一般社団法人チャデモ協議会(本社:東京都港区、会長:志賀俊之、代表理事:姉川尚史)は、電動車両の超急速充電規格について、中国の中国電力企業聯合会と共同で開発していく。
これを踏まえて来る8月28日に、北京で共同開発着手に向けた覚書の調印を行う予定。ちなみに直流型急速充電方式の国際規格であるチャデモ規格は、当初2009年時の規格制定段階では「最大電圧500V、最大電流125A」としていた。
しかしその後、徐々に車両が増加していくなかでEVマーケットからの強い要望を受け、2017年と2018年(最新チャデモ規格のver2.0 は2018年5月29日に改訂)に規格を改訂。現在は最大電圧「1000V、最大電流400A」の出力を可能としている。
一方、中国の電力会社の業界団体で電力関連の規格制定を司る中国電力企業聯合会は、未来のEV充電に際してより超高出力化を想定。この上限を超える超高出力充電規格の開発に取り組む構えを見せている。
そこで、チャデモは同開発を踏まえて中国側と共同で研究・開発を進めていくことに合意。これが今回の調印に至った経緯となっている。
ちなみにこの取り組みは、経済産業省主催の自動車新世代戦略会議で重点項目である「電動化政策に関する国際協調強化によるインフラや制度環境の適切な整備の促進」に沿ったものであり、既に双方の政府からの支援を得ている。
また今回の覚書では、将来的に高出力を必要とする大型車や産業用途に至るまで、広域に亘る電動車両普及に適した次期国際充電規格の策定に向けて、双方の国情を踏まえつつ進めていくことになっている。
このため同共同開発に関わる取り組みは、安全かつ短時間でEVに充電可能な超急速充電技術が確立されるだけでなく、日本と中国側の既存急速充電規格との互換性が確保されることになるため、汎用性の高い急速充電規格として世界のデファクトスタンダードになり得る可能性を秘めることになった。