デンソー、アクシア・ベジタブル・シーズの全株式取得

デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下、デンソー)は7月4日、安定的な食料の生産と供給の実現を目指しオランダの種苗メーカーAxia Vegetable Seeds B.V. (アクシア/本社:オランダ、社長:Alois van Vliet)の全株式を取得した。

デンソーでは、今回の全株式取得は、食農分野への進出を加速させるものだとしている。

出資の背景には、近年、気候変動と人口増加による食料不足などが世界中で社会課題となっており、需要に合わせて食料を安定的に生産・供給できる農業生産体制の構築が必要となっていることがある。

デンソーは、これまで自動車領域で培ってきた工業化技術と、様々なパートナーが持つ栽培に関する専門的な技術を掛け合わせ、データ駆動型栽培などの革新的な栽培方式の開発を加速させてきた。

対してアクシアは、高度な施設園芸が盛んなオランダに拠点を置く種苗会社。トマトを中心に高品質な野菜品種の育種・開発を専門としている。世界トップクラスの育種に関する専門知識を活用しつつ、研究開発と生産者のニーズへの深い理解を強みに、世界の施設園芸業界に新たな価値を提供・販売してきた。

全株式取得を祝したセレモニーの様子。左より:アクシア CEO Alois van Vliet氏、デンソー フードバリューチェーン事業推進部 上席執行幹部 向井康氏

今後、デンソーとアクシアは相互に連携し工業化技術を種苗開発に取り入れることで、栽培の自動化やあらゆる気候に適した高品質なトマト品種の開発を進めていく。

また、デンソーの持つ画像認識技術やAI技術を活用することで、アクシアの開発期間を短縮し、付加価値の高い種苗をより早く市場に投入していく。

両社はこれらの取り組みを通じて、種苗から栽培までの生産者の多様なニーズに応える安定・計画生産を可能にする栽培ソリューションの構築を進め、世界中で持続可能な農業の実現を目指していくとしている。

各社コメントは以下の通り

株式会社デンソー 上席執行幹部(フードバリューチェーン事業推進部担当) 向井 康氏
種苗業界において卓越した開発力とノウハウを持つアクシアが、デンソーグループの一員となることを大変うれしく思います。デンソーの持つデジタル・自動化技術とアクシアが持つ育種専門知識を融合することで、安心で高品質な種苗を早期に開発し、私たちの目指す姿である「いつでも・どこでも・だれでも」安全で美味しい食の提供を実現していきます。

Axia Vegetable Seeds B.V. CEO Alois van Vliet, COO Sandor van Vliet氏
デンソーグループの一員となることで、「最高品質のトマトの種苗を世界中に届ける」という私たちのミッションをさらに加速させることができます。これは、栽培環境の自動化とAI技術を活用した最先端の取り組みによって強化されると考えています。

優秀な社員やパートナーと力を合わせながら、世界中の生産者に革新的な技術を提供し、農業をよりスマートに、持続可能で生産性の高いものへと進化させていきます。私たちは、温室栽培用のトマトの種苗において世界をリードすることを目指します。最後に、Temasek、Kleiner Perkins、WP Global Partnersをはじめとする株主として支えてくださった企業の皆さんに深く感謝申し上げます。

<Axia Vegetable Seeds B.V.の会社概要>
1.社名: Axia Vegetable Seeds B.V.
2.会社設立年度: 2010年
3.所在地: Monnikenlaan 6B 2671 NE Naaldwijk Netherlands
4.CEO: Alois van Vliet
5.COO: Sandor van Vliet
6.売上:* 4,800万€
7.従業員数: 132名
*2024年