ボルボ、環境貢献で「欧州プラスチック・リサイクリング賞」獲得


ボルボ・カーズ(本社:ヴェストラ・イェータランド県・イエテボリ、CEO:ホーカン·サミュエルソン)のサステナビリティ(持続可能性)に対する意欲的な姿勢が認められ、リサイクル・プラスチックを多用した特別仕様のXC60 T8 Twin Engine PHEVに今年の「欧州プラスチック・リサイクリング賞(Plastics Recycling Awards Europe)」が贈られた。

ボルボ・カーズは昨年、リサイクル・プラスチックの使用に関する野心的な目標の実現可能性を実証するため、特別仕様のXC60 T8 Twin Engine PHEV を発表した。そして同車は4月11日に行われたオランダ・アムステルダムでの特別式典で最初に授与される「自動車、電化製品の年間最優秀賞」を受賞した。

このモデルは見た目には既存の一般モデルと同じに見えるが、プラスチック製部品の多くがリサイクル材料を使った部品に置き換えられている。

この車両は「2025年までに新たに発売されるボルボの新型車に使用するプラスチックの最低25%をリサイクル素材にする」というボルボ・カーズの野心的な目標の象徴となっているものだ。

これはすべての高級自動車メーカーの中で、リサイクル・プラスチックの使用に関する最も進歩的な表明であり、環境への影響を削減することに対するボルボ・カーズのコミットメントと、ボルボの自動車開発に対するより循環的なアプローチを強調した。

例えばインテリアでは、センターコンソールに再生可能な繊維や廃棄された漁網、船舶用ロープから再生されたプラスチックを使用している。

フロアカーペットには、ペットボトルから再生された繊維や、衣料製造から出る端切れを再利用したリサイクル・コットン・ミックスを使用。

シートにも、プラスチックボトルから再生したPET繊維を使用しており、ボンネット下の吸音材には、古いボルボ車のシートを再加工したものを使用した。

同社の調達担当上級副社長のマルティナ・ブーフハウザー氏は「自動車産業における産業廃棄物を最小限に抑えることに真剣に取り組むならば、私達は材料の使用や再利用に関してさらに効率的であるべきです。

ボルボ・カーズはこうした変化の一翼を担うことを確約しており、ボルボが生産する車両で再生プラスチックの使用量を増やすことは、その約束を果たすための重要な要素となります」と話す。

このXC60は、次世代部品の開発をできる限り持続可能なものにすべく、自動車メーカーとより協力関係を強めるというボルボ・カーズからサプライヤーに対する呼びかけも意味している。

既にボルボのサプライヤーからは多くの肯定的な意見を得ており、その他残りのサプライヤーもこの野心的な目標を理解してくれるのであれば、リサイクル・プラスチックの入手可能性を高めるとしている。

ボルボ・カーズは、2025年までに気候のバランスを崩さないクライメートニュートラルな製造業となることも目指している。2018年には、スウェーデンのシェブデにあるボルボのエンジン工場が、世界規模の製造ネットワークで最初のクライメートニュートラルな施設となった。

また昨年、ゲント工場にソーラーパネルを設置したことも公表した。さらに先月、ボルボはスウェーデン・トースランダ工場の塗装施設を刷新する計画を発表。これにより塗装施設のエネルギー消費量と排出ガス量の3割削減が視野に入っている。