フォードとn+、都市移動の選択肢としてeBikeをオプション提案

米フォードとスポーツサイクルの製造・販売を担うn+は7月7日(デトロイト発)、バスや電車を利用するよりも手頃な価格で電動自転車を所有できるように設計した新しいフォードブランドサイクルのeBike(電動アシスト自転車)ファイナンスおよびリースプログラムの開始を発表した。

車両提供にあたっては1日2.50ドル(月額75ドル未満)から利用できるオプションなどの選択肢が用意されており、eBikeでの通勤は経済的かつ効率的な選択肢となると謳っている。

ちなみにn+は、近年こうした自動車メーカーとのコラボレーション施策に熱心な企業で、今回のフォード(マスタング並びにブロンコ)の他、メルセデスAMGやマクラーレンF1との自動車と組み合わせた6輪生活の提案を打ち出している。

ちなみに米国人に対してこうしたプロモーションを活性化させている理由は、米国の都市部に於いて、パンデミック以前と比べても自転車人気が高まっている流れがあるためだ。

昨今の自転車増は、主にGPSを利用したサイクリングやランニングの記録ができるStrava( ストラバ )などのソーシャルプラットフォームなどが一般認識がされつつある現実も手伝い、それがサイクリストの増加に繫がっているともいう。

こうした流れもあってか、パンデミック以降も自転車を楽しむ傾向は良好に推移、今日に於いても大都市圏では、自動車の非効率性を前提に自転車通勤が代替策の一手段として親しまれている。

上記経緯を踏まえてフォードとn+は、マスタングやブロンコなどの車両名をヒント最適化したeBikeを用意。これを日常生活に取り入れる愉しさを提案している。

そのターゲットは先の通り、毎日の通勤にフォーカスしているようだ。というのは、パンデミックの終息が久しく続く昨今、塀国内にでは、オフィスに戻る人がビジネスマンが増加傾向にあるため。

今回のフォード&n+では、都市部での平均的なアメリカ人の自動車通勤者は、片道約25.4分を費やしていると示し、これは月に約19時間に相当すると自社の自動車ユーザーに投げ掛けている。

ゆえに、これをeBikeへ乗り換えれば、時間と費用(都市部の公共交通機関の料金表を掲示)の両方を節約するのに役立ち、現在、米国の主要20都市の公共交通機関の平均費用の月額95ドル超を削減できると提案した。

より具体的にフォード公式ライセンスeBikeを担当するn+のマネージングディレクターのダミアン・クック氏は、「当社の新しいファイナンスプログラムは、eBikeの所有を誰もが手軽に、そしてワクワクする体験にすることを目指しています。

当社のeBikeは楽しくスピーディーな移動手段です。現時点で我々のフォードのeBikeで通勤する方々は、通勤コストをできるだけ手頃な価格にして、通勤そのものをもっと積極的に愉しみたいとお考えのようです」と畳み掛けている。

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さて実際には、筆者のような自転車好きを別にすると、自転車を加えた6輪生活が、未来のモビリティライフを示しているという提案は、少なくとも誰にでも、あてはまるものではない。

一方で、少なくとも自動車の一択だけで「移動ニーズ」を満たすという考え方は、近未来のモビリティ手段としては不適かもしれない。

そうした意味で、自動車メーカー各社が模索する近未来のモビリティライフとは、どんな提案になるのかは気になるところ。けれども翻ってみると日本国内の自動車メーカー各社は、現段階で、そうした提案が、あまり見られないのは心許ない限りではある。

各社が未来のモビリティ企業を謳うのであれば、是非、自動車ファン向けでない広く移動社会を俯瞰した具体的な未来像を示して欲しいと思う。