プラゴ、全国のEV充電器で「可用率99.9%(スリーナイン)」達成

自社運用の全国783台のEV充電器の「可用率」を公表

EV充電インフラ事業を展開するプラゴ(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:大川 直樹)は6月25日、今年5月末時点で、自社が管理するEV充電器が「可用率99.9%(スリーナイン)」を達成したことを謳っている。

ちなみに「可用率99.9%」は、2025年5月の1か月間を通じて、プラゴが自社運用管理する全国783台のEV充電器が正常に稼働していた時間の割合を基に算出した数字。

これを踏まえ同社では、今後はさらなる高可用性である「99.99%(フォーナイン)」を目指し、EV充電インフラのさらなる信頼性向上と品質の標準化に取り組んでいくとしている。

なお上記の可用率とは、充電器が「充電できる」「決済できる」状態を保っている時間の割合を示すEV充電インフラの品質指標を指すもの。

EV充電器も、水道や電気と同様に“常に使える”ことが社会インフラとして求められる基本条件となっている。しかしEVの普及が進む現在でも、故障や不稼働の充電器は一定数存在し、ユーザー体験を損なう要因となっている。

世界的にも同様の課題は顕在化していて、2024年6月に米国LAのEVステーション施行事業社のChargerHelpが発表した「Annual Reliability Report」では、全米の約20,000台の急速充電器を対象に、「ユーザーが実際に充電できたかどうか」という観点から可用率を測定した。

しかしその可用率は73.7%に留まり、約26%が「利用不可」と判定された(The Verge, 2024年6月)。

他にもハーバード大学による別の調査でも、約100万件のレビューをAI解析した結果、平均可用率は78%という結果が出ており、米国に於いては「5台に1台以上が正常に使えない」状態が明らかになっており、このように、「行ってみたら使えない」充電器の存在は、EV普及のボトルネックであり、社会全体で解決すべき構造的課題となっている。

そこでプラゴは、「いつでも使える」EV充電を当たり前にすることを通じて、EV社会への信頼醸成に取り組み、ソフトウェア・ハードウェア・運用が分断されず連携する体制を築き上げた上で、可用率99.9%という高水準を維持していることを宣言した。

同社によると、この99.9%の体制を支えるのが、日次の稼働監視を担う専任チームと、復旧を迅速化するナレッジ・フローの蓄積だとしており、極力現地対応に頼らずに安定運用を実現しているのだという。

より具体的にプラゴは、自社の技術と運用ノウハウを活かして、CPO(Charge Point Operator/EV充電器の遠隔監視、制御、課金、ユーザー認証などを行う運用基盤を開発・管理する事業者)サーバーとの接続だけでEV充電サービスを構築できる共通基盤をパートナー企業に提供してきた。

この基盤は、予約・課金・監視・制御など、充電サービスの構築・運用に必要な機能をワンストップで提供する共通インフラとして、自動車OEM、電力会社、ガソリンスタンド運営企業などのパートナー企業が、信頼性の高いEV充電サービスを短期間で構築し、安定した運用まで一貫して実現することを可能にしているとした。

またCPOサーバー基盤は、プラゴが自社eMSP事業(e-Mobility Service Provider/充電ステーションの検索、利用、決済などの機能を提供するプロバイダーを指す)として展開するEV充電アプリ「Myプラゴ」の運用を通じて、99.9%の可用率を実現している。

この実証済みの共通基盤を活用できることは、CPO事業を新たに立ち上げる企業にとって大きな利点であり、設計から運用まで一気通貫で支援できるプラゴのケーパビリティは、導入の初期段階からスケーラブルな成長を見据えた実効性の高い選択肢だと胸を張る。

また、プラゴは充電サービス連携の国際標準規格であるOCPI(Open Charge Point Interface/EV充電ネットワークの相互運用を実現するための標準通信規格)プロトコルを先駆的に採用し、2022年からは日本企業として唯一、欧州の規格整備団体EV Roaming FoundationにFull Contributor(EV充電サービスの相互接続を推進する欧州の非営利団体)として名を連ねている。

最後にプラゴでは、「今後もデジタルカーライフの実現加速業として、EV社会のありたき未来を示しながら、モビリティとエネルギーの新たな接点を社会に実装していきます。

その実現に向けて、ハードウェア・IoT・ソフトウェア・デザインの各機能を統合したデジタルカーライフ・プラットフォームをパートナー企業に提供し、新たな消費行動や顧客体験、事業機会の創出を推進しています。

トラブルなく使えることを前提に、その先の利便性や使いやすさといったユーザー体験(UX)の向上にも取り組み、EV社会のさらなる進化に貢献するために、99.9%という水準に留まることなく、今後は「99.99%(フォーナイン)」などのより高精度な可用性の実現を目指し、EVインフラの新たな品質技術を磨いていきます」と結んでいる。