ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)と、ポルシェ カレラカップ ジャパン (PCCJ) 委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2016 第2戦の決勝レースを、岡山国際サーキット(岡山県)にて、2016年4月10日(日)に開催した。
スーパーGT開幕戦との併催となった今大会には、年間エントリー19台のうち18台が出走した。
マシンがType991になり3シーズン目を迎えた今年、PCCJ初参戦のドライバー7人が新規参加。GT3 カップチャレンジから順当にステップアップしたドライバーの他にも、FIA F4やスーパーGT、GT300クラスから移行したドライバーなど、フレッシュな顔ぶれが加わった。
なお緒戦の舞台である岡山国際サーキット(岡山県)は、全長3.703kmとコンパクトでテクニカルなコーナーが続く、ちょっとしたミスがラップタイムに大きく響く難コースである。
公式予選
公式予選は決勝前日の土曜日に行われた。天候は晴れ、路面ドライコンディション下で、路面温度がどんどん上がっていく中で争われ、岡山国際の経験が豊富とはいえないドライバーも序盤から積極的に攻めていく。
フレッシュタイヤで臨む最初の15分間では、2015年PCCJシリーズランキング2位を獲得した#78の近藤翼がひとり1分32秒台のラップタイムを叩きだし、レース・ウイークエンド直前の金曜日に初めてカレラカップカーのステアリングを握ったという#14 三笠 雄一が2番手、その後ろに2015年GT300で活躍した#36坂本祐也とが経験豊富なオーバーオールドライバーが全体をリードする展開で進んだ。
しかし2セット目のニュータイヤを投入した後からリーダーボードの光景は少しずつ変わっていく。
GT300出身とはいえ、今回の新車にほとんど乗ったことがなかった坂本が、路面温度がどんどん上がる状況下でラップタイムを削り取り、ベストラップで近藤の0.37秒差まで詰め寄るだけでなく、セカンドベストタイムも三笠を上回ることに成功した。
対してPCCJに初めて参戦する三笠は、その直後ベストラップを更新したものの0.9秒及ばす、3番手グリッドから土曜日の2016年ラウンド1決勝に臨むことになった。
4番手は、2年前からオーバーオールクラスに昇格してから着実に育成ドライバー達との差を詰めている#9武井真司、5番手以降は、#32永井秀貴、#2田島 剛、#99佐野新世と続いた。
決勝第1ラウンド
同日午後に行われた第1ラウンドでは、ポールポジションから#78の近藤翼がホールショットを決める。
やや出遅れた2番手の#36坂本佑也に対して、第1セクターだけで1秒以上の差をつけた。
一方の坂本は、#14三笠雄一に一瞬並びかけられたが、これらもアトウッドカーブまでには隊列を組み直し、序盤はそれに#14武井真司を加えたトップグループが形成された。
ジェントルマンクラスでは、ポールポジションの#7星野 敏が一瞬出遅れた隙に#32永井秀貴、#2田島 剛が先行、この3台でも激しい争いが繰り広げされることを予感させるオープニングラップとなった。
レース序盤は、近藤、坂本、三笠のトップ集団が適当な間隔を取りながらペースアップを図っていき、3人がそれぞれレース中ベストタイムを更新していくが、その集団に#9武井が忍び寄る。
1分34秒415という近藤や坂本を上回るハイペースを4ラップ目にマークしてからも三笠追撃の手綱を緩めることはなく、タイヤのパフォーマンスが下がってきたレース中盤には、テクニカルセクションで三笠とテールツーノーズ状態に。
一方のジェントルマンクラスでは、スタート時の混乱で形成された田島、永井、星野の3台が接近戦を繰り広げ、田島が永井攻略に成功。その後もこの3台はレース終盤までミスを犯すことのできない緊迫した攻防戦が続く。
しかし完全なドライコンディションの上、22度を超す気温でレース後半はタイヤのピーク性能を使いきってしまったドライバーと、温存したドライバーの差が見え始め、これに抗うドライバーとそれを攻略しようとするドライバーの駆け引きにより、ほぼ膠着状態のままフィニッシュを迎えることになった。
結果、#78近藤翼がトップポジションでチェッカーを潜る。2位に#36坂本祐也、3位#14三笠雄一、以降、#9武井真司、#2田島剛、#7星野敏が続いた。
決勝第2ラウンド
明けて4月10日(日)午前、決勝の天候は曇り。ドライ路面の中で第2ラウンド決勝が行なわれた。
舞台はSUPER GTの決勝日と重なることから、ほぼ満席状態のグランドスタンドの前に18台のエントリー車両すべてが整列し、1周のフォーメーションラップの後、2016年最初のスタートを切る。
昨日の公式予選で記録したセカンドベストタイムに応じて決定されるスターティンググリッドは、ポールポジションが#78近藤 翼、続いて#36坂本祐也、#14三笠雄一、#9武井真司という土曜日の第1ラウンドと同じもの。
ジェントルマンクラスも#7星野 敏、#32永井秀貴、#2田島 剛、#6米倉正憲のオーダーでレッドシグナル点灯を待った。
ポールポジションから今回もスムーズなスタートを決めたのが#78の近藤。
これに「スタート自体はうまくいかなかった」と云うものの2番手の#36坂本は、早いうちから3番手#14三笠との間に充分なマージンを作ることに成功し、近藤追撃態勢を整えた。
1-2位のギャップは、時には1秒以上離れることもあったものの、ラップによってはテールツゥノーズまで追い上げることもあり、息を飲む攻防となった。
ジェントルマンクラスでは、#7星野が序盤のうちに#32永井を安定して引き離しながらオーバーオールクラスを追いかけることに。
レース序盤には、#66ブライアン リーと#51ポール イップが第一コーナーで接触して2台ともコースアウトを喫する等、多少の波乱はあったものの、中盤以降、レース展開そのものに大きな波乱は起きずに近藤が2連勝。ジェントルマンクラスでは、星野が首位を獲得した。
ポルシェ カレラカップ ジャパン2016第2ラウンド 第3-4戦は5月3~4日、富士スピードウェイで行われる。
Pos. /Car# /Driver (Class)/ Car Name Time
1/78/近藤翼O/スカイレーシング_23’41.990
2/36/坂本祐也O/ミツワオートGT3カップ/+ 1.086(トップとの差)
3/14/三笠雄一O/ガーミンポルシェ/8.061
4/9/武井真司O/BINGO RACING/16.721
5/7/星野敏G/D’station 991/21.974
6/2/田島剛G/タジマレーシング/22.531
7/6/米倉正憲G/G Racing/28.848
8/25/内山清士 G/エヌケーレーシング/34.383
9/24/剛覇矢人 G/みきゃん スペンダー GT3/34.936
10/77/浜崎大G/GRacingVentiler/36.948
11/32/永井秀貴 G/ナインレーシング /43.184
12/47/TAD JUN JUN muta racing/54.237
13/66/ブライアン リーG/GTO Racing/55.289
14/51/ポール イップG/PACE/1’21.717
15/52/春山次男G/はるやまRacing TEAM/1LAP
16/10/齋藤真紀雄 G/BINGO RACING/1LAP
17/99/佐野新世G/SKAD PORSCHE/1LAP
18/98/IKARI GOTO G TOEI SPIRIT 991/ 2LAP
以上完走
*G=ジェントルマンクラス