日本グッドイヤー、下期に向けて主力タイヤの製品ラインを刷新


オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤラインナップの新披露を含めた下期・戦略報道発表会を実施

日本グッドイヤー株式会社(本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長:金原雄次郎)は7月30日、東京都港区内に於いて主力製品ラインナップの刷新に加え、2018年の下期に向けての戦略発表会を報道陣を招いて開催した。

発表会では、まず同社代表取締役社長の金原雄次郎氏が登壇し「昨年春の原材料高騰に伴うタイヤ販売価格値上げの影響、さらに今年初頭の冬期の長引きに伴う夏タイヤへの履き替えの遅れなどによりタイヤ業界の需要に冷え込みが見られました。

しかし弊社は、先の積雪の影響下でオールシーズンタイヤがお客様の支持を得られたことなどで同製品ラインは対前年比で154%。さらに通年のタイヤ販売実績でも、前年並みを達成することができました。

そしてこれを踏まえ、下期の戦略は昨年の事業の安定感を踏襲しつつも、下期気候に準じたお客様の選択肢として、ふたつの製品ラインの刷新をご提案したいと思います。

そのひとつは昨シーズンに満を持して日本国内市場に投入したプレミアムスタッドレスタイヤ『ICE NAVI 7(アイスナビ)』の製品サイズの拡充となります。同シリーズは当社技術の集大成となったもので特に氷上でのグリップ性能で優れた特性を持っていることから市場からも高評価を頂いております。

この製品ラインには、今冬に向けて新たに215/65R17 99Qと175/55R15 77Qの2サイズの製品バリエーションを追加し合計で69サイズを揃えました。これにより日本でご利用頂く使用タイヤとして該当マーケットの98%をカバーする製品となりました。

ふたつめは、オールシーズンタイヤの『Vector 4 Seasons Hybrid(ベクター フォー シーズンズ ハイブリッド)』です。この製品は44サイズのバリェーションに加え、先の通り履き替え不要で経済的というダイレクトな製品訴求でありつつ、冬期に於ける走行性能でも、お客様からの厚い信頼を得ることができています。

またこれに加えて今年の冬は、SUVをカバーする新商品『Assurance WeatherReady(アシュランス ウェザーレディー)』を導入し、先のベクター フォー シーズンズと新商品のウェザーレディーの組み合わせで57のサイズバリエーションを揃えます。これで軽自動車から大型SUVまでフルカバーするラインナップを揃えることになります」とふたつの製品ラインナップを紹介した。

続いて注目製品を説明するべく登壇したグッドイヤーアジア太平洋地区・製品開発担当副社長のデイビッド・ザンジグ氏は新商品のアシュアランス ウェザーレディーについて語り、「新製品に使用されるコンパウンドに含有されるオイル分は、従来の石油6割削減。石油由来主体となっていた構造から大豆を原料とする大豆オイルテクノロジーを採用しました。

その配合は大豆オイル、ゴム、シリカによる新配合で同組み合わせ技術により、トレッド面は低温でも走行環境に好ましい柔軟性を保つことが可能で、これにより氷上でのウエット路面上のパフォーマンスは無論のことドライ路面に於ける性能も大きく向上しています。

またアシュアランス ウェザーレディーにもスノーフレークマークが入っているため冬タイヤ規制が行なわれている道路で通行可能です。

その秘密は非対称となっているトレッドパターンにあり、トレッドアウト側には排水性を高める「エボルビングトラクショングルーブ」という溝が刻まれています。

この溝は新品の状態ではシャープで深くなっていますが、摩耗が進むとその溝が次第に拡がっていく構造としています。これによりトレッドの摩耗が進んでも新品時に迫る高い排水性が保たれる仕組みとなっています。

加えてトレッドショルダー部にはサイプを配した「3D トレッドテクノロジー」を採用いしており、これによってブロック面の倒れ込みが抑えられる構造です。

この結果、降雪時はエッジ効果が高まり、ドライコンディション時には路面を的確に捉えることでグリップ向上が実現し、全天候で優れたパフォーマンスを生み出すことができるのです」と畳み掛け、首都圏などの非降雪地域で時折雪が降る冬期でも履き替え不要となる利便性を訴えていた。

写真向かって左が日本グッドイヤーの金原雄次郎代表取締役社長。写真中央がザ・グッドイヤー・アジア太平洋地区・製品開発担当副社長のデイビッド・ザンジグ氏。その右が日本グッドイヤー マーケティング本部マーケティング本部長の有田俊介氏。
写真向かって左が日本グッドイヤーの金原雄次郎代表取締役社長。写真中央がザ・グッドイヤー・アジア太平洋地区・製品開発担当副社長のデイビッド・ザンジグ氏。その右が日本グッドイヤー マーケティング本部マーケティング本部長の有田俊介氏。

なお気になるサイズは、215/65 R16~235/55 R20の計13サイズを用意。2018年は16インチから始まり、17インチ以上を中心とした20インチまでの13サイズを導入することで、ベクター フォー シーズンズ ハイブリッドとの組み合わせで合計57サイズ。国内利用タイヤの89%をカバーリングすることになるとした。

発表会の最後にジェームス光が丘店店長・岩井藤雄氏が登壇。顧客の声が集まる販売店で、特に昨年末から今年上半期に掛けてオールシーズンタイヤに対するユーザーの反響について紹介した。
発表会の最後にジェームス光が丘店店長・岩井藤雄氏が登壇。顧客の声が集まる販売店で、特に昨年末から今年上半期に掛けてオールシーズンタイヤに対するユーザーの反響について紹介した。

ちなみに先の大豆オイルを利用する技術は、2018年2月にドイツのハノーバーで開催された「タイヤ・テクノロジー・エキスポ2018」において「Environmental Achievement of the Year(年間環境功労賞)」を受賞しているとザンジグ氏は話していた。