ルノー・日産アライアンス、ジェンダーダイバーシティを加速


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ルノー S.A.S.(本社:仏・ブローニュ=ビヤンクール、CEO:カルロス ゴーン、以下、ルノー)と、日産日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン、以下、日産)のアライアンスは10月13日、企業内に於けるジェンダーギャップの縮小を目指し、引き続き前進していくと発表した。

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今年、ルノーおよび日産両社における女性従業員比率は、前年より増加し、特に管理職における女性従業員の割合が増加した。

ルノーはグローバルにおける重要職務の22%が女性

アライアンスの筆頭に挙げたルノー、同社の最新データによると、グローバル環境での女性従業員の割合が18.4%を占め、2000年の10%、2013年の17.6%から増加傾向にある。

また。同社のグローバル環境下で、2000近くに及ぶ重要な職務に関しても女性の職務割合が22.2%となり、2013年の19.6%から、着実に増加している。

加えてルノーは、女性の上級役員の割合においても業界トップレベルにある。具体的には、エグゼクティブコミッティメンバー11名のうち2名が女性だ。

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例えばムナ・セペリ氏は、ルノーCEOオフィス上級副社長を務め、マリー=フランソワーズ・ダムザン氏は、人事担当上級副社長を務めている。ダムザン氏はまた、ルノー・日産ア ライアンス人事担当取締役も兼任している。

日産の女性管理職比率は日本の製造業平均の3倍以上

これらを踏まえルノーは、今後2016年までにグローバルにおける女性従業員比率を、開発・技術分野で30%に、販売分野においては50%に引き上げることを目指すと共に、グローバルで重要な職務に就く女性の割合を、25%まで引き上げることを目標としている。

一方の日産では、2014年度のグローバル全体の管理職の11.7%を女性が占め、2013年度の10.6%から着実に増加している。なお日本においては、管理職の8.2%を女性が占めており、前年度の7.1%から増加。2004年度から5倍以上の増加率となった。

日産は、日本の大手製造業平均の3倍以上となる女性管理職比率を維持し、国内市場における自動車業界のベンチマークとしての地位を維持し続けている。日産は2017年4月までに、女性管理職の割合を日本で10%、グローバル全体で14%に引き上げることを目標としている。

グローバルにおける男女格差縮小への新たな取り組み

そうしたなか、ルノーと日産は、2014年、それぞれ女性の採用、雇用、昇級に焦点を当てた新たな取り組みを開始した。

まずルノーは、国連が掲げる「女性のエンパワーメント原則」の支持声明書に署名し、特に今後、長期的な成長の要となる中南米地域に於ける男女平等の推進を表明した初の自動車メーカーとなった。

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この国連が目標に掲げる「女性のエンパワーメント原則」は、女性の人権を確保し、あらゆる産業分野の経済活動および企業の序列において、女性の更なる参加を促すものだ。

これを受けてルノーは先の宣言地域に止まらず、アルジェリアのオラン工場で、女性採用プログラムを開始。350名の新規雇用の内40%が女性とした。これにより、ルノーのオラン工場は、男女平等を推進する業界トップの工場の一つとなっている。

女性向けメンタリングプログラムを積極導入する日産

さらにルノーは、女性従業員向けの社内支援・キャリアネットワーク「Women@Renault」を拡大。現在、主要市場(アルジェリア、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、フランス、インド、韓国、モロッコ、ルーマニア、ロシア、スペイン、トルコ)から4,500名以上もの女性従業員によるネットワークが構築されている。

ちなみにこの「Women@Renault」は2014年、スペイン政府より評価され、同政府より「Label of Equality」を授与されている。

対して日産は、日本における女性管理職候補向けのメンタリングプログラムを導入している。同プログラムは、部長層が、リーダーシップ、戦略、昇進における課題へのサポートを行うものだ。

併せて日産は、若手女性エンジニア向けワークショップを開始。同ワークショップは年に2回開催され、子供を持つ前にどのようにキャリアを築いていくか、アドバイスも行っている。

販売体制に於ける女性職域の拡大にも積極姿勢

また日産は、店舗の運営や従業員に女性を多く採用した「レディファースト認定店」を国内で拡大している。東京郊外の府中にオープンした認定店は、スタイリッシュなデザインの店内に、授乳室や広々としたキッズスペースを完備している。

こうした「レディファースト認定店」は、2015年の夏に日本国内で151店舗まで拡大。さらに、2016年末までに300店舗まで増やす予定だ。

また、海外市場での展開も検討。日産は同プロジェクトから得た経験を、その他の分野で応用することを検討していくとしている。

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日産は販売事業に於ける女性販売員の割合も増やしている。2015年半ばには、日本国内の販売員の8.5%を女性が占め、2014年末の7%から増加した。日産は2018年までに女性販売員比率を10%に引き上げることを目指している。

「女性のためのフォーラム」でのメンタリングセッション

ルノーと日産は、毎年、女性が課題や障壁を克服し、経済におけるキャリア機会を捉えることを後押しするための国際会議、「女性のための経済・社会フォーラム」開催に先立ち、男女間格差とダイバーシティに関する最新状況を開示している。

今年のフォーラムは、10月14日から16日まで、フランスのドーヴィルで開催される。2006年からルノー・日産アライアンスが支援を行う同年次会議は、産業、学術、政治、社会における女性活躍の場の均等化を目指している。

今年はルノー・日産アライアンスからグローバルで活躍する50名の女性従業員がフォーラムに参加。アライアンスは、社内代表者全員を対象にした特別なメンタリングセッションを開催する。また、今年のイベントには、ルノー・日産アライアンスから3名のスピーカーが登壇する予定だ。

ルノー・ダイバーシティ・イニシアティブの詳細:
tttp://www.renault.com/en/groupe/developpement-durable/responsabilite-sociale-de-l-entreprise/pages/diversite.asp

日産・ダイバーシティ・イニシアティブの詳細はこちら:
http://www.nissan-global.com/EN/COMPANY/DIVERSITY