日産自動車、2016年のグローバルモータースポーツプログラムを発表


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Nissan GT-R NISMO GT500、SUPER GT3連覇に挑む

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス・ゴーン 以下、日産)、及び、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(本社:神奈川県横浜市鶴見区 社長:宮谷正一 以下、ニスモ)は2月26日、2016 年のモータースポーツ活動概要を発表した。

※なお掲載写真の多くは昨シーズン2015年のもの。「2016年日産モータースポーツ活動計画発表会」は、2016年2月28日(日)日産グローバル本社ギャラリーにて開催される。

2015年にグローバルで9つのチャンピオンを獲得した日産は、2016年、引き続き、様々なカテゴリー/選手権に参戦すると共に、カスタマーサポートプログラムを進めていく。

対してニスモアスリート(日産系ドライバー)たちは、日本、北米、欧州、オーストラリアでレース活動を行っていく。

日産/ニスモが今シーズン活動するカテゴリーとドライバーは、以下の通り

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ドライバーの千代勝正は、ブランパン耐久チャンピオン、バサースト12時間優勝を経て、SUPER GTのGT500クラスに出場

■ SUPER GT GT500クラス
SUPER GT GT500クラスのシリーズチャンピオンを2年連続で獲得した日産/ニスモは、 3年連続チャンピオンを目指す。

4台のNissan GT-R NISMO GT500で、GT500クラスに参戦し、2年間ブランパン耐久シリーズやバサースト12時間レースなど海外で経験を積んだ千代勝正選手が、GT500クラスにデビューする。

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また、日産系チームの総監督には、田中利和氏(ニスモ常務執行役員)が就任する。

これによって総監督を退任する柿元氏は、2004年に総監督に就任以降、12年間に亘って日産系チームによるGT500クラスの12のシリーズタイトル獲得に貢献した。
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2016年は、規則により空力部品とサスペンション部品の開発が凍結となるため、2015年仕様車を基本的に継続することになる。

従って、2016年仕様車については、エンジン性能の向上を図ると共に、各チームとタイヤメーカーが、共にタイヤ性能向上を重点に開発を進めていく。

エンジンの基本仕様は継続しながら、規則変更で5%低減した燃料リストリクタに適合するようにエンジンの燃焼・吸排気に細かな変更を加えて、より高い燃焼効率と信頼性を持つ様に改良を加えた。

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Nissan GT-R NISMO GT3が、欧州、アメリカ、日本など世界各地のレースに参戦

■ GT3
ニスモが開発したNissan GT-R NISMO GT3は、昨シーズン、SUPER GT GT300クラスやブランパン耐久シリーズのプロクラスでシリーズチャンピオンを獲得。

日産/ニスモは、今シーズンも、欧州地域のGT3プログラムパートナーであるJRMと共に、Nissan GT-R NISMO GT3カスタマーへ車両供給、及び、技術支援を行っていく。

■ブランパンGTシリーズ エンデュアランスカップ/スプリントカップ
日産/ニスモは、チャンピオンを獲得したブランパンGTシリーズ エンデュアランスカップ(旧ブランパン耐久シリーズ)に加え、ブランパンGTシリーズ スプリントカップにも参戦する。

引き続きボブ・ネヴィル氏率いるNissan GT Academy Team RJNが、プロクラス、及び、プロ・アマクラスに参戦していく構え。

GT3仕様のGT-Rが、ディフェンディングチャンピオンとしてブランパンGTシリーズ エンデュアランスカップに参戦し、同スプリントカップにも出場。

ドライバーは、日産のグローバルなモータースポーツファミリーから選抜した。
プロクラスには、アレックス・バンコム選手、ルーカス・オルドネス選手に加え、日本の若手ドライバー高星明誠選手を、ニスモから派遣する。

また、プロ・アマクラスでは、2015年のGTアカデミーインターナショナル部門の勝者(マット・シモンズ選手 オーストラリア)とGTアカデミーヨーロッパ部門の勝者(ロマン・サラザン選手 フランス)が、2015年に活躍を見せたショーン・ウォーキンショー選手とチームを組む。

<エンデュアランスカップ>
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<スプリントカップ>
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■ニュルブルクリング24時間レース (ADAC Zurich 24-Hour Race – Nurburgring)
日産/ニスモは、ニュルブルクリング24時間レースに今年も参戦する。ドライバーラインナップは後日発表される。

