日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は7月8日、同社のフォーミュラEチームが、今週末にベルリンで開催されるダブルヘッダーに参戦する。ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11(2024/25)の第13戦と第14戦にあたる。
オリバー ローランド選手は、シーズン11に於いてポールポジション3回、表彰台7回、優勝4回と非常に好調な戦績を上げており、ドライバーズランキングで2位に69ポイント差をつけて首位に立っている。
また、予てよりフォーミュラEチームはテンペルホーフ空港サーキットとの相性がよく2020年にシリーズ初勝利を飾ったほか、昨シーズンには3位を2回獲得した。
なお今週末は、リザーブ兼シミュレーター担当のセルジオ セッテ・カマラ選手がローランド選手とペアを組み、FIA世界耐久選手権の予定により不在となるノーマン ナトー選手の代役を務める。
シーズン11の開幕からチームと共に活動しているブラジル出身のセッテ・カマラ選手は、シーズン6のベルリン戦でデビューして以来、通算66回のE-Prixに参加し、豊富な経験を持っている。
加えて今シーズン、日産はフォーミュラEチームとしても、これまでの12レース中10レースでポイントを獲得している。今回のレースでチームランキングに於いて2位から巻き返してトップに返り咲くことを目指す。
一方、マニュファクチャラーズランキングに於いては、4レースを残した現在、4ポイント差のリードを保っている。
そうしたなかベルリンE-Prixは、ドイツの首都ベルリンの南側に位置する全長2.343キロの市街地コースで行われる。かつての空港敷地を利用した歴史あるコースで、2014/15年の初開催以来、唯一継続して使用されており、これまでに10回のレースが行われている。
コースはザラザラした路面で知られており、荒れやすく、タイヤ管理が重要になる。レーススケジュールは16:00(UTC+2)開始のフリープラクティス1から始まり、土曜日と日曜日ともに予選は11:20、決勝は16:05開始される予定だ。
日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター、およびチームプリンシパルを務めるトマソ ヴォルペ氏は、これまでの背景を振り返って「ベルリンは我々にとって馴染みのあるサーキットであり、特にローランドにとっては過去に良い結果を残してきた場所です。
コースレイアウトは昨年から少し変わっていますが、過去のデータも豊富にあり、予測がしやすいです。今週末は多くの勝負がかかっており、チームは非常に意欲的で集中しています。必要なポイントを確実に獲得する自信があります。
ローランドはドライバーズランキングで良い位置につけており、これまで何度も実力を証明してきました。彼とともに良い結果を積み重ねていきたいと思います。
一方、セッテ・カマラの参戦については非常に喜んでいます。彼は調整や準備に少し時間を要しますが、非常に経験豊富で才能のあるドライバーです。私たちは3つのランキング全てで良い位置につけていますので、今週末にさらにポイント獲得を目指し、ロンドンでの最終戦を有利に進めたいと考えています」と語った。
オリバー ローランド
「ベルリンには良い思い出があります。フォーミュラEでの初勝利はとても特別なもので、その後も昨年は良いレースができました。
今週末は戦略的に非常に興味深い展開になりそうです。土曜日のレースはピットブーストもあり、ハイペースになることが予想される一方で、日曜日はエネルギー節約を重視した戦術的なレースになると考えています。
コースはよく知っていますし、今年は少しレイアウトが変わっていますが、路面の特性は熟知しています。良い結果を出せるよう全力を尽くします」
セルジオ セッテ・カマラ
「今週末、ベルリンで走れることを非常に楽しみにしています。これまで多くのレースでチームとともに戦ってきましたが、やはり実際に車に乗れるのが一番の喜びです。
シーズン中盤に新世代の車に乗るのは大きな挑戦ですが、柔らかいタイヤや全輪駆動といった新しい要素も理解しています。ピットブーストも初めての経験で、とても楽しみにしています。
工場ではローランドやエンジニアとともに戦略を学び、理解を深めてきました。全力を尽くしますが、あまりプレッシャーを感じずに自分の力を出し切りたいです。チームの3つのランキング勝利に少しでも貢献できるよう、ポイントを積み重ねていきたいと思います」
最後レース終了後には、毎年恒例のベルリンルーキーテストが月曜日に実施される。日産フォーミュラEチームは、新人、およびシミュレーター担当のアビー プリング選手と、フォーミュラ2のガブリエレ ミニ選手の2名を起用する。
プリング選手は昨年11月のハラマ戦で女子チームのセッションを制し、ミニ選手は今年のジェッダ戦でルーキーフリー走行2位を獲得した。2つの3時間セッションは、午前9時から正午までと、午後2時から午後5時までの予定(ともにUTC+2)という。
このルーキーテストに臨むトマソ ヴォルペ氏(日産フォーミュラEチームのマネージングディレクター兼チームプリンシパル)は、「今年のベルリンルーキーテストにプリングとミニが参加できることを大変嬉しく思います。プリングにとっては、リクルート兼シミュレーター担当としてチーム加入以来初めてのトラック上での活動となります。
2人とも非常に才能のあるドライバーであり、継続的に育成を続けることができるのは、チームにとって大きなメリットです。彼らが成長し続け、より良いパフォーマンスを発揮してくれることを期待しています」
アビー プリング(リクルート兼シミュレーター担当)
「トラックに出て、チームと再び一緒に走れることにとても興奮しています。街中のサーキットは以前も経験していますが、これほどパワフルな車での走行は初めてなので、素晴らしい機会です。レースに参加するので、できるだけ多くの情報を収集し、車の理解を深め、チームと自分にとって有意義な経験にすることを目標としています」
ガブリエレ ミニ
「再びチームと共に走れることを喜んでいます。昨年のルーキーテストで走ったコースですし、ジェッダでのFP0セッションでは350kWパワーモードや新しいタイヤ、全輪駆動は経験したのでうまく組み合わせていきたいです。私の主な目標は学び続けることと、ジェッダの時と同様にチームの計画を実施しながら自分の速さも示すことです」