JR西日本(西日本旅客鉄道/本社:大阪市北区、代表取締役社長:長谷川 一明)は、次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた取り組み 概要を公表。今年度実装の準備を進める。
より具体的な動きとして同社は、2021年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定。2050年にグループ全体のCO₂排出量「実質ゼロ」とすることを目指した取り組みを行ってきた。
その一環で、化石燃料である軽油を燃料として走行しているディーゼル車両のカーボンニュートラルを目指すべく、次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験を2022年度から2024年度に掛けて実施してきた。
今回は、その試験の結果が良好であったため、2025年度に気動車営業列車への実装を目指して準備を進めることを明らかにした。
1.実証実験の概要と試験結果
国土交通省が公募した「鉄道技術開発・普及促進制度 令和4年度新規技術開発課題」(鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発)として、(公財)鉄道総合技術研究所とJR7社での実証実験を当社エリアを中心に実施。
2022年度はエンジン単体での性能試験、2023年度は夏期・通常期・冬期の3シーズンでの走行試験を主に山陰本線で行い、2024年度は9月~1月の約5か月間主に岩徳線で運行する一部の営業列車で次世代バイオディーゼル燃料を100%使用した長期走行試験を実施した。
その結果、次世代バイオディーゼル燃料を長期間使用した場合でもエンジンへの影響はなく、問題なく使用できることが確認できたという。
2.今後の取り組み
そうした経緯を踏まえ、JR西日本が保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることを目標とし、2025年度に気動車営業列車への実装をめざして準備を進める。具体的な導入時期・場所等は、決まり次第、情報発信していくという。
技術資料
2024 年度長期走行試験時の主な確認項目と結果
(1)主な確認項目
・エンジン内部(シリンダ・ピストン)の状態
・燃料供給系(燃料配管・インジェクタ)の状態
・エンジン潤滑油の状態
・エンジン出力性能
(2)結果
各項目とも結果は良好、次世代バイオディーゼル燃料は問題なく使用できることを確認した。
(以下、上記係る参考情報)
▷2022年8月24日 西日本旅客鉄道株式会社プレスリリース
「環境⾧期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」達成に向けた取り組み
次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた実証実験開始!」
▷2023年7月14日 西日本旅客鉄道株式会社プレスリリース
「次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けて新たなステップへ 走行試験開始!」
▷2024年4月10日 西日本旅客鉄道株式会社プレスリリース
「次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた取り組み
2024年度は営業列車で走行試験を実施します」
▷2024年8月23日 西日本旅客鉄道株式会社・伊藤忠エネクス株式会社プレスリリース
「次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた取り組み
営業列車での走行試験を9月から実施します」
西日本旅客鉄道株式会社
業種倉庫・運輸関連業
本社所在地大阪府大阪市北区芝田2丁目4番24号
代表者名長谷川一明
上場東証1部
資本金2261億3600万円
URL:https://www.westjr.co.jp/