IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦の決勝が4月14日( 日曜日 )のグランプリ・オブ・ロングビーチで行われ、アストンマーティン製ハイパーカー「ヴァルキリー( Valkyrie )」が、予選・本戦の両方で自己最高フィニッシュを決めた。
2月のカタールでデビューしたヴァルキリーは、先のモービル1セブリング12時間で9位(ル・マン・ハイパーカー・レギュレーションに準拠した公道仕様ベースのレーシングカーでIMSA史上初のポイントを獲得)を獲得。
更に今回は、アストンマーティンTHORチームのロス・ガン選手(英国/ロングビーチIMSA GTD Proクラス優勝経験者)と、ロマン・デ・アンジェリス選手(カナダ/IMSA GTDチャンピオン)のドライブで、ヴァルキリーとして3度目、IMSAのGTP部門では2度目の参戦で、予選トップ10内で0.1秒差のタイムを記録。決勝では、安定感のある走りで8位フィニッシュを決めた。
それはIMSAに出場する最初のLMHであると同時に、IMSAとFIA世界耐久選手権(WEC)の両方に出場する唯一のLMHでもある。
そんなレーシング・ヴァルキリーは、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとTHORの手で開発され、カーボンファイバー製のシャシーに6.5リッターV12エンジンを改良して搭載。標準仕様では最高回転数11,000rpm、最大出力1,000bhp超なのだが、LMH仕様に沿って500kW(680bhp)の出力制限を守っている。
ロス・ガン選手は、「ロングビーチでの8位フィニッシュは最高に嬉しい結果です。金曜日は克服しなければならない課題も出てきて、とても難しい一日でしたが、そうした流れは車両開発プログラムの初期段階では、よくあることです。
むしろ全員が課題究明と解決を目指して素晴らしい仕事をしました。特に良かったのは、週末を通してどんどん改善できたことです。前回のセブリングより良い結果を出し、新たなチャレンジを克服することができました。ヴァルキリーで多く課題を解決できたことについて、心から嬉しく思います」と語った。
またロマン・デ・アンジェリス選手は、「難しいレースでしたが、クリーンな状態を維持することができました。
プラクティスで少々問題が出て週末はトリッキーな滑り出しとなり、自分としてはレース前に10周しか走行できなかったのですが、車両が破損することなく、クリーンなレースができて嬉しく思っています。次回のラグナ・セカでは、よりエキサイティングなことが起きることを心待ちにしたいと思います」と話した。
更にアストンマーティンTHORチーム代表のイアン・ジェームズ氏は、「我々のチームには素晴らしい戦略があったので、とても好調な週末を過ごしました。ただレース終盤では、他車と接戦状態ではありました。
それでも他のマニュファクチャラーと互角に競い合えたことを誇らしく思います。週末毎に学ぶことが沢山ありますが前進あるのみです。次回のラグナ・セカでは更に良い感触を得られることでしょう」と述べた。
最後にアストンマーティン耐久モータースポーツ責任者を務めるアダム・カーター氏は、「ロングビーチでのヴァルキリーは、複雑な課題に立ち向かうことになりました。
というのはIMSA初参戦となったセブリングや、国際レースへのデビューを果たしたFIA・WECのカタールとはまったく異なる市街地コースが含まれた戦いに挑むことになったためです。
にもかかわらずアストンマーティンTHORチームは、ステップバイステップの自己ベストを成し遂げました。今後もヴァルキリーが新たなステージに挑戦する毎に前進を続けていくことになります。よりより高いを求めていく我々の挑戦は、ヴァルキリーが持てる潜在能力を発揮していく毎に、より高まっていくことになるでしょう」と結んだ。