ポルトガルのカエタノ・バス社が燃料電池(FCV)バスを開発し、2019年秋に欧州で走行実証試験を開始
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男)とトヨタの欧州事業を統括するToyota Motor Europe(以下、TME)は0月26日、水素利用の拡大でポルトガルでバスを製造・販売するカエタノ・バス社(CaetanoBus SA)に燃料電池(Fuel Cell : 以下、FC)システムを供給する。
https://youtu.be/2Rhh4dWMoBo
カエタノ・バス社は、2019年秋を目指して、FCスタックや高圧水素タンクなどを含むFCシステムを搭載した路線バスを開発・製造し、欧州で走行実証試験を開始する予定。
この取り組みについてTMEのヨハン・ファンゼイル社長は「カエタノ・バス社へのFCシステムの提供は、低炭素社会の実現を目指すなか、水素の優れた環境性能はもとより水素の実用的な利活用に着目頂いたものです。
FCバスは他のゼロ・エミッション バスと比べて、航続距離が長く、充填時間が短いのが特徴です。この要素を踏まえ長距離、そして利用頻度が高い路線バスでの運用に適しているとし、長年のパートナーであるカエタノグループが、初めてのFCバスを欧州で走らせることを我々は心待ちにしています」と話す。
一方、カエタノ・バス社の親会社であるサルバドール・カエタノ社(以下、カエタノ社)のホセ・ラモス(Jose Ramos)社長は「水素がゼロ・エミッション実現に向けた本命だと信じており、欧州で初めてトヨタの優れたFC技術を享受することを誇りに思います。
この取り組みは、当社の世界トップクラスのバス開発・製造技術を確かなものとするよい機会だと考えています」と語っている。
ちなみにカエタノ・バス社は、カエタノ社の商用車の開発・製造子会社として1946年より生産を開始し、近年は電気バスを開発、欧州各国に販売している。
またカエタノ社とトヨタは、1968年に商用車の欧州への供給拠点として「トヨタ・カエタノ・ポルトガル」を設立。長年にわたり信頼関係を育んできた。これを踏まえバス開発・製造の実績をベースに今回、FCバスの分野で協力することになった。
トヨタでは、「水素の持続的利用に向けて、乗用車に加え、大型トラック、小型トラック、フォークリフトやバスなどへのFC技術の幅広い応用も含めて技術開発・商品展開を推進しています。今後も、低炭素社会の実現に貢献するため、さらなる取り組みを進めてまいります」と結んでいる。