昨年、欧州で最も売れたプラグインハイブリッド車に
ボルボ・カーズ( 本社:スウェーデンヨーテボリ、CEO:ホーカン・サミュエルソン )は6月25日、自社製品ラインナップのなかでXC60の累積販売台数が270万台を超え、アイコニックなモデルであるボルボ240を抜き、ボルボ史上最も売れているモデルとなったという。
XC60は、2008年のデビュー以来、ボルボ・カーズのミッドサイズSUVとして安全性、品質、そしてプレミアムなドライビング体験を重視する幅広い層のドライバーから支持され、高い人気を保っている。
当初は欧州のみで生産されていたXC60は、後にボルボ初のグローバルモデルとして中国でも生産される(現在は、トースランダ工場に加え中国・成都の工場でも生産されている)ようになり、現地での販売を支えている。2018年には、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた。
現行モデルのXC60は、プラグインハイブリッド車をより幅広い層の顧客に販売し、昨年、欧州で最も売れたプラグインハイブリッド車となった。
2026年モデルのXC60は大幅なリフレッシュが施され、モダンなデザイン、より直感的なユーザー・エクスペリエンス、向上した快適性、より応答性の高いインフォテインメント・システムを備えている。
ボルボ・カーズのグローバル・オファー責任者のスザンヌ・ハグランド氏は、「1980年代のスウェーデンで育った私にとって、ボルボ240はまさに象徴的なファミリーカーでした。
どの家の前にも必ずと言っていいほど停まっていたものです。現在、XC60は2つの面でそのポジションを引き継いでいます。
ファミリー向けの理想的なオールラウンダーモデル
ファミリーカーの定番としてだけでなく、ボルボ・カーズの歴代ベストセラーモデルとなったこと、それ自体がこの車の成功を何よりも物語っています。そして、今回の刷新により、さらなる進化を遂げています。
XC60は、最先端の安全機能、スカンジナビアンデザイン、そしてSUVならではの利便性を、自信に満ちたパッケージに融合させた、ファミリー向けの理想的なオールラウンダーモデルです。
家族に信頼されるクルマをつくるというボルボ・カーズが誇る伝統の中で、XC60はその中核をなすものです。
長年にわたり、ボルボ240エステートは世界中のファミリーに最も人気のある選択肢で、その安全性と優れた走行性能で愛されてきました。
多くの人々の目には、240はエステートカーとはどうあるべきかを定義する存在として映っていました。今日では、SUVが、エステートに代わってファミリー向けの定番の選択肢となっています。
XC60が新たにボルボ・カーズの歴代ベストセラーモデルになったことは、お客様の求めるものや必要とするものの変化を明確に反映しています。
240とXC60、2つのクルマに共通する安全への哲学
ボルボ240とともに育った多くの人々が、今では自分の家族のためにXC60を選んでいます。そして、240が彼らの子供時代を形作ったように、現在のXC60は新しい世代の子供たちの思い出をつくっています」と語る。
実際1974年に発売されたボルボ240は、その後数十年に亘って効果的な安全基準を確立してきたクルマだ。
同車は、1974年から1993年にかけて生産され2,685,171台が製造された(最後に出荷された240はイェーテボリのトースランダ工場から5月5日に送り出された)が、当時としては先進的なボディデザインを採用しており、フロントとリアのクラッシャブルゾーンと強化されたキャビンを備えてもいた。このようなセーフティケージ構造の理論は、今も乗員を守り続けている。
240はまた、強化された側面衝突保護を初めて採用した車のひとつであり、これは後にボルボの特許取得技術である側面衝撃吸収システム(SIPS)へと進化した。更に1978年に導入されたチャイルド・ブースター・クッションは、世界初の画期的な技術革新となった。
今回、240に替わってベストセラーカーになったというボルボXC60も、240と同じく数多くの先進安全技術を導入してきた。
XC60は電気自動車時代に向かう未来への懸け橋に
例えばシティセーフティは、時速30km以下の走行時に於ける衝突回避または被害の軽減を支援する、世界初の標準装備の低速自動緊急ブレーキシステムとして登場した。
2008年に初導入されて以来、この技術は世界中の新型車に於いて一般的な装備のひとつとなっている。
もうひとつの世界初でXC60は2017年に「オングミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」を導入した。
これは、対向車線に逸脱した場合に、自動でステアリング操作を行い自車線へ戻すシステムを指す。これらの技術革新により、XC60は複数の第三者機関から安全性に関する賞を受賞した。
当時の240がそうであったように、XC60は現在も道路上で安全を売りにしているクネマのひとつだ。
併せてXC60は、ボルボ・カーズの電動化戦略に於いて重要な役割を果たしている。プラグインハイブリッドモデルは、完全電動化への移行にまだ準備が整っていないユーザー向けに、内燃機関の安心感を維持しつつ、完全な電気での走行を提供している。
ボルボ・カーズのデータによると、世界に於ける最新のプラグインハイブリッドのボルボ車の走行距離の約半分(走行距離の平均48%)は、電気のみで走行しているという。