SUPER GT第4戦、「FUJI GT 300km RACE」のGT500クラス決勝レースが8月9日、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された。
気温32度、路面温度48度という夏らしい晴天の下、レース終盤に、気迫の追い上げ劇を演じたNo.24「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹選手/ミハエル・クルム選手組が、今季初優勝を飾った。
レース序盤は同日午後3時に、2戦連続のポールスタートとなったNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路選手)が好スタートを見せ、2位以下の集団を大きく引き離して独走。
続く2番手は、No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(野尻智紀選手)、3番手、No.36 PETRONAS TOM’S RC F(ジェームス・ロシター選手)、4番手、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平選手)、5番手、No.24 D’station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム選手)、6番手にNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(オリバー・ターベイ選手)と続いた。
その後、3周目を迎えた頃、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fが、ここまで2位に付けていたNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GTをかわして2位に。
3番手は集団によるバトルとなり、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴選手)、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、No.24 D’station ADVAN GT-Rの3台がドックファイトを繰り広げた。
さらにその後方では、No.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也選手)と、No.37 KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ選手)が最終コーナーでもつれ合い、結果、No.6 ENEOS SUSTINA RC Fが最後尾に脱落。No.37 KeePer TOM’S RC Fも9番手まで順位を下げてしまう。
その間、他車にペースを乱されることなく、順調に周回を重ねたNo.38 ZENT CERUMO RC Fは、31周消化時点で無事にピットインをこなし、43.8秒のピットワークを経て、石浦選手がステアリングを握った。
続く32周目には、この時点で2位グループを形成していたNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮選手)、No.24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹選手)、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ選手)がピットイン。
その後、No.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛選手から脇阪寿一選手)、No.37 KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ選手から平川亮選手)が次々とピットインを済ませた。
この時点で、No.38 ZENT CERUMO RC F、No.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔選手)1位グループを形成。3番手にNo.1 MOTUL AUTECH GT-R、4番手にNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也選手)、5番手にはNo.24 D’station ADVAN GT-Rというフォーメーションになった。
しかしこの体制も永くは続かず、38周目のダンロップコーナーで、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rが、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fをパスして2位に浮上。
53週目には、No.24 D’station ADVAN GT-Rが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTと、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをかわして4位に。
さらにNo.24は、No.36 PETRONAS TOM’S RC Fをパスして3位に浮上。この勢いはその後も衰えず、60周目にNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを抜き、この流れで、62周目のストレートでNo.38 ZENT CERUMO RC Fをもパスして遂にトップに浮上した。
この間、最後方では最悪のスタートポジションだったNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)が300kmのロングディスタンスの走りの中で、気迫の追い上げを演じ、最終ラップのダンロップコーナーで、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rを攻略して、何と3位表彰台を獲得していた。
