日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は10月31日、同社並びに日産車体株式会社の6工場での完成検査不備の再発を防ぐべく、まずは日産自動車九州での再発防止策を講じると共に、内部及び外部の監査を受けた上で生産再開に向けた準備を完了したと発表した。
なお日産自動車では、日産自動車九州で完成検査済み車両のみを出荷するべく講じるこの再発防止策について、他の工場でも、今後数日内に順次適用させると云う。
こうした適応作業を完了させた後、国土交通省の確認を経た上で、傘下の各製造拠点に於いて車両の生産が再開される運びだ。
日産自動車では、「本件につきましては、お客様ならびに関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますこと、改めてお詫び申し上げます」と述べている。
以下は不手際が発生した問題点、並びに再発防止対策となる。
<問題となった事象>
1. 完成検査員以外の検査員が完成検査を実施していた事。
2. 届け出た完成検査工程を無届けで変更していた事。
3. これらを自ら発見できなかった事。
<想定される主な原因>
1. 完成検査に関する法令に対する会社としての理解不足と遵守意識レベルの低さ。
2. 完成検査工程とそれ以外の検査工程の混在した工程設計。
3. 監査方法の甘さ、監査体制の脆弱さ。
<再発防止策>
1. 完成検査関連法令遵守の可視化(意識常態化)と社内教育の徹底
– 完成検査が国から委託された特別な業務であることを、掲示物、エリア、帽子などで誰もが認識できるように可視化し、全員でその意識を常態化させる。さらに社内教育による同法令遵守の意識と徹底(継続的に実施)。
2. 完成検査工程を国土交通省届出の状態と完全に一致させる。
3. 完成検査工程を囲い込み、任命された完成検査員のみ配置。
– 完成検査をテスターラインに集中させ、エリアを囲み、完成検査員のみ立ち入り可能とする。
– 非完成検査工程が完成検査ライン上にある場合は、当該の非完成検査工程も完成検査員により実施。
4. 完成検査工程の維持チェック機能強化
– 各生産シフトにおいて2回、完成検査工程が正しく運営されているかどうか確認。
– 完成検査が完成検査員のみで実施されていること。
– 完成検査工程が届出した状態で保たれていること。
– 完成検査があらかじめ決められた作業手順で実施されていること。
5.工程変更管理の強化
– 完成検査工程を変更する場合は工場長承認の上、国土交通省に届出。
6. 監査機能の強化
– 以上、当面上記1~4の実施状況を週1回、外部監査により実施する。