ボルボトラックス、大手食料小売と輸送時のCO2低減に取り組む


ボルボトラックス(瑞典)は11月4日(欧州中央時間)、自国内有数の食料品小売ICA(イーカ)スウェーデンと協力。輸送時のCO2削減での取り組みを公表した。(坂上 賢治)

ちなみにICAスウェーデンは1938年創業。同国内東部・ストックホルム県ソルナに本部を置く北欧最大手の小売グループ(ナスダック・ストックホルム上場企業)である。

そんな同社は、主にバルト三国で事業を行っており、2015年からは保険事業にも進出。本業の小売事業ではスウェーデン国内に約1300の店舗を張り巡らし、約36%の国内シェアを有している。

またこのICAスウェーデンは、独立した小売業者間の連携によるいわゆるエコシステムによって成り立ち運営されており、それゆえに日用品を取り扱うコンビニエンス型店舗や、居住区や職場近くの中規模スーパーマーケット形態など地域需要に合わせて店舗コンセプトや供給商品のオファーを調整することができるという弾力性のある事業形態であることが大きな特徴だ。

現在、ICAスウェーデンとボルボトラックスの両社は現在、都市間に於ける重量物輸送から発生する二酸化炭素排出量を削減させていくためにバイオガスで走るボルボトラックを使用中だ。

ここまでに至る経緯で最初のステップになったのは、両社が協力して輸送区間の詳細と積み卸しフローを分析。この分析データを基に電気自動車で輸送可能なルートを見つけ出す事から始まった。

ICAスウェーデンのCEOであるアンダース・スベンソン氏は、「私たちは商品輸送の環境への影響を減らすという重要な責任を負っています。

そうしたなかボルボトラックスとの協力により、輸送時のCO2排出量を削減していくペースを着実に上げていくことができています。これはICAの持続可能性ポリシーに完全に一致しています。

私たちの協力は、市内中心部の輸送パートだけでなく、都市間のより長いルートに於いても幅広く国内の道路輸送の範囲をフルカバーしています。

ICAスウェーデンとボルボトラックスは、既存の技術を活用しつつ、新しい技術も共同で取り組んでいくことにより、今はEVによる輸送ソリューションの基盤を築くために協力し合っています」と話す。

一方、ボルボトラックスのロジャーアルム社長は、「我々は、綿密な協力体制を背景に、効率的かつ炭素エネルギーを消費しない輸送ソリューションの導入を目指しています。またこの取り組みを今後はよりスピードアップしていくつもりです。

今後も両社の協力により、EVトラックが大規模な輸送フローを経て、都市内の小口輸送に至る全域に於いて二酸化炭素排出量を迅速かつ、確実に削減する方法について取り組んでいきます。

そんな両社が掲げる目標は、遅くとも2030年までに完全にCO2フリーの道路輸送システムを持つことにあります。

そもそもボルボトラックスは2019年以来、都市内の店舗配送を目的にピュアEVトラックを製造・販売し、実用に供してきました。我々はビジネス分野で環境負荷削減に取り組んできた豊富な経験があります。

未来に向けた両社の取り組みは、これからも長期的に、他の事業・業態・分野に拡大していき、北欧に於ける商品輸送の世界に対して積極的に貢献していくことができると信じています」と結んでいる。