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GTアカデミー出身のドライバー、ヤン・マーデンボローが、日本のレースに出場

・SUPER GT GT300クラス
ニスモは、「Nissan GT-R NISMO GT3」でSUPER GT GT300クラスに出場するカスタマーチームに、今シーズンも車両供給と技術支援を実施する。

また、若手育成を担う「NDDP RACING」がエントリーし、ニスモアスリートのヤン・マーデンボロー選手がチームに参加、星野一樹選手と共にシリーズを戦う。
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昨年チャンピオンを獲得したGAINER TANAX GT-Rは、チャンピオンナンバー#0をつけて参加する。

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・スーパー耐久シリーズ(ST-Xクラス)
ニスモは、スーパー耐久シリーズのST-Xクラスに「Nissan GT-R NISMO GT3」で出場するカスタマーチームに技術支援を行う。

引き続き、日産自動車大学校とKONDO Racingの共同チームが、「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」で出場する。これは授業の一環として学生たちがレース活動に取り組むという「教育とモータースポーツを結びつけた」ユニークなプロジェクトで、今年で5年目となった。
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・ピレリワールドチャレンジ
アメリカでは、北米日産がピレリワールドチャレンジに2台のNissan GT-R NISMO GT3で参戦するオールウェイズ・エヴォルヴィング・レーシング/AIMオートスポーツを支援していく。

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■ GT-R以外の各国の活動

・豪州:V8スーパーカー選手権
V8スーパーカー選手権に、リック・ケリー選手、トッド・ケリー選手、マイケル・カルーソ選手、そして新たに加わったデイル・ウッド選手が日産アルティマで参戦する。

・日本:スーパー耐久シリーズ(ST3クラス)
ニスモは、「フェアレディZ NISMO RC」でスーパー耐久シリーズのST3クラスに参戦するカスタマーチームに技術支援を行う。

・カナダ:マイクラカップ
カナダでは、昨年スタートした日産マイクラカップを今年も継続する。

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■ エンジン供給及び技術支援

・LM P2クラス/LM P3クラスへのエンジン供給及び技術支援
11回のシリーズチャンピオンと4回のル・マン24時間レース優勝の実績を持つ日産/ニスモは、LM P2(ル・マンプロトタイプ2)、及び、LM P3(ル・マンプロトタイプ3)クラスに引き続き量産エンジンベースのエンジンを供給していく。

LM P2クラスは、オレカ社、及び、ギブソン社を通じ、世界耐久選手権(WEC)、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、及び、アジアン・ル・マン・シリーズに参戦するチームにVK45エンジンの供給と技術支援を行う。

またLM P3クラスは、オレカ社を通じてヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、及び、アジアン・ル・マン・シリーズのLMP3(ル・マンプロトタイプ3)に参戦する全チームにVK50エンジンを供給し、技術支援を行う。LM P3クラスの人気拡大に伴い、グリッド上での日産の存在はさらに大きなものになると同社では想定しているようだ。

■ ドライバー育成及び支援プログラム

・全日本F3選手権
千代勝正選手と、ヤン・マーデンボロー選手が、全日本F3選手権に出場する。千代選手は2011年に全日本F3選手権Nクラスでチャンピオンを獲得、マーデンボローは欧州F3選手権、GP3での参戦経験を持ち、シングルシーターの経験をさらに重ねて行く。
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宮谷正一氏 ニスモCEOは、「昨年、Nissan GT-Rは、欧州、アメリカ、オーストラリア、日本と世界各地で次元の高いバトルを繰り広げ、素晴らしい成果を上げることが出来ました。

今年は千代がGT500に、マーデンボローがGT300に、そして高星がブランパンに挑みます。

新しい世界に挑戦する彼らに一層の飛躍を期待するとともに、さらに強いGT-Rをレースでお見せしてGT-Rのブランド向上に寄与すべく、今、我々は全力で開発やテストを進めています。

また、日産車や日産エンジンで参戦するカスタマーチームへの支援にも一層注力していきたいと考えています。

2016年も全力でモータースポーツ活動に取り組み、さらなる勝利とタイトルを目指します。新しいシーズンを前に我々は、ワクワクしています。モータースポーツを通じてファンの皆様と興奮と感動を共有したいと思います」とコメントした。