モルフォのDL推論エンジン、ルネサスの車載用SoC-AIアクセラに対応

画像処理技術を組み込みソフトウェア開発のモルフォ(本社 : 東京都千代田区、代表取締役社長:平賀督基)が独自開発した世界最速級のディープラーニング推論エンジン『SoftNeuro®』を今回、ルネサス エレクトロニクスが自社の車載用SoC「R-Car V4H」搭載のAIアクセラレーターエンジンに対応させた。

より具体的には、モルフォのディープラーニング推論エンジン「SoftNeuro」が、ルネサスの最新車載SoC「R-Car V4H」搭載のDeep Learning Acceleratorに対応した。

これは従来対応していたR-Car V3H1に加え、最新世代へのサポートが拡大したことを意味しており、TensorFlowやONNXベースの学習済みAIモデルを、R-Car V4Hへ移植・実装することが容易になる。

これを踏まえモルフォでは、これにより、高速かつ省メモリでのAI推論処理が求められる自動運転やADAS(先進運転支援システム)などの車載AI分野で開発・実装の負荷軽減および市場投入の加速が期待されるとしている。

そんなモルフォは「画像処理/AI(人工知能)」の研究開発型企業。画像処理技術を組み込みソフトウェア開発企業として、国内外のスマートフォン、半導体メーカを中心に自社製品を提供してきた。また併せて、カメラで捉えた画像情報をエッジデバイスやクラウドで解析する、AIを駆使した画像認識技術を車載や産業IoT分野へ提供している。

今回、ルネサス エレクトロニクスがモルフォのディープラーニング推論エンジンを、自社の車載用SoCに対応させた背景には、自動運転やADAS(先進運転支援システム)市場の拡大に伴い、車載カメラなどのセンサーデータをリアルタイムに処理するエッジAI技術への需要が急速に高まっていることがある。

特に、処理速度と消費電力の最適化が求められる車載分野に於いては、AI推論処理に特化したSoC(System-on-a-Chip)の利用が前提となっているからだ。

そんなAIアクセラレーターの構造は、ベンダー毎に設計思想が異なり、ハードウェアに合わせた実装が都度求められる。そりためにAIエンジンの対応開発には、高い専門性と工数が必要となり、開発期間の長期化や開発コストの増大に繫がる要因となってきた。

これに対してモルフォの「SoftNeuro」は、軽量かつ高速な推論処理を可能にするディープラーニング推論エンジンとして仕上げられていることから、以下の面での優位性を持っているとモルフォでは説明している。

  • – CPU、GPU、専用AIチップなど、複数アーキテクチャで高速に動作
  • – TensorFlow、ONNXなど汎用的なモデル形式に対応し、既存モデルの実装も容易
  • – 複数社のSoCのAIアクセラレータに対応していることから、あるベンダーのSoC向けに開発したAI推論機能を別のベンダーのSoC向けに移植することが容易

*更にモルフォでは、今回の「R-Car V4H」対応は、2021年12月に発表した「R-Car V3H1」対応に続くものであり、SoftNeuroが次世代の車載エッジAIプラットフォームにおいても有効に機能することを証明するものだと謳っている。

また今後の展望についてモルフォでは、AI推論エンジン「SoftNeuro」の対応プラットフォームを拡充し、車載分野に於けるAI実装の効率化を支援していきたいと話している。

株式会社モルフォ
所在地:東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 11階WeWork内
代表者:代表取締役社長 平賀 督基(まさき)、【博士(理学)】
設立:2004年5月26日
資本金:1,858,943千円(2024年10月31日現在)
事業内容:画像処理およびAI(人工知能)技術の研究・製品開発。スマートフォン・半導体・車載・産業IoT向けソフトウェア事業をグローバルに展開。

ホームページ:https://www.morphoinc.com/

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