日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は10月31日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12(2025/26)に向けて、同社のフォーミュラEチームがスペイン・バレンシアのリカルド トルモ サーキットで開催されたプレシーズンテストに参加したことを発表した。
同テストで日産フォーミュラEチームは、綿密に計画された意欲的なテストプログラムを実施し、高いパフォーマンスを披露できている。
昨シーズンの世界チャンピオンのオリバー ローランド選手は「日産e-4ORCE 05マシン」の1号車、ノーマン ナトー選手は引き続き、23号車で初試走を開始。
両ドライバーは、12月のサンパウロでの開幕戦に向け、すぐにリズムを取り戻した。
ローランド選手は279周、ナトー選手は265周を走破。両者はテストの大半を、性能向上やメカニカルパーツの検証、さまざまなセットアップに費やし、予選やレースシナリオのシミュレーションにも取り組んだ。
両ドライバーはスピード面でも存在感を示し、4日目にはナトー選手が午前中のセッションで最速タイムを記録、午後にはローランド選手がトップに立った。
最終日の金曜日には、チームのルーキーでシミュレータードライバーのアビー プリング選手が、史上2回目となる女性限定テストに参加する。
F1アカデミーチャンピオンであるプリング選手は、2024年の女性限定テストではトップタイムを記録しており、日産フォーミュラE GEN3 Evoマシンでの走行は今回が3度目となる。
日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター、およびチームプリンシパルであるトマソ ヴォルペ氏は、「非常に有意義なテストでした。意欲的、かつ具体的なプログラムを計画どおりに目標を達成でき、チーム全体の努力に満足しています。
今回はメンバー間の連携やスピード感を取り戻すことに集中しました。従って今週はパフォーマンスが主目的ではありませんでしたが、競争力のあるタイムも記録できました。
ドライバーはセットアップに自信をもち、サンパウロに向けて大量のデータを収集できたので、非常に良いテストになったと思います。
また明日はプリングによる女性限定テストがあります。彼女にとって有意義な時間になるだけでなく、私たちにとっても追加のテストとなり、これまでの取り組みやシミュレーターでの経験をさらに発展させるものです。
彼女が再びコースに戻り、残りのテスト項目を消化しながら、マシンでの経験を積む姿を楽しみにしています」と今セッションに係る注力ポイントと共に果たすべき課題を前提とした意気込みを語った。
またエースドライバーのオリバー ローランド選手は、「ここバレンシアでの数日間は非常に有意義でした。プログラムを着実に進めることができ、難しい場面からも多くを学びました。
これらは分析を通じてさらなる改善につなげます。トラック上での時間を最大限に活用できたので、12月のサンパウロ開幕戦では競争力を発揮できると確信しています」と語った。
続いてノーマン ナトー選手は、「長く集中的な1週間でしたが、4日間で目的を達成できたことに満足しています。多くの新しい機能を試し、今日は午前に自分がトップ、午後にはローランドが最速タイムを記録するなど、良い結果が出ました。
新しいメンバーとの連携やチームスピリットの醸成は、忙しいシーズンを迎える上で非常に重要です。GEN3 Evo最終年となる今シーズンはわずかな差が勝敗を分けるので、サンパウロまでにパフォーマンスを分析し、万全の状態で臨みたいと思います」と話していた。



