フェイスリフトに加え最新 BlueHDi と最新の運転支援技術を搭載して347 万円より
プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:クリストフ・プレヴォ)傘下のシトロエンブランドは11月21日、その独特のスタイリングとドライブフィールにより、根強いファンを獲得してきたMPV(ミニバン型の自動車)の「C4 PICASSO」に、PSA グループ最新のクリーンディーゼルエンジンBlueHDiを搭載。さらにフェイスリフトや運転支援技術を充実させ、来春より日本導入を開始すると発表した。
そもそもPSAグループの源流にあたるプジョー時代。同社は1700年代に織物業を開始。以降、穀物製粉機を足掛かりに製鋼業界に進出。1936年のメルセデス・ベンツ260D(W21)に遅れること2年。1938年に乗用車搭載のディーゼル車両として世界で2番目となる「プジョー402」を発表した。
次いで1979年には「プジョー604」用のディーゼルターボエンジンを開発。1990年代からは、ディーゼルエンジンに付きまとう課題であった排出ガスのクリーン化に取り組み始めている。
そして2000年にDPF(微粒子フィルター)を発表。酸化触媒とSCR(選択還元触媒)と結合したDPFによる技術を「BlueHDiテクノロジー」と名付け、ヨーロッパの新排出ガス規制である「ユーロ6」をクリアしたことから、2013年9月からPSAグループの車両全般に採用されてきた経緯がある。
そんなPSA グループの集大成ともいうべきBlueHDi は、グローバルで累計生産100万台を突破。日本市場へはシトロエン C4、DS 4、プジョー308、508などPSAグループの3ブランド全 5 モデルに搭載されて以降、我が国・日本国内に於いても、その出荷台数を順調に積み上げている。
そうした経緯から、多くの根強いファン層を抱えるシトロエンの量販ミニバン「C4 PICASSO」についても、BlueHDiの導入が永らく待たれていたが、今回いよいよピカソ専用に最適化された2.0ℓの150psバージョンのユニットが初搭載される。
併せて、外観上でもフェイスリフトなどを行い、5 シーターと 7 シーターのフロントマスクを共通化。ヘッドライト周辺にブラックのフレームを入れより引き締まった表情へと変更されている。
搭載機能についても、両手がふさがっていた場合に開閉可能なハンズフリー電動ゲートや、PSA グループ最新の運転支援技術を多数搭載しているのも大きな特長である。
https://www.youtube.com/watch?v=Akr5ezHLHp0
なお、来春のフルライン導入に先駆け、シンプルな装備を搭載し価格を抑えた「GRAND C4 PICASSO FEEL BlueHDi」(ディーゼル・7 シーター)を限定 200 台にて11月21日より発売開始となった。
ちなみにこの「ピカソ」という車名は、ピカソ直筆のエンブレムデザインと共にピカソ財団の許可を得て採用しているもの。同車の来春からのシトロエン C4 PICASSO のラインナップは以下の通りとなる。
C4 PICASSO フェイスリフトモデルの主な変更点
クリーンディーゼル搭載 BlueHDi モデルの追加。CO2 排出量を約 15%軽減し、燃料消費量を約 25% (C4PICASSO: 18.0km/ℓ)改善
高い環境性能を誇る PSA グループの BlueHDiエ ン ジ ン(Blueはクリーンな環境性能を表す象徴、HDi はHigh Pressure Direct Injection<高圧直接噴射>の略)は 、 排出ガス浄化に尿素水溶液こと「AdBlueⓇ(アドブルー)」を用いたSCRセレクティブ・キャタリティック・リダクション)によってNOx90%、DPF(ディーゼル・パーティキュレイト・フィルター)により PM を 99.9%を除去、最新の欧州排ガス基準 Euro6 および日本のポスト新長期規制に適合したクリーン技術を採用している。
この技術は、同じ性能のガソリン車と比較した場合、燃料消費で25%、CO2排出量で15%低減。そもそもSCR自体の搭載位置を排出ルートの上流(エンジン側)に配置したことでエンジン始動直後(低温時)から素早くNOx 除去が可能だ。
