一般社団法人 日本自動車工業会(所在地:東京都港区芝大門1丁目1−30、会長:池史彦、以下、自工会)は、2015年度を対象に実施した軽自動車使用実態調査の結果を取りまとめた。
この調査は、1981年より隔年で実施している。具体的には軽自動車の使用状況や、軽自動車ユーザーの生活意識・消費行動の実態から、軽自動車が置かれている位置づけを明らかにし、社会の要望を解き明かしていく事を目的として据えている。
なお軽自動車利用を対象とした今調査では、大きく捉えると、以下のような特徴が見られたと云う。
1.軽自動車の使用と購買実態
軽自動車の使用と購買実態については、軽乗用系、軽商用系ともに取得・利用ユーザーの高齢化が大きく進展している。
また軽乗用系、軽商用系ともに世帯年収400万円未満の層が、全体枠に於いて最も大きく、軽商用系でも拡大している。
また軽乗用系では、使用年数が長期化し、車両購入価格の上昇も見られる。
2.地域別にみた軽自動車の社会的役割
対して地域別による見方に於いて軽自動車は、交通が不便な地方部に多く普及している傾向にある。またその中身は、都市規模が小さい地域ほど毎日、車両を使用するユーザーが多くなり、かつ平均走行距離も長くなる傾向にある。
加えて地方部ほど、車両自体の使用年数が長く、また一方で昨今、車両購入価格が高くなっていることが確認できる。
3.女性の生活における軽自動車
子育て層や有職女性では、軽自動車がなかった場合の困窮度が大きくなっている。特に有職女性では、軽自動車の使用頻度が多く、走行距離も長くなる傾向にある。
4.高齢者の生活における軽自動車
運転者年代を中核とした見方をすると、年齢が高くなるほど免許の更新意向が強く、特に70代以上や地方居住者で比較的に高くなっている。また60代では「通勤」、70代では「趣味・レジャー」の用途が増加している傾向にある。
5.若者の生活における軽自動車
上記とは逆に年代を遡ると、年齢が若くなるほど、運転に対する苦手意識が強くなる傾向があるが、特に軽自動車ユーザーはそれが顕著になっている。
また20〜30代は40代以上よりも、軽自動車に対してポジティブなイメージを持っていることが判った。
6.小さい車の魅力
軽自動車は普通自動車に比べ、サイズに関する項目での満足度が高くなっている。
軽自動車はバリエーションが豊富で、自分を自由にしてくれる車であり、賢い選択と認識されている。
7.安全性能の評価
自動ブレーキを筆頭に、軽自動車への安全装備搭載の認知が拡大している。安全機能の搭載により、軽自動車の安全イメージが向上していることが伺える。
8.税制の変更による影響
軽自動車税を負担に感じる割合は年々上昇している。
軽自動車税の増税は消費税増税よりも影響が大きく、特に保有期間への影響が大きいと考えられる。
< 調査設計概要 >
全国訪問留置調査
調査対象 :軽四輪自動車を保有する世帯及び事業所
総回収数 :3,053サンプル(軽乗用車1709s、軽ボンバン406s、軽キャブバン423s、軽トラック515s)
調査時期 :2015年5月10日~6月10日
調査手法 :訪問留置調査
WEB調査
調査対象 :男女20-79歳男女個人、軽自動車及び普通乗用車を主運転車として所有されている方 等
総回収数 :1,120サンプル(軽自動車640s、普通自動車480s)
調査時期 :2015年9月25日~9月29日
調査手法 :WEB調査(インターネット調査)
インタビュー調査
調査対象 :関東一都三県在住、家庭に最近5年内に購入した軽自動車あり 等
総回収数 :13サンプル(軽自動車を積極的に選択した男性層7s、軽自動車を積極的に選択した女性層6s)
調査時期 :2015年10月17日
調査手法 :インタビュー調査(FGI)
※調査の詳細は下記URLから調査報告書を閲覧されたい。
調査年別軽自動車使用実態調査 http://www.jama.or.jp/lib/invest_analysis/s_car.html
2015年度軽自動車の使用実態調査報告書(PDF:3.68MB)
http://www.jama.or.jp/lib/invest_analysis/pdf/2015LightCars.pdf
一般社団法人 日本自動車工業会 < http://www.jama.or.jp >