結果、No.24 D’station ADVAN GT-Rの「KONDO RACING」は、2010年の開幕戦鈴鹿以来の優勝を獲得。逆転劇の立役者となった佐々木選手は初優勝の栄冠に輝いた。なおスタートドライバーを務めたクルム選手は、2004年以来の通算6勝目となった。
ちなみにシリーズランキングでは、今回最後尾からの追い上げで3位に食い込んだNo.12 安田選手/デ・オリベイラ選手組がランキングトップに。
今回4位となったNo.1 松田選手/クインタレッリ選手組が同2位。No.37 アンドレア・カルダレッリ選手/平川亮選手組は、これまで守ってきたトップから陥落して3番手となった。
優勝コメント
No.24 D’station ADVAN GT-R
「みんなの努力が実り、この結果に結びついた」
佐々木 大樹
コンディションとしてはかなり暑い状況の中、(ミハエル)クルム選手がそれをこらえて、がんばってくれました。
2位とのギャップもどんどん詰めて行ってくれたので、僕に代わってからは勝つところまでいけるかどうかはわからなかったのですが、自分としての最大限のプッシュをしながら走りました。
(ピットアウト後に)5位を走っていたのはわかっていたので、まずは3位をターゲットにして無我夢中で走りました。3位に上がった段階ではもうトップともそんなに差がなかったので、決してあきらめることなく、プッシュを続けました。
僕たちも含め、チームみんなの努力が実り、このような結果に結びつけることができ、本当によかったです。クルム選手が戻ってきてくれて、僕にとってはお父さんが帰ってきたような雰囲気で、それがすごく心強かったです。
「優勝することができて、心からうれしい」
ミハエル・クルム
チームとしては2010年から勝っていなかったので、とてもうれしいですね。
僕がこの前にGTで勝ったのは2004年の十勝だったのですが、その時、ダイキ(佐々木大樹)はまだ10歳くらいですね。これには本当にびっくりしました(笑)。
また、僕はこのチームで3年目のシーズンになるのですが、今年はKONDO RACINGの気合もすごくて、レースに勝つことに対する情熱もすごいです。勝つためには運も必要だと思いますが、3年分の運を今回は使いました。とにかく優勝することができて、心からうれしいです。
今日はダイキも素晴らしいタイムでがんばって走ってくれたし、僕も歳はとった(40歳)けれど、気持ちはまだまだ若いです。次の鈴鹿1000kmはウェイトハンディの関係で(勝つのは)難しいと思うので、その後SUGOかもてぎでまた勝ちたいです。
決勝2位 No.38 ZENT CERUMO RC F
立川祐路
「みんなが最大限に頑張った結果に満足」
勝ちだけを狙っていたので2位という結果は残念なんですけど、自分たちのできることはみんながノーミスでやれたと思っています。
最後はGT-R勢のペースがすごく良くて後ろから追い上げられるという展開になったんですけど、石浦(宏明)が本当にがんばってくれました。
4位になってもおかしくない状況でしたからね。そういう意味ではみんなが最大限にがんばった結果なので、満足できるレースになりましたし、ポイントランキングでも4位に戻ってこられたと思うので、残りのレースもチャンピオンを目指してがんばっていきたいなと思います。
次のレースでは僕たちも(ウェイトハンディ50kg以上となり)燃料リストリクターが絞られると思うので楽なレースにはならないと思いますけど、最近はクルマのパフォーマンスがすごく良いし、長いレースなのできちんとポイントを獲りつつ、後半戦で勝負できるようにがんばりたいと思います。
石浦宏明
「今日は自分たちのレースをした」
あれ以上はできないです。しょうがないです。今日は自分たちのレースをしましたからね。
これがSUPER GTのおもしろさじゃないんでしょうか。僕らにとって、シリーズを考えると2位という結果はあまりよろしくないんですよね(苦笑)。(ハンディウェイト50kg以上で)燃料リストリクター(が絞られる対象)になっちゃうんです。
(第5戦鈴鹿)1000km前だけに、本当は3位が良かったんですよね〜。でもあの争い(12号車と1号車)の中に入ってゴールするわけにもいかないし…(苦笑)。実は去年、僕は燃リスのハンデを受けてないんです。
それを考えると、“燃リスで辛い”と言えるうれしさもあるかな(笑)。1000kmは長いレースなので、燃リスのハンデがあっても自分たちががんばればポイントも獲れると思うので、そういう意味では出遅れていた分がちょっと追い付けたかなとも思います。
レースですが。最後、タイヤだけが辛くなったわけではなく、いわゆるクルマとタイヤとの合わせ込みがうまくいかなかったということ。SUGOのテストで良かったものにセットをガラッと変えてしまったんです。
その状態ではまだレースディスタンスを見ていなかったこともあり、そういう意味でまだ使いこなせていないのかなとも思いました。もっともっとやらなきゃいけないことがあるってことですね。
RC F勢の中ではクルマも速いと思うし、チームもミスなくがんばってくれているので、今日はとりあえず表彰台に立ててホッとはしています。あぁ、でも勝ちたかったなぁ…。
決勝3位 No.12 カルソニックIMPUL GT-R
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「トラブルに遭遇しないことを心がけた」
ただ自分ができること、ベストを尽くしただけだよ。走行中にタイヤのピックアップ(タイヤのゴムかすが付着する)が酷くて、タイヤマネージメントが本当に難しい状態でした。
とにかく僕が思っていたのは、トラブルを避けてレースを続けることだった。走行中の接触も多かったし、大変なレースだった。特に今回は、トラブルに遭遇しないことを心がけた。これがいい結果への早道だったと言えます。
選手権のタイトルを考えると、やっぱりシーズン前半でしっかり結果を狙っていくことが大事だと思った。今回の結果によって、ある意味正直タフな状況になってしまった。つまり次の鈴鹿は本当にとんでもなく厳しい条件での戦いになる。
ウェイトを搭載する上に、リストリクターのハンデが課せられるから。逆に今まで結果を残せてないクルマには、大きなリストリクターのままで25点(優勝ポイント)を獲るチャンスがある。僕らにとってはタフのひと言につきるかな(苦笑)。
安田裕信
