国土交通省、「ETC2.0装着車の特車通行許可簡素化」のパブリックコメント募集


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国土交通省では、道路を賢く使う取組の1つとして、ITを活用した賢い物流管理を推進している。

そして今回、行政に於いて「ETC2.0装着車への特車通行許可の簡素化」の制度(特車ゴールド)を導入するにあたり、広く意見を募集する。(下記、詳細と背景を参照)

同省では、ETC2.0を活用した同制度の導入により、深刻なドライバー不足が進行するトラック輸送について、渋滞や事故を避けた効率的な経路選択が可能となり、物流効率化への効果が期待されるとしている。

その詳細と背景は以下の通り。

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ETC2.0 装着車への特殊車両通行許可の簡素化について

要約
業務用ETC2.0車載器搭載の大型車で、事前に利用規約に同意した場合、大型車誘導区間内の範囲で、経路選択を自由にする。

例えば、平成25年現在、セミトレーラーの8割以上が同一発着点で複数経路(平均9経路)の申請をしている。

こうした一本一本の経路ごとの大変な申請作業が、まとめて1つの申請に簡素化でき、かつ、渋滞・事故時の迂回もでき、輸送を効率化もできることが期待されている。

1.背景
0.3%の重量超過車両が道路橋に与える影響は全交通の約9割を占め、道路を劣化させる主要因となっている。

このため、これまで実施してきた大型車の適正通行を促進する取組に加え、適正利用者に対しては、効率的な輸送にも資する取組として、ETC2.0 装着車への特殊車両通行許可の簡素化を行うこととし、所要の通達の規定を整備する。

2.制度概要
当該車両の道路法第 47 条の2第1項に規定する特殊車両通行許可申請に対して、業務支援型 ETC2.0 車載器(特殊用途用 GPS 付き発話型車載器)を装着し、かつ事前に利用規約等に同意して、当該車両の車両情報や車載器に関する情報を登録した車両注)は、同法第 47 条の3第1項に規定する限度超過車両の通行を誘導すべき道路(大型車誘導区間)における経路選択を原則自由とする許可を与える。

注)車両の通行の許可の手続き等を定める省令(昭和 36 年 9 月 25 日 建設省令第 28 号)第 7 条で定める車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径に関する基準に適合する車両に限る。

また、当該車両が道路法に違反して通行している場合を除き、許可更新時の手続きを自動化(申請書を自動作成し、申請者からの同意をもって更新申請される)する。

3.今後のスケジュール(予定)
平成28年1月制度開始予定

電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)は以下URL
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155150605&Mode=0

※特殊車両通行許可申請とは
道路の構造は、ある一定の車両が安全・円滑に通行することが出来るように設計されており、この規格を超える車両の通行は、道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれがある。

このため、幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径が政令で定める最高限度を超える車両は、道路を通行させてはならないとしている。

しかしながら、実際の社会・経済活動に伴い、車両の使用目的や車両に積載する貨物の特殊性から、やむを得ず前述の最高限度を超える車両を通行させる必要が生じることがある。

このような場合にも上記の最高限度を超える車両の通行を認めないとするならば、社会・経済活動を損ね、交通の発達や公共の福祉の増進という道路法の目的に反することにもなりかねない。

そこで、車両の構造又は車両に積載する貨物の特殊性を審査し、必要上やむを得ないと道路管理者が認める場合に限って、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するために必要な条件を付して、最高限度を超える車両の通行を許可することができるとしている。

※政令で定める最高限度(一般的制限値)
車両の諸元/一般的制限値(最高限度)
——–幅——-:2.5メートル
——長さ——:12.0メートル
——高さ——:3.8メートル
——重さ——:総重量 高速・指定道路 25.0トン
——————:その他の道路 20.0トン
——————:軸重:10.0トン
——————:隣接軸重
——————:隣り合う車軸の軸距が1.8メートル未満 18.0トン
——————–(但し、隣り合う車軸の軸距が1.3メートル以上、
——————–かつ隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5トン以下
——————–の時は19トン)
——————:隣り合う車軸の軸距が1.8メートル以上 20.0トン
—–輪荷重—-:5.0トン
最小回転半径:12.0メートル
※ セミトレーラー・フルトレーラー連結車の特例あり

特殊車両とは、(1)車両の構造が特殊である車両、あるいは(2)輸送する貨物が特殊な車両で、幅、長さ、高さ及び総重量のいずれかが一般的制限値を超えたり、橋、高架の道路、トンネル等で総重量、高さのいずれかの制限値を超える車両を「特殊な車両」といい、道路を通行するには許可が必要になる。