから、まずは自分たちのレースをしたって感じですね。正直なところ、2位になって“う、うん!?” っていう微妙な感じなんです(笑)。

とは言え、2位という順位は僕らとしても見えていなかったので、うれしいんです。でもね、僕らの上に同じクルマ(Mercedes-Benz AMG GT3)がいるっていうのが悔しいですね。まぁ、開幕戦と思えば、上々の出だしです。引き続きがんばります。

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GT300決勝3位・No.7 Studie BMW M6・荒 聖治・「テスト不足の状況下での3位は良かった」
テストの時、初日の午前中にトラブルが出て走れなかったのでデータもなかったし、セッティングも出てなかったし、タイヤ選びもできてなかったんですけど、そんななかで3位でチェッカーを受けられたのは良かったかなと思います。

でも一方で、もうちょっと速く走らないと勝てないなということも実感しました。自分的には安定していいペースで、そのなかでもベストを尽くしたつもりですけど、やっぱりもうちょっと速く走らないとダメですね。次の富士は自分の誕生日が近いので勝ちたいです!

GT300決勝3位・ヨルグ・ミューラー・「結果を出すことができて本当にハッピー」
今日の結果はとってもうれしいです。チームがいい仕事をしてくれました。

とにかく今シーズンはクルマが新車でしょう!? その中で、オフィシャルテストをしてはいますが、午前と午後の各2時間のテストの中で、タイヤのテスト、ブレーキのテスト、車体そのもののテスト…と、たくさんの関係者がいっぱいやりたいメニューを抱えているんです。

だから、クルマの確認というか、仕上げていく作業はほとんどできません。そんな中、新車のBMW M6 GT3できちんと結果を出すことができて本当にハッピーですね。

(コンビを組む荒)セイジも素晴らしい仕事をしました。強いていえば、序盤は混戦だったのに、その後からタイヤマネージメントが難しくなってきました。その点をしっかり見直していって、表彰台の真ん中に立ちたいですね。