パイオニア(本社:東京都文京区、代表取締役 兼 社長執行役員:矢原史朗)は12月1日、自社の株主移行が完了し、スマートコックピット統合ソリューションのティア1サプライヤーで、Innolux Corporation(群創光電股份有限公司/台湾フォックスコングループ)の子会社「CarUX Holding Limited(CarUX)」の一員となったことを明らかにした。
これに伴いパイオニアは、今後、CarUXと共にグローバルスマートコックピット戦略を新たなステージへと進めていくと話している。
より具体的には今株主変更に伴い、同社の車載オーディオシステム、マルチメディアソリューション、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)ソフトウェア開発に係る技術知見と、CarUXのスマートコックピット統合ソリューションの強みを融合させ、CarUXグループのコアコンピテンス、製品競争力、グローバルサプライチェーンを介した影響力を更に強化していく構え。
ちなみにCarUXは、シンガポールに本社を置き、アジア全域に事業拠点と製造拠点を展開。欧州とアジアに4つの研究開発センターを擁している。
また同社グループが抱える事業としては車室内体験を向上させるスマートコックピットディスプレイおよび統合ソリューションの設計、開発、製造を専門としている。
加えてこれまで20年以上のティア1サプライヤーとしての実績を持ち、主要なグローバル自動車メーカーと長期に亘るパートナーシップを構築してきた。
こうしたことを前提にCarUXグループとしては、同買収完了に伴い、以下の3つの主要領域でシナジーの創出を実現していくと述べている。
1.顧客基盤の多様化:
パイオニアが築いてきた、日本をはじめとするグローバルな顧客基盤を活かし、CarUXグループは欧米地域以外の自動車市場でのプレゼンスを拡大していく。特に、日本の自動車メーカーサプライチェーンへの参入や、これまで接点を持ちにくかったパートナーとの協業販売機会の獲得を目指す。
2.製品ポートフォリオの拡充:
パイオニアのオーディオ、マルチメディアシステム、HMIソフトウェアにおける知見と、CarUXの高度なスマートコックピットディスプレイおよび製品へのインテグレーション技術を組み合わせることで、製品ポートフォリオを拡大し、ディスプレイ、サウンド、ヒューマンマシンインタラクションをシームレスに統合した包括的なソリューションを提供する。
3.グローバルな製造基盤:
パイオニアは日本、タイ、ベトナムをはじめとするアジア全域、ならびに米州・欧州に研究開発・製造ネットワークを展開している。今後はこれらのリソースをCarUXのアジア・欧州における既存の事業基盤を組み合わせることで、CarUXグループとして多地域に亘る供給体制を強化し、グローバルな生産の強靭性を高め、世界中の顧客に対して迅速かつ地域に密着したサポートを提供する。
以上3つのポイントを統括してCarUXグループは、顧客エンゲージメント、製品開発、技術、製造における共同の取り組みを通じて融合を進めていく。
また研究開発における連携を更に深め、生産シナジーを強化することで、スマートコックピットソリューションのパイオニアになるというビジョンの実現に向け、着実に前進していくと結んでいる。
