いすゞ、NGVトラックのバイオメタン小型充填機実証に国内初参加

国内唯一のNGVトラック量産メーカーとして、CN燃料の実用可能性の検証に協力

いすゞ自動車(本社:神奈川県横浜市、社長COO:南真介)は、ルネッサンス・エナジー・リサーチ(RER/本社:京都府京都市、社長:岡田治)が9月3から大阪府泉佐野市内(泉南市信達六尾付近)で実施した国内初の小型充填機を用いたバイオメタンの車両充填実証に参加した。

この実証参加では、まず樹皮や廃油など利用率が低い原料、あるいは利用されていないバイオマスをメタン発酵させて得たバイオガスから、RER社独自の分離膜技術を介してCO2を分離させて、高純度なバイオメタン(メタン濃度約90%)を生成する。

次に、このバイオメタンを小型ガス充填機で圧縮した上で、いすゞの小型トラック「エルフCNG車」に充填する。

その結果、エンジン始動および走行を問題なく行えることを検証して、バイオメタンが自動車燃料として実用可能であることを改めて確認するという流れだ。

なおこうした一連の実証工程は、大阪府が大阪・関西万博開催期間中に、大阪府域での実施成果を示すことを目指したものとして、「令和6年度カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環としてRER社が取り組んできたもの。

この「高効率メタン発酵システムと膜分離による次世代型バイオガス発電の開発・実証事業」の様子は、来たる10月7日(火)から13日(月・祝)にかけて大阪・関西万博 「フューチャーライフヴィレッジ」で開催される「フューチャーライフエクスペリエンス」展示内にて動画で紹介される予定だ。

また、そもそもRER社は、バイオガスを活用した発電システムの開発・実証に取り組むと共に、自動車燃料としての地産地消利用を提案している企業。

バイオメタンを車両に充填する際、高圧ガス保安法に適合する大型の充填機を使用している実例は他にもあるが、地産地消のバイオメタンの充填で速度が必須でない場合、今回のような小型充填機を利用する方法を新たに提案したい考えで実施された。

実際、小型充填機を利用した場合、ごみ処理と燃料供給の運用を一体化することも容易であることから、一般的な廃棄物処理事業者らが、ごみ処理と燃料供給の運用を一体化することが容易になる。ひいてはそれが資源循環とエネルギー循環を両立するモデルの構築に繫がる可能性がある。

対して、いすゞは国内で唯一、NGV(天然ガス車)トラックを量産・販売している自動車メーカーであることから、長年、環境負荷低減およびエネルギーセキュリティーの観点から、NGVの普及に取り組んできた。

そんな同社としては今回、量産車両のエルフCNG車が実証に用いられたことは、一般的な商用車の利用でカーボンニュートラル(CN)燃料導入の可能性を裏付ける重要な検証となると期待を寄せている。

いすゞでは、今後も引き続き、商用車の多様な用途や特性を踏まえ、マルチパスウェイで様々なCN商品の可能性を検討すると共に、その普及促進に積極的に取り組むことで、地球温暖化の抑制や脱炭素社会の実現に貢献していきたいと話し、同実証の成果に大きな手応えを得たことを示した。

 
 




 
 

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