日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は2月24日、同社のクロスオーバー「キャシュカイ」と「エクストレイル」の特別仕様モデルを2016年ジュネーブモーターショーにて初披露すると公表した。
「キャシュカイ プレミアム コンセプト」と「エクストレイル プレミアム コンセプト」はそれぞれの現行モデルをベースに、「キャシュカイ プレミアム コンセプト」はロンドンにある日産デザインヨーロッパで、「エクストレイル プレミアム コンセプト」は日本の日産グローバルデザインセンターでデザインした。
両モデルは開発拠点こそ異なるが、デザインテーマや使用するカラー、マテリアルに共通性を持たせている。
なお既にご承知の貴兄が多いものとは思われるが、「キャシュカイ(QASHQAI)」は、日本国内ではデュアリス (DUALIS) と云う車名で製造・販売されていたミドルサイズのクロスオーバーSUVのシリーズ名称である。
日本での販売終了後も、欧州を筆頭に中国等の海外でフルモデルチェンジを受けキャシュカイ名で販売が続けられているもの。まさに同車は今日、日産のミドルSUVとして欧州戦略を担うクルマだ。実際、日産は同地域に於いては4WD車の評価が高い。
また2016年を迎え、その流れは日本国内にも流れ込んでおり、クロスオーバー車は欧州のみならなず世界各国に於ける日産の成功に重要な鍵を握っている。
これを踏まえ、両プレミアムコンセプトカーは、顧客の多様化に対応し、ターゲット市場を拡大したいという日産の希望を強く表現していると言えるだろう。
昨今、日産の新型車開発に関してキャッシュスカイとデュークの中間に位置する車両の存在が囁かれる日産だが、今回のデザインスタディを見ていくと、今日から未来に向かう日産のデザインアイデンティティが行方が良く分かる形で、表現されている。
日産自動車専務執行役員で、チーフクリエイティブオフィサーの中村史郎氏は、「デザインチームの創造力を遺憾なく発揮することにより、対照的でありながらも共通のテーマを持つこの2台のコンセプトカーが出来上がりました。
両車はプレミアムクロスオーバーの新しい可能性を示しています。また2台のコンセプトカーは、異なる顧客層に訴えかけるデザインとなっています。
『キャシュカイプレミアム コンセプト』は、ジュネーブやパリ、ローマなどの欧州主要都市で、文化的名所を巡り週末を楽しむ都会志向のプレミアムカスタマーで、一方の『エクストレイルプレミアム コンセプト』は、アルプスやピレネー山脈でアクティブな週末を過ごす、冒険家のプレミアムカスタマーをターゲットにしています。
両車に共通するのは、シンプルでありながらも活気あふれる配色です。
モノトーンのシンプルさが、エレガントさと温かみを与える『プレミアムゴールデンコッパー』とのコントラストを作り上げています」と述べた。
キャシュカイ プレミアム コンセプト
「キャシュカイ プレミアム コンセプト(Qashqai premium concept)」では、プレミアムゴールデンコッパーによるホイールアーチやウィンドウライン、ヘッドランプ内やルーフレールといったボディパーツの装飾がアクセントとなり、これがメインカラーのマットブラックとのコントラストを持たせている。
ボディ下部に使用されているカーボンファイバーや、20インチホイールの技巧的な装飾がダイナミックな外観を強調し、バンパーとサイドシルは、スポーティーであると同時に高級感を感じさせる仕上がりとした。
インテリアは、高級車で使用される柔らかなホワイトのナッパレザーや、シートの座面と背面の中心部分に施されたキルティング仕上げを採用。
プレミアムゴールデンコッパーが編み込まれた、特徴的なカーボンファイバーをインテリア全体に使用することで、品質の高さを更に強調した。
エクストレイル プレミアム コンセプト
先の「キャシュカイ プレミアム コンセプト」とは対照的に、「エクストレイル プレミアム コンセプト(X-TRAIL premium concept)」はマットホワイトをメインカラーに採用した。
ボンネットやルーフには、深いマットブラックのカーボンファイバーを使用し、プレミアム感に加え、力強さと軽やかさを感じさせる仕上がりとしている。
ホワイトとブラックのハイコントラストが、「Vモーション」グリルからボンネット、ボディサイドを通りリアへと流れるラインを強調し、どのようなシーンにも活躍する、エクストレイルのタフさを表現した。
光沢のあるブラックカラーに塗られたボディクラッディングやフェンダーカバーが、他のアウトドア向けクロスオーバーにはない独自性を打ち出している。
インテリアの装飾には上質なレザーを使用し、自然なタン色とブラックを配色。シートにも上質なレザーを組み合わせており、ヘッドレストとシートサイドには雲柄加工を施したタン色のレザーを採用した。
また、シートの座面と背面の中央部分にはウルトラスウェード®を使用し、ゴールドパール色のレザーの縁取りがアクセントとした。
ダッシュボードとドアトリムには、ブラックカーボンファイバーとマットクロームブラックの仕上げも用いたことで、プレミアムな室内空間を演出した。
2台のプレミアムコンセプトカーは、クロスオーバーセグメントにおけるパーソナライゼーションの新たな可能性を探求し、より高いレベルの自己表現を持たせることで、プレミアム車両を好むユーザーに訴求する仕上がりとしている。
このターゲットに対する訴求製品としての立ち位置を踏まえ、日産自動車エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターの青木護氏は、「クロスオーバーセグメントのパイオニアとして、日産は引き続き新境地を開拓し、最先端を求める欧州のお客さまの幅広いニーズを満たす商品を提供していきます」とコメントしている。