独コンチネンタルAG、BMW出身のアベンドロス氏を新CTOに


独・自動車部品サプライヤー大手のコンチネンタルAG(本社:ドイツ・ハノーバー市、CEO:エルマー・デゲンハート、以下コンチネンタル)は来る2019年の1月1日付で、傘下のオートモーティブ部門の最高技術責任者(CTO)にディルク・アベンドロス氏(Dr. Dirk Abendroth/43歳)を迎える。

写真は、2019年1月1日付けでオートモーティブ部門の最高技術責任者(CTO)に迎えられるディルク・アベンドロス氏(Dr. Dirk Abendroth/43歳)
写真は、2019年1月1日付けでオートモーティブ部門の最高技術責任者(CTO)に迎えられるディルク・アベンドロス氏(Dr. Dirk Abendroth/43歳)

コンチネンタルは来年の2019年末までに「自律運転に関わる開発セクション」と「コネクテッドモビリティ向けの技術セクション」を統合させる予定で、アベンドロス氏は刷新されたオートモーティブ部門に於ける研究開発活動の全てを、企業規模で統括していく立場となる。

独コンチネンタルAGは現在、新本部の建設着工中。旧拠点となったハノーバー本部から2021年の創業150周年に向けて、新社屋が取って代わる予定だ。
独コンチネンタルAGは現在、新本部の建設着工中。旧拠点となったハノーバー本部から2021年の創業150周年に向けて、新社屋が取って代わる予定だ。

アベンドロス氏は、BMW出身者を筆頭に日産やアップルの技術者達によって2017年に立ち上げられ、現在、米カリフォルニア州サンタクララを開発拠点に据えている中国・南京市の新興EVメーカー『Byton社』の開発マネジャーとして「自動運転」「コネクテッドモビリティ」「電動パワートレイン向けシステム」の開発に取り組んできた。

そんな同氏の経歴の一部を記述すると、ハンブルク工科大学を経て独・BMWに入社。パワートレイン設計部門での経験を基礎に、2008年からプロトタイプ開発部門で従事。

2011年から2014年まではソフトウェア開発およびシステム担当としての実績を積み重ねた後、「i3」「i8」の電動パワートレイン開発責任者として活躍したことにより電動パワートレインのリーダーとなった。2016年7月からは移籍したByton社で、パワートレイン・自律運転ユニットの統括責任者として活動してきた。

今回、新たな活動領域を求めてコンチネンタルへの移籍を果たした同氏は、オートモーティブ領域に関わる同社のビジネスパートナー企業との窓口代表となり、エルマー・デゲンハートCEO(Dr. Elmar Degenhart)の直下に配置される見込みだ。

そのデゲンハートCEOは、今発表に際し「複数の技術賞獲得を筆頭に豊富な知見を持つアベンドロス氏が、コネクテッドな自動運転車の未来像を切り拓き、私たちのチームを強化してくれることでしょう。

我々は自動車業界に於けるさらなる成長に向けて、アベンドロス氏と共に仕事が出来ることを楽しみにしています」と話している。

対してデゲンハート氏は、コンチネンタルの成長分野として「自動化」「事故ゼロ」に関わるコネクティビティソフトウェア開発で大きな成長が見込めると想話す他、同領域での商機は人口知能AIや新たな無線技術を筆頭に、ロボタクシーといった自律型車両向けの搭載技術として必ずや結実していくだろうと語っている。

またこのような技術開発領域に係るタスクには、組み込みソフトウェアに焦点を当てたメソッドやツールの強化。同氏が参画したことで間近に控えることになったコンチネンタル・オートモーティブの統合に伴う部門最適化が含まれるとする。

オートモーティブ部門成長に係る成果についてデゲンハート氏は「近未来のモビリティ社会の実現には、さらなるソフトウェア技術分野での革新を必要とします。

実際、次世代自動車の開発では、すでにソフトウェア開発が全体コストの約8割を占めている程です。

私たちコンチネンタル・オートモーティブでも、部門売上の6割をデジタル関連製品で生み出しており、その数字は未来に向けてさらに拡大し続けています。

今後はオートモーティブ関連の研究開発部門を統合していくことで組織全体の協力体制を強化。これに併せてイノベーションサイクルを加速し、ソフトウェア開発過程の柔軟性を向上させていくべきと考えています。

我々のパートナー企業並びにエンドユーザーの皆様が享受すべきメリットは、事故を防止し、渋滞を避け、車両の乗り心地向上に貢献する最先端でなければならず、それらはアフォーダブルなソリューションであるべきです」と説明している。