「我慢のレースだったけど、JPががんばってくれた」
1周目のダンロップコーナーを集団で通過して、その次の13コーナーで1号車と並んだ時にコース外にはみ出してほぼ最後尾まで落ちてしまったんですけど、その後はストレートの速いクルマとのバトルで我慢のレースになってしまいました。
コーナーで抜くんですけど、ストレートで抜き返されるという展開でしたね。後半はアクシデントとかタイヤのドロップがあったりしましたけど、その中で最後にJP(デ・オリベイラ)ががんばってくれて、素晴らしいオーバーテイクを見せてくれました。
3位になれたのはシリーズを考えると良かったと思っています。これでランキングトップになれたので首位を守っていきたいですね。次の鈴鹿はさらに重くなるのでまた予選から厳しくなると思いますけど、今回のようなレースをしてポイントを重ねていきたいと思います。
その他の記事(新車関連)
08/01・三菱自、タイで新パジェロスポーツ世界初披露
07/31・ホンダ、ステップ ワゴンと同スパーダに車いす仕様車
07/31・AUDI A6AVANT/ALLROAD QUATTRO、S6/RS6AVANT
07/30・ジャガーF-PACE、極限環境下で走行テストを敢行
07/29・スズキ、ミャンマーで「エルティガ」生産・販売開始
07/28・フェラーリ 488 スパイダー概要公開
07/28・VGJ、POLO, GOLF, GOLF VARIANT, TIGUAN刷新
07/25・モーガン、65周年記念AR PLUS450台限定
07/24・ホンダ、CRF1000L AFRICA TWINの技術概要発表
07/23・ボルボV40・60、「D4」と1.5直4「T3」投入刷新
07/23・ボルボ、新ディーゼルを主力5車種に一挙投入
07/23・LEXUS、2.0L直噴ターボ搭載のIS200Tを追加
07/23・インフィニティ、Q30をフランクフルト初公開へ
07/23・FCA、FIAT500 SUPER POP TOPO限定300台
07/21・日産、フェアレディZを一部仕様変更・質感UP
07/21・MBJ、C 450 AMG 4MATIC発表
07/21・VGJ、4WDワゴンGOLF ALLTRACK新発売
07/19・新EV、BLUESUMMERいよいよ仏国内販売へ
07/17・光岡、5ドアハッチバックVIEWTなでしこ発売
07/17・ホンダ、N-ONEの装備充実・低全高モデル追加
その他の記事(モータースポーツ関連)
07/31・ポルシェカップにSローブとPデンプシー参戦
07/30・SuperGT第4戦・富士、同一メーカー3連勝を巡る攻防
07/28・スパ24時間、BMWに栄冠。GTアカデミー組入賞
07/27・全日本ラリー第5戦、新井3勝、プジョーはリタイア
07/26・鈴鹿8耐、ヤマハ1996年以来19年ぶりの制覇
07/25・鈴鹿8耐公式予選、TEAMGREEN首位で25日へ
07/22・スパ24時間、日産の布陣は国際的なラインナップに
07/21・ポルシェ TEAM KTR、第5戦から坂本祐也選手を起用
07/21・全日本選手権SF第3戦、J.P.デ・オリベイラ圧勝
07/18・富士2時間セミ耐久に、NEXCO東日本が参戦
その他の記事(イベント関連)
07/31・アイシン、未来型モビリティを名古屋初展示8/16迄
07/31・キャデラック、NY2016春秋コレクションをサポート
07/30・第3回くるまマイスター検定、7/30より申込受付
07/27・NEXCO中日本、ハイウェイ・モーターショー 8/6〜
07/26・自由研究で「SFを科学する」夏休み実験教室開催
07/26・CLUB NISMO会員限定、RクインタレッリMTG開催
07/24・バイクの日スマイル・オン2015、8/19秋葉原
07/24・キャンピングカー展示会、川崎競馬場9/26・27開催
07/23・JAF島根、航空自衛隊のレーダー基地訪問8/8
07/21・トヨタウェルキャブ・シエンタ体感フェア東京・仙台
その他の記事(技術関連)
07/30・横浜ゴム、液晶画面のブルーライト減衰フィルム開発
07/29・横浜ゴムと東京工大、生物資源からタイヤ原料合成
07/26・HERE社、米・仏・独・日で自動運転用地図提供へ
07/25・工学院大、ソーラーカーレースの新車両初披露
07/23・東京工大、低価格FCVの可能性を拓く技術開発
07/23・フレクトとコネクシオ、情報技術の開発環境提供
07/23・NTTドコモ、世界主要ベンダーと5G実験拡大
07/17・大塚化学、ブレーキ材料製造。世界3拠点体制へ
07/16・アウディE-GASプラント、独電力網安定に貢献
07/16・アウディ、米で自動運転車のサーキット試乗会実施
その他の記事(企業・経済)
07/31・鳥取大とホンダ、外部給電インバータの実証実験
07/30・ポルシェ、販売で2015年上半期の新記録を樹立
07/30・いすゞ、ウズベキスタンSAF社の株式取得
07/29・ブリヂストン、FIRESTONE「FR10」無償交換実施
07/28・日野、フィリピンの製造・販売会社を子会社化
07/28・横浜ゴム、インドネシア国際オートショー2015出展
07/27・三菱自動車、米MMNAの車両生産を岡崎工場に集約
07/25・FCA、遠隔操作防止のため米で140万台リコール
07/25・ボルグワーナー、VWに2ステージターボ提供へ
07/24・東洋ゴム、「AUDI Q7」へ新車装着用タイヤ供給
その他の記事(話題)
07/30・EV・PHEV充電検索「EVSMART 」表示機能追加
08/02・ヤフー、高速渋滞・規制情報をリアルタイム提供
08/02・トヨタVOXY企画、夫に言って欲しいひと事300人調査
07/31・国土交通省、土地の浸水リスクが判るWebサービス
07/30・調査20~30代女性2人に1人がバイクを運転してみたい
07/30・TOM’S、リバース時の急発進防止装置発売
07/29・三菱軽商用EV、急速充電機標準装備で価格ダウン
07/28・VGJ、E-GOLF(イーゴルフ)の日本販売延期
07/27・雁坂トンネル通行料が期間限定で無料公開〜11/30
07/26・調査、迷子になる駐車場1位はショッピングセンター
MOTOR CARSサイトTOPに戻る