ボルボ建設機械、中国でのプレゼンスを再強化

ボルボ・コンストラクション・エクイップメント(ボルボCE)は6月24日、中国に拠点を置くSDLG(山東臨工建設機械有限公司)の株式を臨工グループ(LGG)が保有するファンドに80億スウェーデンクローナ(60億人民元)で売却する契約を締結した。

この取引は、為替変動の影響を受けるが、取引完了時点で営業利益に10億スウェーデンクローナのプラス効果をもたらすと見込まれている。

なお今後、ボルボCEは中国に於ける重点顧客セグメントに注力し、中国のサプライヤーエコシステムの活用を強化していく構え。

本件に伴いVolvo CE は以下のことを実施する

・SDLGの株式70%を、SDLGの少数株主であるLGGが主に所有するファンドに売却する。

・中国の特定の顧客層にボルボブランドのプレミアム製品とサービスを提供することに注力

・国内市場と輸出市場の両方に対応する生産・開発センターとして中国にシステムを活用する

2006年、ボルボCEはSDLGの過半数株式を取得したことでLGGは少数株主となった。

この戦略的投資により、ボルボCEは重要な中国国内建設機械市場への参入を果たした。以降SDLGとの協業は成功を収めてきたが、戦略的な理由から、ボルボとLGGはそれぞれ独立した事業戦略を追求することが双方にとって有益であると判断した。

そのため両社は、LGGが主に保有するファンドがボルボのSDLG株式を保有することに合意。2024年には、SDLGの収益はボルボグループの売上高の約2%を占め、ボルボグループの営業利益への影響は軽微となった。

なお今取引は、取引完了時点の建設機械部門の営業利益に10億スウェーデンクローナのプラス効果をもたらすと見込まれているが、それは取引完了時点までの為替レートの変動による。

取引完了は、規制当局の承認およびその他の条件を満たし、2025年後半に予定されている。また同取引による影響は調整後営業利益から除外される。加えて同取引は、為替変動により16億スウェーデンクローナの税制上のマイナス効果をもたらすものと見込まれている。

ボルボCEの責任者であるメルカー・イェンベルグ氏は、「SDLGは2006年以来、当社に多大な貢献をしてきました。しかし、競争の激化、新技術への変革、そしてお客様との連携強化の必要性から、改めて重点を置く必要があります。

中国は依然として当社にとって重要な市場であり、ターゲットセグメントにおける持続可能なソリューションに注力することで、この機会を最大限に活用することを目指しています。また、中国の優れた産業システムも活用していく予定です」と述べた。

今後ボルボCEは、鉱業、採石・骨材、重工業インフラといった主要分野をターゲットに、中国建設業界における持続可能なソリューションの開発をリードするという戦略的重点分野を維持していく。

特に個々の顧客ニーズに対応するカスタマイズソリューションの提供に注力すると共に、競争の激しい市場環境に適した持続可能な流通ロードマップの構築に精力を傾けていくという。

地域市場としての中国事業は、国内市場と輸出市場の両方に対応する世界的に競争力のある生産・開発拠点として機能している。

一方で競争の激しい産業環境でもあり、品質とコスト面での優位性を最大限に活かすべくボルボCEは2002年から上海に掘削機生産工場を開設。新たな生産ラインの建設を発表済み。今後も中国はバリューチェーンの重要な構成要素であり、国内外の多くのサプライヤーにとって重要拠点であり続けると説明している。