人とくるまのテクノロジー展でのデモを実施、将来的な自動車向け5G開発の基礎を築く動きを始動
コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市神奈川区、社長:バート・ヴォーフラム、以下コンチネンタル)は、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉澤 和弘、以下ドコモ)とかねてより発表していた5G技術を利用したコネクテッドカーの共同研究をいよいよ始動させる。
これは2020年以降の自動運転車両の普及を見据え、コネクテッドカーのインフォテインメント機能の拡張、また車とあらゆるものをセルラー通信でつなぐため、5G技術を利用した共同研究を行うとしていたもの。
この内容が5月24日(水)から開催される2つの異なるイベント、「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」(会場:パシフィコ横浜)、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」(会場:東京ビッグサイト)にて、5G技術を活用したプロトタイプアプリケーション用いた共同デモとして実施されている。
この次世代移動通信システムの仕様については、現段階で検討の初期段階にあるものだが、このNTTドコモとの提携を通じて、将来5G技術を自動車向けに採用する場合に考慮すべき点を積極的に定義していく予定となっている。
横浜と東京で開催される上記2つの展示会の期間中、コンチネンタルは、5Gの技術的可能性を共同デモで明らかにする。
このデモについてソフトウェア・コネクテッドソリューションのプロダクトマネジメント責任者のロバート・ジー氏(Robert Gee)は、「高精細動画データをリアルタイムで見ることができるという、自動車のユースケースに限定されないシナリオをあえて選びました。
それは何故かと言うと高い要求を提示し、5G の可能性を可視化できるからです。
共同デモの一部は5G試作品を搭載したテストカーであり、5G アンテナを通じ、5G基地局と通信します。
今回の共同デモでは、2つの展示会におけるコンチネンタルとNTTドコモの各ブース、デモ車両のある横須賀リサーチパークの3拠点を接続し、5Gシステム搭載デモ車両の様子を4K動画(3840×2160ピクセル)でお目に掛けることになります」とデモに於ける解説を行っていた。
なおこの取り組みについて、コンチネンタルのインフォテインメント&コネクティビティ事業部長のヨハン・ヒーブル氏(Johann Hiebl)は、「この5G技術の研究により、私たちは有利な立場に立てます。車両のネットワーク化は私たちの最優先課題ですが、コネクテッドカーの利点を生かすには、未来のセルラー通信方式の帯域幅、通信速度、低遅延性が重要になります。
具体的には、今回のプロトタイプ5G技術の試験を通じて、実際に自動車向けに使用する場合の状況や、今後さらに研究を進めるべき分野について深く確認することが可能になります。
コンチネンタルの20年におよぶ車両ネットワーク化や車両統合のノウハウと、NTTドコモの5G 技術を組み合わることで、新技術の利用が全面的に可能となるであろう2022年頃に、私たちは即座にその恩恵を受けることができるでしょう。
未来の車は、より安全でリラックスして運転できることに加え、快適性もはるかに高まるでしょう。
このために必要不可欠なのがデータ交換です。自動運転であれ、人間が判断するにかかわらず、車両内の意思決定の正否は、その元となるデータにかかっているからです」と語っている。
これを引き継いで先のロバート・ジー氏は、「実際のところ、自動車に関するあらゆるトレンドにはネットワーク化が関わっています。
例えば運転時の安全性は、車内のセンサーネットワークやネットワーク化されたセンサー信号に加え、車外からの情報にも左右されます。
運転効率の改善には、クラウド経由のバックエンドもしくは他車からのデータを考慮した予測運転戦略が必要になるでしょう。
事故のない運転(ビジョンゼロ)の実現に向けた重要なステップである自動運転は、周辺地域や前方の道路状況を把握できるeHorizonがなくては実現は難しいでしょう。
つまるところ最新の取得データはコネクティッドカーの燃料です。
モノのインターネット化で車は対等な立場となり、データ通信量は劇的に増大していきます。
現在のセルラー規格はそのような状況が考慮されていませんが、5Gについては考慮がなされています。5Gは1km²あたりの接続数100万を目指しており、4G より多くのデバイスが接続可能になります。
新しいセルラー通信規格である5Gは、クルマと他の交通参加者、インフラを、想像以上の方法で接続します。
5Gはダウンリンク10Gbpsの通信速度、無線区間1ミリ秒の超低遅延を目指しており、新たなユースケースやサービスの実現が可能になるでしょう。
高密度隊列走行や、HD(高解像度)リアルタイムマップ更新、センサーシェアなどがその例です。
5G技術の主な可能性はその低遅延性にあり、この応答速度はV2X通信にも活用できるでしょう。遅延時間が低減されれば、車車間、路車間、歩車間通信で、安全関連の運転者支援システム、自動運転のデータ基盤を改善することができます。
これらすべてを可能にするために、周波数やデータ通信の細部を研究する必要があります。それゆえ、私たちの現在の活動には、アンテナや、走行車両に最も適した周波数の研究が含まれています」と語っていた。
関連リンク
コンチネンタル・オートモーティブ:https://www.continental-automotive.jp
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