アストンマーティン、ドライバー・アカデミー2025が始動

2025年5月19日(英・ゲイドン発)、アストンマーティンレーシング(AMR)・ドライバー・アカデミー2025年期に、23名の若きGTドライバー志望者たちが新しく加入した。英アストンマーティンは、今期で9人目となる新人発掘を開始する。

2025年は、14カ国から23名の有望なレーサーたちが、9つのパートナーチームから集まり競い合う。

パートナーチームには、2024年のスパ24時間優勝者でありDTMにも出場するComtoyou Racing、ニュルブルクリンク24時間レース勝者のWalkenhorst Motorsport、FIA世界耐久選手権(WEC)に出場するRacing Spirit of Léman、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)出場のvan der Steur Racingの他、Vantage GT3およびGT4の国内トップチームであるJMF Motorsport、Mirage Racing、Volante Rosso、Racar Motorsport、Feathers Motorsportも育成プログラムに志望者を送り込んだ。

アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は今季のトレーニングプログラムに関して、「アストンマーティン・レーシング・ドライバー・アカデミーは、今や実績もあり名声も確立されています。

一方で、ドライバーの能力開発への集中的な取り組みという面では他に例がなく、アストンマーティンのパートナーネットワークの人材発掘に極めて重要な存在となっています。

当プログラムのレベルの高さから、ロス・ガン、ロマン・デ・アンジェリス、ヴァランタン・アス・クローなど、これまでの最優秀者は全てアストンマーティンのワークスドライバーの中で不可欠な役割を果たしており、私たちは彼らが毎年前進を続けていくのを、誇りを持って見守っています」と述べた。

実際、2014年にこのプログラムを開始して以来、同取り組みの重要性は飛躍的に高まっているという。

アストンマーティンの活気溢れるパートナーチームのネットワークの有望な人材の育成促進を目的に設立されたが、将来の人材への投資と能力開発を行うことを通してAMRがモータースポーツ界に貢献する手段ともなっているからだとした。

プログラムの成功率は高く、アストンマーティンTHORチームのValkyrieを駆るワークスドライバーのガン(英国)、IMSA GTDチャンピオンでロレックス・デイトナ24時間レースの優勝経験もあるデ・アンジェリス(カナダ)をはじめ、耐久レースのスターたちのキャリアも後押ししてきた。

他の卒業生には、複数のGTチャンピオンに輝き、今もコーディネーター、ドライバーコーチ、審査員としてAMRドライバー・アカデミーに関係するヴァランタン・アス・クロー(フランス)、GTワールド・ヨーロッパ出場のロマン・ルルー(フランス)、2023年の卒業生マイク・ダービト・オルトマン(ドイツ)、2019年英国GT4チャンピオンのトム・カニング(英国)が名を連ねる。

彼らは全員、アストンマーティンのレースプログラムで世界的な活躍を続けている。

実際、前期卒業生のジェイミー・デイは、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの耐久およびスプリントにComtoyou Racingから出場するなど、2025年の複数のプログラムに参加。また、冬季開催のアジアン・ル・マン・シリーズにもEarl Bamber Motorsportから出場し、今年初めにはVolante Rossoからバサースト12時間レースにも出場した。

由緒あるメーカーで学び、能力開発ができる比類ない場として、アストンマーティン・レーシング・ドライバー・はキャリアの初期にあるドライバーを効果的に指導できるように毎年微調整と改良を加えられている。

加入対象となるのは公認選手権のVantage GT3およびGT4のプログラムに参加する16歳から26歳の競技者で、最優秀者は卒業生として2026年のレースプログラムに向けた資金援助を受けると同時に、シーズンプランに合わせてファクトリーのサポートと指導も提供される。

今回の候補生たちは、3月に2日間のセミナーを受けた。セミナーではアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1®チームのテクノロジー・キャンパスの見学。

FIA世界耐久選手権コメンテーターのルイーズ・ベケットによるメディアトレーニングの他、ベース・パフォーマンスでのシミュレーターによるトレーニング。

これら総合的な身体能力評価および、個人に最適化したトレーニングプログラムと栄養計画、アストンマーティン・レーシングの社内向け営業研修、Vantageの競技セットアップ方法に対する理解を深めるためのファクトリー的な観点からのエンジニアリング・ワークショップなどが行われた。

今後はレース時にパートナーチーム、ワークスドライバー、AMRエンジニアのフィードバックが審査委員会に送られ、候補生たちはシーズンを通して総合的に評価されることになる。

審査委員会は、3度ル・マン24時間クラス優勝を果たし、2023年のロレックス・デイトナ24時間レースではGTDクラスのチャンピオンに輝いたダレン・ターナー(英国)を筆頭に、英国GTチャンピオンを4度とル・マン24時間で2度の優勝を獲得しているジョニー・アダム(英国)。

アカデミー卒業生でワークスドライバーのアス・クロー、AMRアカデミー責任者のレイチェル・アダム、AMRパフォーマンス責任者のガス・ベテリ、AMRパートナー・レーシング責任者のヒュー・タスカーで構成されている。

審査委員会では、戦略、チームワーク、営業面および広報活動面における各ドライバーの対応力を評価する。最終的に、将来的に最も才能を伸ばす可能性を示した候補生がシーズン終了時に最優秀者に選ばれる。