ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市、社長:柳弘之、以下、ヤマハ)のファクトリーチームで、スペインの大手通信事業者テレフォニカ・デ・エスパーニャの独自ブランドを冠する「モビスター・ヤマハ・MotoGP」。
同チームは1月18日(欧州中央時間)、スペイン・バルセロナのモビスター本社で2016年型MotoGPマシン「YZR-M1」の発表会を行った。
発表会場の壇上には、2015年のMotoGP王者、ホルヘ・ロレンソ選手と、惜しくも総合2位となったバレンティーノ・ロッシ選手が登場した。
前年の2015年シリーズは、ホルヘ・ロレンソ選手とバレンティーノ・ロッシ選手のバトルで、ほぼ終始したMotoGPクラス。
なんと18連戦のなかで、ヤマハ陣営が11勝を挙げる圧倒的な強さを発揮して1・2位タイトルを独占。結果、ホルヘ・ロレンソ選手が通算3度目の世界タイトルを獲得している。
そうしたシーズンを終え、改めて今シーズンを迎える抱負としてホルヘ・ロレンソ選手は、「今シーズンからミシュランタイヤのスイッチになるけれど、過去にミシュランを履いた経験があるから、その感覚をレーストラックで早く取り戻したい。
マシンの電子制御システムがより扱い易くなって、フロントタイヤの感触で好みの感覚が掴めれば、昨年同様、充分勝ちを狙えると思う」と云う。
一方、2009年以来のタイトル奪回を目指すバレンティーノ・ロッシ選手は、「過去の知見から診て、ミシュランとブリヂストンはマシンセッティングの方向性が大きく異なるだろう。
昨シーズン、僕らのマシンはブリヂストンに適したバランスにあったから、改めて最適のバランスに見い出すには、ミシュラン側の努力は勿論だが、僕らの冬の間の走り込みが鍵になると思う」と語った。
一方、チームを束ねる立場にあるモビスター・ヤマハのマネージングディレクター、リン・ジャーヴィス氏は、「今シーズンは、レギュレーション改訂やタイヤサプライヤーに化関する課題など、大きな変化がやってきます。
でも、それは我々だけが抱える問題ではなく、他のチームも条件は同じ。色々な波乱もあるかもしれません。
だけど我々は昨シーズンと同様、地道なレースマネジメントをコツコツとやっていくだけ。しかし、今年度末には、きっと6度目の3冠を達成しているでしょう。
と云うのは、我々チームには大きな強みが幾つかあるからです。そのひとつは、史上最強のふたりのエースライダーを配していながら、ガレージに壁を設ける必要がないことです。
個々のライダーは、持てる条件のなかでこれ以上ないほど最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
しかし最終的にはチーム全員が一丸となって働くチーム風土がある。それは我々の大きな強みになります。
仮にふたりのエースライダーを抱えているからと、チームを二分してしまえばチーム全体で、すべてがマイナス方向に働くでしょう。
むしろ互いのライダーが切磋琢磨して、ふたりがチャンピオン争いのライバル同士となれば、結果、ヤマハが常に上位グループを占拠することを意味します。
つまり我々の最終目標は、チーム全員が競い・高め合って、他チームに競り勝つことにあるのです」とコメントした。