ダカール2016は、1月12日を迎えた。この日のコースはアルゼンチンのベレンを基点としたループ。
四輪とトラック部門は、リエゾン(移動区間) 111km+SS(競技区間)285kmの合計396km。二輪並びにバギーは、リエゾン(移動区間) 151km+SS(競技区間)285kmの合計436kmを消化する予定となっていた。この予定に添って、2輪・7時、バギー・8時、4輪・8時56分、トラックは9時45分にスタートした。
コースは、フィアンバラ砂漠とは反対側のベレン南東部で、首位争いが繰り広げられた。
路面は、大半が道なき道のオフピスト(道のない荒地)で、草の茂ったフカフカの砂丘や枯れ川の底で、気温も40度を超えるなど北アフリカを彷彿とさせる。
ロード・ブックに指示されるコースも分かりにくく、正しいコース選びが勝利の鍵を握る非常に難しい難局となった。
なおこの暑さでSS消化に変動があり、当初285㎞の予定を187km時点のCP(チェックポイント)2までで終了することになった。
4輪車とトラックは約5㎞のリエゾン(移動区間)でベレンのビバークへ、2輪は82km時点のCP1で終了し、別ルートで専用のマラソンビバークへ向かう。
この結果、2度目のステージ優勝を狙うプジョーのカルロス・サインツ選手が12秒差で今SS優勝を果たし、総合首位となった。
SS2位は、MINIに乗るエリック・ファンローン選手、同3位もMINIのミッコ・ヒルボネン選手。昨日、エンジンヒートしたステファン・ペテランセル選手は、慎重な走りで首位から7分遅れのSS7位・総合2位。総合3位は、首位から14分遅れで、今SS5位となったナセル・アルアティヤ選手となった。
この後MINIチームによる申し出で、プジョーのステファン・ペテランセル選手が承認されていない場所180km地点で給油したとの理由でオフィシャルに調査を求め、オフィシャルはこの給油が事実かどうか調査に入っている。
これに対してプジョー・チーム監督ブリュノー・ファミン氏は、「給油は道路上を走っている時に行われたことでレギュレーションに合致する」とコメントしている。
過去9度のWRCチャンピオンとなった、セバスチャン・ローブは砂丘の中で何度もスタックを繰り返したものの、首位から1時間13分遅れでCP2に到着している。
日本のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ニコラ・ジボン/ジャン・ピエール・ギャルサン組が、酷暑でのオーバーヒートを避けるため、時折、車両を停めながらエンジン温度の調整して走行。3本のパンクと1本のリム落ちを喫しながら総合30位/市販車部門1位でゴールした。
結果、累計順位は総合34位/市販車部門3位となり、部門首位のP・シリヨル組、トヨタ・ランドクルーザー200とのタイム差を21分25秒まで短縮している。
一方、昨日のSSでプロペラシャフトを破損した三浦昂/ローラン・リシトロイシター組は修復車両を慎重に進め、総合37位/部門3位、累計順位を総合41位/部門5位とした。
トラック部門は、日野チーム・スガワラ勢の菅原照仁/杉浦博之組がレンジャーの機動性を活かして、トラック部門総合9位/排気量10リットル未満クラス1位でゴールし、今大会初のトップ10入りを果たした。
また、1号車菅原義正/高橋貢組は水温上昇にケアしながらも総合30位/同クラス2位でフィニッシュした。
この結果、累積順位は2号車が総合15位/クラス1位に躍進。1号車も総合35位でクラス2位として排気量10リットル未満クラスのワン・ツー体制を堅持した。総合首位はIVECOのジェラルド・デ・ローイ選手となっている。
二輪部門は、猛暑で消耗しきった競技者があまりに多くなったとことから、早々のレース切り上げとなった。結果、KTMのトビー・プライス選手がステージを制して総合でも首位を堅持した。
総合2位・ホンダのパウロ・ゴンサルヴェス選手は総合2位のポジションから首位奪還を狙っていたが、CP2直前にラジエターに木が刺さって穴が開く車両トラブルに見舞われた。
しかし今回、多くの参加者が高温下でのレースに難航するなか、主催者判断でSS後半がキャンセルされたことにより、順位の後退はなく、この先への望みが繋がれている。
ただし明日のスタートまでに競技者だけの力で修復できないと再スタートが認められない。車両は牽引されてビバーク地点に移動している。
明日13日のディ10は、ベレンからラ・リオハへ向かうが途中フィアンバラ砂漠を一周する形でSSが設定されている。同日は、ダカール・ラリー初のスタート様式で、四輪のトップ10台と、二輪のトップ10台が同時出発となる。