日産自動車、グローバル企業活動から排出するCO2を22.4%削減


nissan-and-exhibited-at-the-welfare-2015-in-autech-japan-and-collaboration-system20150517-1-min

最新版、「サステナビリティレポート2016」を発行

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は1日、同社のCSR (企業の社会的責任) に関する考え方や活動をまとめた年次報告書の最新版、「サステナビリティレポート2016」を発行した。

それによると日産は、グローバル企業活動から排出される二酸化炭素(CO2)を過去10年間で22.4%削減した。

日産では、CO2排出量の削減、ゼロ・エミッション車の普及、各施設での省エネルギー活動に於いて成果を挙げており、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)が発表した、主要企業の気候変動への取り組みに関する調査報告書で、最も優れた自動車企業に選ばれたと謳っている。

サステナビリティレポート2016発行にあたって、日産のCSO(チーフサステナビリティオフィサー)である川口均氏は、「当社は中期環境行動計画『ニッサン・グリーンプログラム2016(NGP2016)』の一環として、ゼロ・エミッション車や低燃費車の拡大、エネルギーや資源の多様性、効率性、リサイクルを、より一層推進していくことを目指しています。

当社の中期環境目標に向け、日産の全従業員およびパートナー企業の継続的な取り組みが、これまでの成果につながっています」とコメントした。

nissan-motor-co-22-4-reduction-of-the-co2-emissions-from-the-global-corporate-activities20160701-1

また同レポートによると、日産の企業活動による環境負荷低減に於いては、グローバルの各生産工場に於いて省エネルギー診断を行う専門チーム「NESCO (Nissan Energy Saving Collaboration)」の取り組みが大きく貢献していると云う。

加えて昨年は、新たに「資源版 NESCO」を立ち上げ、天然資源や水使用の削減に努め、2016年度に発売される新型車に占める再生材の使用率25%を目指して目下、鋭意取り組んでいる。

これら日産のサステナビリティ活動に於ける取り組みは、2002年に開始した「ニッサン・グリーンプログラム」の成功から加速を続けており、最新の「ニッサン・グリーンプログラム2016(NGP2016)」では、さらなる環境への影響低減と、資源消費削減を目指しているとしている。

なお該当のニッサン・グリーンプログラム2016に於ける、およその概要は、以下の通りである。

(1)カーボンフットプリントの最小化
2015年度の日産のグローバル企業活動に於けるCO2の排出量は、2005年度比で22.4%削減した。

(2)日産のCO2排出量削減に向けた取り組み
– 英国日産では、サンダーランド工場において、風力発電機10基に加え、19,000枚のソーラーパネルを設置することで、年間3万1千台の車両を生産するのに十分なエネルギーを賄うことを可能とした。
具体的には、これら風力発電機およびソーラーパネルから得られるエネルギーは、同工場のエネルギー総使用量の7%を占めているまでになった。

– メキシコ日産の風力と、バイオマスを含む再生可能エネルギー資源の使用量は、2013年以来、アグアスカリエンテス工場で使用されたエネルギーの50%を占めている。

-国内におけるクリーンエネルギーの使用率を8%から16%に増加させる新たな取り組みとして、日産テクニカルセンター、栃木工場、追浜工場、横浜工場、座間事業所など、大量の電力を必要とする生産工場でのエネルギー供給を改善した。

– 各施設におけるエネルギー消費および、排出ガスの削減に向けた取り組みは、ゼロ・ミッション車の開発における継続的なイノベーションと連動している。

(3)ゼロ・エミッション車の普及
日産は、世界で最も売れている電気自動車(EV)「日産リーフ」を通じて、次世代のお客さまの期待と世界中の環境に対する懸念に取り組む初の自動車メーカーのひとつである。

– 「日産リーフ」は、発売以来、世界で累計20万台以上を販売しています。日産は、消費者にアピールするゼロ・エミッション車の魅力を高めている。

– 例えば新型「日産リーフ」を購入もしくはリース契約した顧客が、指定充電ステーションを2年間無料で利用できる「No Charge to Charge 」プログラムは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ポートランドを含む米国の15都市に拡大した。

– 対して欧州では、パワーマネージメントスペシャリストであるイートン社と提携し、EVとしての利用を終えた後も、気候変動への影響を軽減することができる蓄電池の開発を行っている。

– また商業的に実現可能なエネルギー貯蔵とコントロールセンターを構築することで、使用済みリチウムイオンバッテリーの二次利用を実現した。

– 同じく欧州で2番目の規模の電力会社であるエネル社と提携し、ドライバーだけでなくエネルギー消費者が、電力の使用や貯蔵だけでなく、余った電力を電力網に戻すなど、個人用の「エネルギーハブ」として活用できる「V2G(Vehicle to Grid)」システムを開発した。

– 「日産リーフ」の大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えられた電力は、電力供給システム「LEAF to Home」を通じて安全かつ簡単に一般住宅に供給することができる。

– 2015年度には、全国にある日産の国内拠点に1,119基の充電ステーションを設置し、通勤時のEV利用を拡大している。

以上、日産は「ゼロ・エミッション車の普及」、「低燃費車の拡大」、「カーボンフットプリントの最小化」、「新たに採掘する天然資源の最小化」という4つの重点活動領域に、企業全体で取り組んでいる。

今回の「サステナビリティレポート2016」では、8つの「サステナビリティ戦略」である、環境、安全、社会貢献、品質、バリューチェーン、従業員、経済的貢献、コーポレートガバナンス・内部統制における、各取り組みの具体的な成果について掲載されている。

サステナビリティレポート
URL: http://www.nissan-global.com/JP/CSR/SR/2016/
※なおサステナビリティレポート は、環境配慮の観点から冊子印刷を廃止し、インターネット上で電子データ(PDFファイル)にて開示している。