さらにDPF(Diesel Particulate Filter)は、電子制御によって排気温度を高めることでフィルター内のPMを99.9%取り除く。そうした環境性能を保持したままC4 PICASSOには、DS4への搭載実績を持つ最高出力150ps、最 大トルク370Nm/2,000rpmの2Lエンジンを搭載。
これをベースに出力特性をC4 Picassoのキャラクターに合わせて最適化。走行時のパフォーマンスと実用燃費のバランスを図った。
エクステリア面では、フロントフェイスを5シーター・7 シーター共通のフロントマスクとし、モデルラインの個性を際立たせ認識率を高める
フロント中央のダブルシェブロンから、左右に伸びるクロームラインは、LED ポジションランプの手前でアクセントをつけた。
またヘッドライトユニット周囲にブラックの縁取りを施し全体のバランスをとり、さらにはグリルを上下 2 分割し、下部はフォグランプユニットを含む幅広なデザインとなり C 型クロームデコレーションを加え、ワイド感とプレミアム感を向上させた。
一方、サイドビューに関しては 7 シーターのみ改良を施した。具体的には、ルーフレールカラーを明るいシルバーとし存在感を際立たせている。
リアのダブルシェブロンロゴは、エンブレムの中央をブラックで塗りつぶし、引き締まった印象と立体感を訴求。
装着されるアロイホイールも5 シーター(17 インチ)は新デザインを採用し、7 シーター(17 インチ)はグレーからブラックにホイールカラーを変更した。
インテリア面では、ダッシュボードの各部アクセントをブリリアントブラックに変更し全体をシックにまとめた。シートは新素材のブラック&グレーのコンビネーションシートを採用。ボディカラーには新色としてラズーリ ブルーとサーブルが追加され、全 6 色での展開となった。
C4 PICASSO SHINEへの新装備としては、ハンズフリー電動ゲートを備えた。これは電動テールゲートの開閉が、両手がふさがっている場合でも、リアバンパー下のセンサーによって足先を蹴りだすことで可能となるものだ。
併せて衝突のリスクを検知してアラートを発し、ドライバーが回避操作を行わない場合にブレーキを掛けるアクティブセーフティブレーキを搭載。
この作動範囲は、最大減速度約 1G、50km/h 程度の減速で5km/h~。80km/hから60km/h 以下で歩行者を検知する。
アクティブクルーズコントロール(ブレーキサポート付)は、エンジンブレーキによる減速だけでなく、ブレーキングによる減速効果で設定した車間距離を保つ(作動スピードは 30km/h~、最大前方検知範囲は150m程度)。追随する前方車両が停止した場合も車間を保持して停止する。なおブレーキサポート付はディーゼルエンジン車のみ(Shine BlueHDi)装備される。
その他、カメラが車線を検知し、ウィンカー操作無しに車線をはみ出しそうになると、自動的にステアリングを修正するレーンキープアシスト。※高速走行時、65km/h~で作動。
従来のドアミラー部のオレンジ灯による警告のみならず、ステアリングの反力により、危険な車線変更を抑制するアクティブブラインドスポットモニター。
カメラが制限速度を認識して、フルデジタルインパネに表示。ドライバーは任意でクルーズコントロールおよびスピードリミッターに連動させることができるスピードリミットインフォメーション。
ステアリングやアクセルペダルへの操作と、カメラによる車線に対するふらつきを検知して、居眠り防止の警告を行い、さらに一定速度以上での連続運転が 2 時間を超えると、コーヒーカップマークが警告音とともに現れ休憩を促すドライバーアテンションアラート。
日本語を言語として選択できるようになった新タッチスクリーンなど多くの装備・機能が追加されている。
最後に購入費用とランニングコスト面だが、BlueHDi搭載車は全車クリーンディーゼルでエコカー減税対象車となる。減税率は重量税、自動車取得税が100%、自動車税は概ね75%、取得費用や車検時の費用も軽減される。